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2003年12月02日

「政治生命をかけた改革」

 昨日、帰宅をしてから半日以上寝たために、ちょっとは回復した風邪。しかしながら一般質問の準備がまったく手つかずに今日を迎えてしまって正直ブルーな気分で朝を迎えました。
 しかしながら、今回は隣に座っている超ベテラン議員のマネをして、予め再質問をすべて文章化していたので、そのことに助けられました。頭が半分くらいボーッとしていたので、いつもの緊張の感覚が鈍っていたこともよかったみたいです。

 さて私は「補助金の改革」について質問をしたわけですが、補助金のあり方を見直しをするのは実行するのが本当に難しいのです。多摩市では1987年(昭和61年)から4回の行財政改革をしていますが、いつも課題になっているのがスクラップアンドビルドでの補助金の見直し。しかしながら、改革課題になっているわりには抜本的な見直しには踏みこめていない現状があります。
 私はこの課題は簡単に言ってしまえば、利益誘導型、バラマキ型と揶揄されるように政治的な要素が非常に色濃く絡んでくる問題だと考えていて、正直、行政の内部構造的な問題以上に根深い部分に解決策を講じなければならないと考えてきました。

 そしてそのことは我孫子市や八王子市に視察に行っても確信しました。つまり首長と議員とのもたれあいの構造をいかにしてたちきるのか・・・という部分で、特に我孫子市では全ての補助金について第三者機関で評価をし、補助金が必要かどうかを審査をしています。
 もちろん保育所の運営補助費のように国や都などとの関係で支出されるものもありますが、それらについても一応は審査対象としています。審査対象にはなりますが、補助対象外として判断されることはまずあり得ない案件の一つとしてカウントされています。
 また、国や都などの補助金においても本当は多摩市にとって不必要なものもあります。例えば国や都での政治力によって、多摩市にもたらされる補助金(今はないのかもしれないけれど)もあるのです。(今まで考えると、やらなくてもいいような公共事業というのは典型ですね。)我孫子市のケースでも国や県からの補助金にしても、本当にその補助金をもらう必要があるのかどうかも第三者機関で審査され、不必要だと判断されることもあるのだそうです。

 多摩市の場合、行財政診断白書の中ではイベント実施に関する補助金等については公募型プレゼンテーション方式を採用し、第三者機関により評価をして、補助金の決定をしていくことは方向性として示されていますが、我孫子市のように全ての補助金について第三者機関が評定をだすような方式を採用するところまでは決定していません。公募するになじむもの、なじまないもの・・・についての振分けは職員が行うというところに留まっています。私はそこを何とか変えてもらいたいと思っているのです。
 やはり全補助金について第三者機関の審査を通すことで、より透明度が高く、市民からもわかりやすい仕組みができると思うからです。職員が振分けするという部分では、その職員がどんなに誠実に職務に当たっていたとしても、見方を変えれば手心が加わっているようにも見えるかもしれないし、何だか市民には立入禁止の聖域があるようにも思えるし・・・。だからこそ仕組みから透明性が高くなり、公正性や公平性が担保出来るように変えることが何よりも重要なことではないかと考えるのです。

 とにかく、第三者機関を設置することで何よりも政治的にも透明度が増すというのが一番のメリット。もちろん第三者機関のメンバーの人選が重要で、それによって左右される部分も大きいことは確かですが、まずは、そういう仕組みを作りたいのか作りたくないのかというところには正直言って、首長の姿勢を伺い知ることが出来るわけです。
 我孫子市でも八王子市でも残念ながら、議会の働きかけではなく市長の決断によって設置されたのが第三者的な要素。その意味でも私がいくら提案をしたとしても、その提案を受け入れるのかどうかは市長次第と言うこともあり、またもや私としては何とも無力感を味わうわけですが、いずれにしても、市長が信頼できる市政をどういう手法によって実現するのかを考えた時、私は補助金の改革にあたり第三者機関を設置することは有効な手段であると考えます。

 第三者機関の必要性について、くどいながらも何度も何度も必要性を訴えたわりには行政側の答弁はいまいちピリリとしたものがなく、まともな返答が来た!という確信が持てなかったのですが、最後の最後でようやく市長が自らのことばで「今回の行財政改革を政治生命をかけてやっていく」ということをしっかりと述べたので、さすがにここは私の琴線に響くと言うか、今のことばをちゃんと職員は聞いてくれているかしら?と思いながら・・・思わず「ぜひ、よろしくお願いします」と言ってしまいました。
 本来は議員が「よろしくお願いします」ということはあり得ないわけです。なにをお願いしているんだ・・・と市議会ウオッチャーの人達には咎められるに値する素っ頓狂な答えをしてしまいました。しかしながら、私は本当に政治生命をかけているというのなら、それこそ本来の二元代表制にある首長と議会間の緊張関係を取り戻すためにも一役買ってもらいたいなと思います。豪腕改革を進めている各知事や市長は、やはり議会に対してもとっても強権的です。でもそれによって地方政治が活発になるという効果が多分にあり、私はやはりそこに大きな期待をしています。
 もちろん議員としてもやるべきことがありますが、残念ながら地方政治における首長の力の大きさは中央集権体制時代の名残でもあり、ここを突破していくためにはまだまだ時間がかかると言うのが現実。それを認識しながら活動を組み立てるのは、なかなかの至難の技なのです。

投稿者 hisaka : 2003年12月02日

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