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2003年11月29日

最終的な落としどころ

 市民自治基本条例をつくる会も8月に行政素案が出されてから約10回ほどの会議を重ねています。出席者は正直、ワークショップの時よりも減っているけれど、毎回きちんと出席をして意見交換に参加する人は20人弱。今日も同じほどでした。私はこれからは議員として審議に臨まなければならないと言うことで、「つくる会」からは少し距離を置いて傍聴をするに留まったほうがいいとのアドバイスを受け、今日は「つくる会」の話合いの一部始終を見守っていました。とても複雑な気分でした。

 さて、前回の「つくる会」では少々感情的な対立かなあと思える場面もあり、結論が出ないまま終わってしまいました。いよいよ明後日から12月市議会が始まり、「つくる会」が何と言おうが議案として『多摩自治基本条例』は提案されてしまいます。会としてもここで一区切りをつける必要もありそうだ・・・という判断のもと、今日の話合いが行われました。
 さすが、会議慣れ・・・?市民参加のベテランというか、変に対立をするのではなくみんなが歩み寄れるような「第三の道」を準備してくれるメンバーがいました。誰が頼んだわけでもありませんが、前回は行政素案に賛成か反対かみたいな変な議論になってしまったことを踏まえて、「意見書」を作成してきてくれたのです。
 これは「つくる会」としても、行政案に対する総括にもなるとの説明で、今までに3回の意見書を提出しているわけですが、その意見を行政が取り入れてくれたのかという評価のみならず、行政とのパートナーシップ協定に対しての一定の評価も含まれるものでした。
 誰もが市長の交替という部分にとても悔しい思いをしています。それをあえて発言はせず、市長が交替したけれど、けれどもここまでがんばってきたという噛み締める思いを持ちながらパートナーシップ協定に基づいた調整をしてきました。行政としてもかなりの譲歩をしてくれた面も感じられると言うこと。特に、今までさまざまな市民運動などに関わってきた経験を持っているメンバーからは、「こんなに行政が柔軟に対応してくれたこと事態、内容は別としても評価できる」という声もありました。
 中には「やっぱり手続きからして間違っている。反対したい。」とおっしゃる方もいましたが、みんな「反対したい」という気持ちも片隅にありながら、でもここで「反対」と突っぱねたところから生み出されるものはないだろう・・・との判断をして「やむを得ず」というカタチで行政案にお墨付きは与えないけど「うなづく」という人が半分以上はいたようでした。

 きっと、これは行政の表現によれば「オオムネ認めていただいた。」になるんだろうな・・・。

 とにかく「第三の道」が思いもかけずに用意されていたことで、話合いがスムーズに進み、「つくる会」としては行政案に最終的な合意を取りつけることはしないけれど、意見書を出し、その中に自分たちの意見をまとめようというカタチになったことはベストではないけれどもベターだったと思います。行政と「つくる会」がお互いに調整をして、そして妥協する部分がありながら、今の行政案へとたどり着いたように、「つくる会」の中でもさまざまなスタンス、価値観を持った人が歩み寄り妥協をして最終的な今回の結論になったことだけは確かです。
 「つくる会」として、はっきりとした態度表明をしないことは遺憾だという人もいると思います。でも市民提言案をまとめてきた「つくる会」が分裂をするのではなく、ゆるやかにまとまりを形成しておくことの方が私はこれからの「自治条例」にとっても必要なことではないかと思っています。
 「この条例ができた後、どうやってみんなで実践していくかが課題だよね。」最後にはこんな会話も聞かれました。それこそ、今日のメンバーのほとんどは多かれ少なかれ同じような気持ちを持っていたのではないかと思います。

 「つくる会」のこれからについてはまだ決定していません。なぜならば、これから議会での本格審議になると言うこともあり、それによっては会としての対応もあるやもしれない・・・・というわけです。でも、とりあえず今日、ひと段落した部分もあり、私としては「つくる会」が分裂しなかったということに安堵の気持ち、そして来るべき議会に向けた緊張の気持ちを味わいながら帰路についたのです。

投稿者 hisaka : 2003年11月29日

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