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2003年11月28日

民間の発想を学ぶ

 法政大学でリクルートワークス研究所所長の大久保幸夫さんの講演会があると知り、聞きに行きました。テーマは「民間に学ぶ、自治体職員の人材開発とキャリア向上のヒント」です。
 職員研修等がとても重要だと考えるわけですが、どのように力量アップをはかっていくのかについての具体的な提案をするのは難しいです。だいたい目に見える成果を図ることそのものに困難があります。毎年の決算事業報告書を見てみると、職員研修も毎年のように行われているようですが、そのプログラム自身に対する評価にしてみても外部から見ているだけではわからない・・・という面が多分にあります。
 ということで、今日の講演会の存在を知り、これは聞きに行く価値がありそうだと足を運んだのでした。民間企業は人材育成部門への投資に目を向けるようになっています。不況だから、それに伴って人材育成にかかるコストを削減する・・・ということではなく、人材開発に対する投資はきちんと確保しているのだそうです。

 人材能力を向上するために企業内教育と、個々人へのキャリア支援を組合わせるということですが、やはりモチベーションをあげ、アビリティを向上させてパフォーマンスに結びつけていくためには、人材育成コーディネーターのような存在が必要かもしれないと感じました。この間の会派説明によると、来年から人事部に人材育成専門の担当課長が設置されるそうですが、その人が一体どのような職務を担当し、人材育成をリードしていくのかは、かなり注目です。正式な名称は定かではないのですが、確か昨年度に「人財育成」についての基本計画は作成済み。もしこの方針に基づいて来年から専門の担当課長を配置するとすれば、なんだかとても機動力に欠けるなあと思いますが・・・。
 とにかく民間企業が一人一人の社員に注目をし、特に社員サポートプログラムということではカウンセラーを配置し、仕事上の相談だけではなく家族や人間関係に及ぶまでの相談窓口を設けている・・・という手厚さにはさすがだなあと思いました。一つの自治体で社員サポートプログラムを専門的に提供している会社と契約をするには、経費面で難しそうかもと感じました。

 さてモチベーションをあげていくというところで注目をされているのがFA制度です。この制度は当初は上手くいかないだろう・・・と思われていたそうですが、実際にやってみるととても上手くいって仕方がないそうです。もちろん自分の希望する部署に異動できたなら、仕事に対する取組み態度が変わるのはもちろんです。直属の上司の許可なく応募が出来て、異動が決定したら上司には拒否権がありません。(一応応募要件はあるそうですが)・・・・これによって上司に及ぼす効果も絶大です。例えば、極端な例ですが、自分の部下が全員他の部署への異動を希望していたら・・・・自分自身のさい配を見つめ直すきっかけになるからです。・・・というのが民間での取組みだそうですが、私はこのFA制度の発想を取り入れることも面白いと思います。

 お財布が寂しくなると、いまいち元気が出ない・・・というのは市役所の中でも同じです。倹約ばかりが求められる・・・のは辛いわけです。しかしながら、やっぱり次につなげていくための新しい発想を今こそ導入して、お金がなくても活力をつけられるような気持ちづくりが大事だと考えています。私は特に若手の職員の人たちに元気になってもらいたいと思います。公務員という組織はなかなか保守的なわけですが、そういう古いスタイルの組織体制を大きく変えていくためには、ある意味で首長の決断力がモノ言うわけです。何とか期待したい部分です。

投稿者 hisaka : 2003年11月28日

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