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2003年10月30日

行政の‘懐’が深くなった?!

  懸案事項の「市民自治基本条例」。総務常任委員会に、またまた最終確定案に95%くらいは近づいた素案が示されました。昨日の深夜までかかり庁内委員会で議論したそうです。

 なんと!条例が「である」調から「ですます」調への変更しているのです。これはものすごい前進だと思います。つい先日のつくる会の全体会でも市民に親しみやすい文体で・・・ということで「ですます」調に戻してもらいたいとの市民の意見にも「『ですます』調で不都合はないけれども、だけど正確性を期すために『である』調のほうがベター」と頑なな態度だったのに、何がどう起こったのかわからなくて私自身も思わず目がテンになってしまうような変貌ぶり!
 私自身は「まあ、文体については行政の『である』調でも、いいかな。」と考えるようにしていたので、とまどいつつもうれしい!と素直に喜びました。きっと、こうなるためには行政としてものすごくエネルギーが要ったことでしょうし、私にしたら大きな前進だ!と思いました。

 そして、前文についても、私はせめて前文くらいは市民提言案のものをそのまま載せてもらいたい・・・なぜなら、ここに市民が策定したという証があるから・・・と思っていたわけですが、完全に市民提言案に戻ったわけではないけれども、かなり元通りに近づいたかたちで示されました。
 さらには、最もつくる会でも市民説明会でも指摘があった「市の自治」という表現についても、まだちょっと文言整理が出来ていなそうな部分はありましたが、「わたしたちのまちの自治」というとても柔らかな表現でわかりやすい(だけど抽象的ではあるかも)感じに変化していました。
 これらについても一体、どんな議論が繰り広げられたのかについて生の現場を見れないことが残念ですが、市民説明会や特につくる会の思いを行政側が出来る限りは受け取っていこうという姿勢が表れていると思いました。

 委員会では昨日の今日・・・ということで、突然に出てきた「10月30日バージョン」の素案に、メンバーもびっくり!という様子でした。もちろんまだ議会としても議論するところが必要だとの認識はありながらも、行政が市民の意見を反映させようと努力しているところは多くのメンバーが認めるところでした。
 ただ一点、行政は名称については「自治基本条例」とするようですが、議員間の間では「市民自治基本条例」とするのもいいのではないか?と前向きな意見が出そうな雰囲気でした。

 実は今日の委員会は傍聴者がたったの2名(オブザーバー議員1名)とちょっと寂しかったのですが、恐らく、今までの議会や委員会のイメージとはまったく違う運営がされていると感じたのではないかと思います。ここは、ちょっと私の所属する委員会の自慢ですが、私たちの委員会のメンバーはわりとベテランが少ないこともあり、そして何と言っても議会改革とか議会の活性化は「委員会での議論を活性化させることから始まる。」と考えている人が多いのです。
 つまり「ちゃんと議論をしなければいけない」・・・それが議会の本来の姿だと考えていて、なるべくは本音ベースで意見交換をしようと思っている人たちが集まっているので、他の委員会よりも活発!なのです。
傍聴者からも「総務委員会が一番面白い」という評価があることは事実です。

 今日も行政側の説明が終わった後は、説明者には退席してもらい、議員だけで互いに「名称について」とか代表者会議できちんとまとめきれなかった議会の部分についてなど、各メンバーどうし意見交換をしました。委員会などは形式ばっていて、委員長の許可がなければ発言が許されないのです。いちいち指名されなければならないのですが、議論をする時には結構ここがまどろっこしかったりします。委員長も「他の議員の発言をさまたげないようにして、発言してください。」と前置きをしてくれたので、比較的、議論に変な「間」をつくることもなく、とっても快活な意見交換が行われたと思います。

 とかくこの自治基本条例については、なるべく議会でも多数議員が納得をしたカタチで成立をさせたい!という思いがあるので、議論に議論を重ねて、お互いにもちろん譲歩もしながら議会としての最終結論へと結び付けたいものです。「ここの一点ですべてがダメ!」と否定されたは元も子もありません。そのためにも委員会内での議論を徹底的にするしかないのかなと考えています。

 それにしても私は本当に自治基本条例の事務局である担当者には頭が下がります。きっと市民の意見を忠実に庁内委員会に届けながら、市民側にあるときは「行政の立場」で、そして行政内部にある議論の時には「市民の立場」で発言をしてくれていると思うからです。はっきりいって「クタクタになる」と思います。それでも、こうして条例案をステップアップさせてくれるエネルギーを市民もきちんと評価すべきだと思います。すべてが自分の思い通りにいくわけではありません。みんなが「ここなら譲れる」という調和点を見つけながら進めていくのが市民自治です。私たち市民の側も、長らく続いてきた住民運動などの中で行政に対してつくってしまった悪しきイメージ・・・一方的に行政を批判だけするというイメージを拭い取れるような行動が求められているなと思いました。

 とりあえずは今回の条例に関しては、行政の懐の深さを感じたものです。あとは市民がどうこたえるかかなあ・・・。

投稿者 hisaka : 2003年10月30日

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