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2003年12月14日

心和やかな昼下がりを

 多摩市出身の堀由紀さんとハンス・リケリンクさんのコンサートが無事終了しました。一応、司会としての役目も果たせて何とかほっとしています。
 障害をお持ちの方や高齢者の方が都心まで出かけて一流のコンサートを楽しむのはなかなか大変なことです。このようなコンサートを多摩市で開催出来る事は本当にうれしいことです。もちろん演奏をしてくださる由紀さんのコンサートへの理解がなければ開催することが出来ません。音を聞いて声を出したり、もし仮に席から立って演奏者に歩み寄ることがあっても・・・どんなことがあっても「大丈夫ですよ。」と、とても心丈夫にうなづいて下さいます。そんな由紀さんの心意気に支えられて、再び始まった演奏会でした。
 由紀さんのヴァイオリンの響きはとても柔らかく、そしてやさしいので会場全体がすーっとひきこまれていくのがわかりました。定員満杯ではない会場で、本当にゆったりと贅沢な時間を創り出すことに成功したように思います。このコンサートは、ほとんど中心人物一人が段取りなどを組み動かしているような印象を受けたのですが、その方はこれまでにもう数回、障害を持っている方々のためのコンサートなどを開催してきた市民プロの方です。自身の利益などは無関係です。私は行動力には脱帽ですし、このような活動は応援もしたいし、共感もします。
 さて、今回のコンサートでは事前にリクエスト曲を募集し、その曲にまつわるメッセージを由紀さんや会場の方とともに共有してから、演奏を聴くという新しい試みがありました。これもまたとても好評でしたが、リクエストして下さった方のエピソードには思わず、心がしんみりし、涙が込み上げてきそうになりました。(何といっても自分の口からメッセージを述べることは耐え難いということで、代読をしましたが、練習をしておかなければ声が詰まっただろうな・・・と思うような話でした。)来場者としか共有できない雰囲気ですが、何しろ本当にすばらしい音楽会であったことは間違いなしです。
 ぜひ、来年も由紀さんが来日されるのにあわせて、このコンサートが開催されれば、これほどうれしいことはありませんが、一人でも多くの市民の方に会場の空気を広げたいなあと言うのは私の勝手な思いかもしれません。このコンサートの趣旨はあくまでも障害をお持ちの方々とその家族を対象としているからです。しかしながら、それだけに留めておくのは少し残念な気もします。

 私はこじんまりとしたコンサートが大好きです。いろいろな場所で演奏者と聴衆者との距離がとても近く、そして音楽が本当に身近な生活の一部にとけこんでいくような・・・多摩市がそんな雰囲気のまちになって欲しいなと思っています。

 すてきなコンサートをお手伝いできて、ちょっとは気分がよくなりました。それにしても、困ったことに、家の中を歩いている分には元気だと思っていたのですが、外出となるとまったく状況が異なることがわかりました。それに、一番悪しきことは、私は常日頃から敏感なんですが、風邪をひくとさらに嗅覚が鋭くなり、普段は気にならないようなまちの臭い、特に排気ガスの臭いがやたらと鼻につき歩いていると気分が悪くなって仕方がないのです。多摩市の緑にもう少しがんばってもらいたい・・・などと思ってしまいました。

投稿者 hisaka : 2003年12月14日

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