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2003年11月14日

さぁ・・・・どうなる?自治基本条例

  総務常任委員会がありました。市民、そして特に「つくる会」と折衝を重ねたに重ねた(と私は思う。)行政素案の最新バージョンが出されました。
 私は本当に行政側も頑張って市民に歩み寄っているのではないか?と評価しているのですが、聞くところに寄れば、市民も市民で「つくる会」では、市民の意見が通れば通ったで、また新たな意見が噴出する…となんともまあ、市民どうしでも意見をまとめるのが大変な様子です。とても変な比喩ですが、私はこの話を聞いて、よく子どもに「もう、これで終わりね。」と約束をしたのに「もっと、もっと」とお菓子をねだる状況を思い出してしまいました。やはり会議でも「議論を蒸し返さない」というルールがあったように、協働にもルールというかエチケットがあるように思っています。
 行政に対する要求なんて永遠と続くに決まっています。個々人の思い通りになるわけがないのです。私自身は行政側、市民側とも一歩でも二歩でも歩み寄ろうという姿勢を持つことが必要だと考えています。行政には譲歩させるけれど、市民は譲歩しない・・・というのでは協働は不成立だと感じるからです。

 さて、今日の総務委員会では内容についても各委員から少しずつ疑問点など質疑されたわけですが、本質というかとても根本である「市民自治とは何ぞや?」という議論になりました。行政側は今まで「団体自治と市民自治があいまって多摩市の自治が成り立つ」と説明をしていたのですが、「市民自治を実現するための手段として団体自治があるから、ベースは開くまでも市民自治(住民自治)だろう。」大方の委員の意見でした。実は、委員会では自治基本条例についてを調査案件としての意見交換で、まだ正式な議案として条例案が提出されているわけではありません。おそらくは12月議会に提出されるかなあ・・・・と見込んで委員会として対応出来るようにみんなで意見調整も含めた意見交換をしているのが現段階なのです。今日は根本部分を行政にも質疑をし、結局は「見解の相違」という感想を持ちました。行政側の「地方自治の本旨」に対するスタンスは動かなそうです・・・・。

 私たちには困ったことがあります。それは、実は自治基本条例の「議会」に関する部分については、春頃の代表者会議において「代表者会議において話合いをする」という決定がされていました。その決定に基づき議会部分だけを代表者会議では議論してきたわけです。
 代表者会議では行政側の意向もあり10月始めに「議会案」としてを行政に示しました。しかし、実はこれは代表者会議全体でのコンセンサスを得たものではなく、代表者会議は合議制で全員一致でしか物事が決まらないために、意見を併記せざるを得ない、あとは議会案について行政になんとかまとめてもらいましょう・・・・という結論になってしまったのです。

 そこで行政側が言葉を借りれば「まことに僭越ながら」とまとめてくれた議会部分についてですが、条例の文章全体とのバランスなどをはかりながら、最終的な条例としたいと考えている総務委員会の立場からすると少々物足りないような感じになっているわけです。つまりは、総務委員会では多数決で物事が決定していくわけですから、代表者会議でボツにされた意見でも復活出来るチャンスがあるというのです。
 しかし、どうなのでしょうか?代表者会議で話あってきたものを、総務委員会として修正などをしていくことは認められないのでしょうか?代表者会議のメンバーの方が「総務委員会の方に議論をしてもらわなくても結構です。」と今日の委員会の中では、まるで釘をさすようにオブザーバー意見として言い残されたしまったので、私たちもちょっぴり黙りこくってしまいましたが、合議制だという前提で議論を進めるのと、多数決で決定をしていこうという中で議論を進めていくことの違いはあると思います。
 総務委員のメンバーは自治基本条例をつくるということで意見交換はかなりの頻度で重ねてきていることもあり、そして全体を見まわしながら文体なども含めて議論もしています。何だか代表者会議での議論があり、総務委員会での議論もある・・・・という面で議会内でしっくりいかないものがあります。もともと代表者会議は法律の中で設置を求められている機能ではないので、法律重視などというのであれば、ぜひ代表者会議というわかりにくい機能はなくすべきと思っています。私自身は議会運営委員会で足りるように感じるからです。

 そしてもう一つ。確かに行政は市民側との意見調整を経ながら、最終案までたどりついてきたのですが、それを議会として修正をかけるなんてことがあったら、市民に対してどう説明していくのか?という疑問がありました。つまり議会としての意見があれば、早めに行政に知らせておくべきという立場です。しかしながら、私自身は行政と市民との協働に対して、議会がどのように関わりを持つのか?という非常に重要な事案にもなってくると考えているので、何も行政が市民との調整役になる必要はなく、議会として市民との意見交換をしてもいいだろうし、いくらでもそのやり方はあると思っています。早め早めに行政側に議会の意向を伝える親切って本当の親切なのかしら?と感じます。

 いよいよ議会としてこの条例の審議に入る段階が近づいてきたようです。私自身は個人として「つくる会」に参加していたという立場だけでなく、客観的に「条例案」を見ることを心がけたいと思っています。そして地方分権時代だからこそ地方議会の役割がますます増してくる(なぜなら、税金の使いかたでは自分たちで最終決定する範囲が広がっている)わけで、そこをちゃんと意識したいと感じています。

投稿者 hisaka : 2003年11月14日

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