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2003年12月30日

一年間を振りかえる・・・その④【自治基本条例】

 自治基本条例は私の「こだわり政策」のひとつ。正しくは「市民自治基本条例」でしたが、最終的に行政案は「自治基本条例」という名称に。名称へのこだわりもあるけれど、それよりもやっぱり中味重視でいきたいもの。大学卒業後に地域でフラフラしながら、土曜日に市民ワークショップに参加していた一人ではなく、議員として条例を審議しなければならない立場になり、ここは大きな試練だなと感じている日々です。ワークショップに参加していたから…というだけで、市民提言案をまるごと受け入れることを主張するのではやはり説得力がないからです。

 それにしても、自治基本条例が12月議会に出されるまでの長い長い道のりには「生みの苦しみ」という言葉がぴったり。市民ワークショップと行政側とのせめぎあいは本当に緊張感に満ちたものだったと思います。市民ワークショップの立場からすれば「我慢勝負」。市民参加とそれにかかる時間との兼ね合いを考えさせられました。行政と市民とが互いにいい関係で物事を運ぶためにはある程度「時間」の区切りをつける必要があると思いました。それはおそらく「目標」になるからです。達成しなければならない目標があるとして、その達成度合いは最初から決めることは出来ません。市民参加でやろうとすると尚更です。けれども時間の区切りを持つことで、挑戦意欲がわく気がします。そのことで市民側も行政側も「火事場の底力」が出るのかもしれません。
 私は市民ワークショップが市民提言案まで策定してしまった「市民自治基本条例」の事例は条例案そのものの精度は別としても、参加していた市民の持ち合せている力は最大限発揮できたのだと考えています。一番重要な力は「調整力」です。ワークショップに参加した人たちは自分の考えだけが通らない辛さ面白さを感じながらも、様々な価値観をぶつけ合いながら最終案をまとめました。もちろん、自分の意見が通らないことへの不満から途中から参加しなかった人もいますし、毎月二回責任もってワークショップに出席することの大変さも思い知りました。私は珍道中のような条例策定プロセスに価値があると考えています。

 さて、年明けに自治基本条例を委員会でじっくりと審議します。自治基本条例の審議があるからこそ所属した総務常任委員会です。市民提言案が市長に提出されてから、一年以上も経過してしまったあまりに、私自身の自治基本条例に対する考え方も少々変化、自分では発展を遂げていると考えています。もちろん委員会でもワークショップと同様に、さまざまな立場から選出された議員同士の話合いが繰り広げられます。しかしながら私は「妥協の産物」のような結果にはしたくないと考えています。

投稿者 hisaka : 2003年12月30日

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