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2003年11月15日

自治体公務員制度改革

 日本自治学会に行って来ました。午後からは自治基本条例の「つくる会」があったので午前中のみ全体会だけ参加しました。
 全体会のテーマは「自治体公務員制度改革」。地方分権時代にどんな制度改革をすればいいのかというパネルディスカッションでした。
 パネリストに元三重県知事の北川さん、そして制度研究をしている研究者に自治労の書記長の女性・・・とそれぞれの立場からの発言を聞きましたが、やはり現場にいた北川さんの話に私は一番納得できた気がしました。要はトップが変われば、それによって組織の在り方が変わる・・・「政治家主導」を強調していた北川氏に同感でした。
 特に私がなるほどなと共感できたのは、理事者と組合側の交渉を全部オープンにさせたということでした。そう言えば組合との交渉の場面は公開されていないので、どんな折衝をしているのか市民には伝わっていないように思います。実はオーナーは市民ですから、本当は組合交渉をオープンにしていくことは大切な公開の要素かもしれません。
 北川さんによると、この交渉をオープンにする方針を打ち出したところ、「組合側が自ら改善をしようという部分も出てきた。」というのです。自分たち自身で時代のニーズを把握して、職場のあり方の改善などを行うような風土が出来たそうです。これはとても大事なことです。「自分たちから変わっていく。」・・・実は気がついていても、そのままであっても別にいいや・・・と思ってしまえば、何も変えなくても、波風たたない変に穏便な状況を保てるわけですが、職場の活性化というのは一人一人が変わることによってしか変われないはずです。上司が変わる効果というのも、結局は対部下との関係による部分が大きいと思います。
 
 そうか・・・自分たちが主張していることなどが市民的合意をとれるのかを自分たち自身で考えて変えていくという力を引き出すには組合交渉をオープンにするのは一つの手段として有効かもしれません。所詮、組合交渉・・・と言っても公務員同士での交渉であるというところは免れないからです。

 研究者などの発表は勉強になりましたが、労使交渉を公開したことの経験談が一番私にとっては役立つ情報でした。

 そして午前の部が終わってから、急いで多摩市に戻りました。多摩市はやっぱり都心から遠すぎると思ってしまいました。
 「つくる会」ではほぼ最終案として確定しつつある11月13日版の行政素案に対してどう態度表明をしていくのか?という話合いをしました。私はこの議論のあり方は非常に難しいなと思うのです。というのは個人的には行政案に納得できないという立場があったとしても、じゃあ「つくる会」全体としてはどういう結論を出せばいのか?という視点を持ちながら議論をしなければ、いつまでたっても着地点が見つからないからです。
 私はさらに難しいというか「つくる会」としても個人的に参加をして、そしてさらには議員である・・・という立場もあり発言するのは慎重にならざるを得ない・・・・という苦しみを味わいました。
 今日、明らかになったのは12月議会に行政案が提案されることです。これは「つくる会」が何と言おうと提案されてしまえばそれまで・・・。もちろん行政は提案する方向は変えるつもりはないそうです。

 「つくる会」として概ね合意する方向なのか、それとも概ねでも合意できないのか・・・など態度をきちんと示しておく必要があるだろうということでは今日は結論がでず。そして参加者の態度も二分している感じでした。さらには進行上のミスマッチというか上手く行かなかったこともあり「もう脱会だ!」と叫んで帰ってしまった人もいました。市民案を市長に提出してからあまりにも長い間クローズな状況にあったことで、「つくる会」のメンバー自身もあきらめがあったり、状況が変わって参加できなくなったりと今では全体会の参加者もジリ貧・・・というのが現状です。それでも、最後まで粘り強く参加してくれている市民たちがここに来てバラバラになって散ってしまうことだけは避けて通ってもらいたいというのが私の気持ちです。
 今日はとても後味悪い会の閉じかたで、ものすごく疲れてしまいました。

投稿者 hisaka : 2003年11月15日

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