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2003年11月26日

昭島市まで出かけてみたら・・・・

 昭島市でも自治基本条例を策定しようという動きがあり、多摩市と同じように?市民会議形式を採用します。たまたま昭島の市民検討会議の代表者の方が私のホームページを見てくださった縁で今日は多摩市の「つくる会」の代表が会議に呼ばれて話をしたわけですが、私もくっついて出かけていったのです。というのは、多摩市での取組みが他自治体はどう見ているのか?を直接知ることの出来る機会はとても大切だと考えているからでした。立場上、議員という肩書きがつきまとうので参加をしてもいいかどうか事前に問合せをしておきました。昭島市の会議には議員の参加はないからです。何とか私の気持ちを理解していただいて、出席の許可が出た時にはありがたいなあと思いました。

 本当は傍聴者のつもりだったのですが、多摩市の「つくる会」代表の説明の後で少しだけ発言の時間がもらえました。私自身は市民としてワークショップに参加をしていた時と、今、議員という立場で議論を進めているところの気持ちとか、その上で必要だと考えたこと等を感想めいた話をしてきました。

 要するに、自治基本条例というのは市民と首長(行政)だけでなく議会も含めたうえで、どのように自治体としての意思決定をしていくのか?というデザインを描いていくことが必要になりますが、策定過程において、多摩市のように市民ワークショプ(もちろん議員も一市民として参加をしてもいい)で行政との協働だけに重きが置かれて進行してしまうと、対議会との関係性が少しゆがんでしまう感じを持っています。最終的に条例が可決するためには議会を通過しなければなりません。つまりは議員個々人の自治基本条例に対する理解が必要になります。
 
 多摩市の場合は市長も交替、議会も改選という悲劇的な運命を辿っているわけですが(交替をすると言うことはある意味でリセットになってしまうのです)、議会では4月の改選以降、特に私の所属している総務委員会では委員長の掛け声のもとで、各委員はそれぞれに勉強もしながら、そして参考人制度を用いて、市民側「つくる会」からも説明を受けるなど市民提言案の理解にも時間を割いてきました。
 昭島市議会がどのように対応するのかはわかりませんが、市民検討会議の中でまずは市民側の思いなどが出されるわけなので、その部分を議会側でも汲み取れるような工夫を市民側で考えてみることも必要ではないか?と提案をしておきました。
 
 昭島市では市民検討会議と並行して、庁内のプロジェクトチームも動いていて、両者それぞれに出てきた案を審議会にかけて最終的な議会への提出議案にするようでした。策定プロセスは少々異なりますが、市民検討会議ではパートナーシップ協定を市長と結ぼうとしているようです。やはり市民側の提案がきちんと生かされるように・・・というところが危惧されるからでしょうか?しかしながら、昭島市のパートナーシップ協定案の中には市民側の案の変更箇所などに対する説明責任とか意見交換という多摩市の協定の中で最も争点となった部分はそのまま削除されているみたいでした。(なんのためにパートナーシップ協定を締結するのかわからないのでは?と指摘だけしておきました。一番大事な部分が市民案の提言後の行政とのヤリトリだと感じているからです。ここについては昭島のメンバーの方も「そうなのよねえ」とおっしゃっていました。「この案は行政が作ってきたものなのよね!」と。)

 とにかく私自身が感じていることは自治基本条例の条文の作文は、それこそ事務局担当の職員の力を最終的には借りながらわりとすぐに完成させることができると思うのですが、市民検討会議の側でいかに議論を積み重ねておくのか・・・特に「なんのためにこの条例をつくるのか」というところのイメージをメンバーが会議を重ねる中で共有するのかが鍵になってくると再三強調しておきました。この議論をしっかりとしなければ条文づくりの時の柱がユラユラしてしまうからです。
 それから市民が議論をしていく時、初めは個々人の思いを自由に出し合うことが大事だけれど、自分の思いだけを通すことは難しく、全体を見まわした中で、どんな判断をしていけばいいか・・・というオトシドコロも意識をしておかなければ、いつまでたってもまとまりっこない・・・これは少々偉そうながらアドバイスをしてしまいました。

 何はともあれ、多摩市の事例を参考にしつつ、そして「つくる会」としても、今、振り返るからわかることもあるわけで、そのことを伝える機会がもてることはありがたいことです。
 それから今日、やっぱり確信できたことは多摩市で採用した市民ワークショップ方式というのはかなり先駆的で斬新な取り組みだということ。「多摩市は進んでいる。」というイメージがとても先行していることを痛感しました。

投稿者 hisaka : 2003年11月26日

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