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2003年10月08日

公表されるのは結果だけ?

  午前中は代表者会議の傍聴をしました。自治基本条例に議会をどう書きこむかについて、各会派の意見調整をしましたが、なかなか一本化できず。この様子を見ていると、議員立法でまちづくりルールを策定することがどれくらい困難なことかがわかります。
 せっかくだから議会で立法をしようと挑戦をした草津市で、さまざまなテーマが上がった中から、最終的には「ペットのふんに対する取り締まり」で全議員が一致できた理由に納得できます。

 今日は、国民健康保険の運営協議会が諮問を受けていた保険税率の引き上げに対して答申を渡しました。わざわざ市長に直接手渡しをして、市民との意見交換を…というわけで日時を設定しました。
 私は前回の協議会の時に、市長がどうしても今日、10月9日の30分しか時間がとれないということだったので、そこまで忙しいなら何も無理をして協議会を開催してわざわざ市長に手渡しをしなくてもいいのかなーくらいに考えていました。でも、公募市民も含めた協議会メンバーが市長と直接会話をすることは、せっかくの機会ともあれば大切なことだとは思っていたので、答申を手渡すだけに協議会を開催する手間を考えるとなんだか少し効率が悪い気もしたものの、今日の開催については反対はしませんでした。

 ところが、いざ市長を目の前にすると市民の方は遠慮なさるのでしょうか?「せっかくなので、ご意見ありませんか?」投げかけてもほとんど意見が出ないのです。特に医師会など団体や組織からの代表のメンバー、議員は市長との接点もあるわけですが、公募市民のメンバーは市長と直接懇談できる機会はめったにないわけです。
 口火を切った議員の意見と「これ、税率を引き上げても税収は一億ちょっとしか増えないんでしょう。これがどれくらいの効果なのか(意味がある引き上げなのか)」と尋ねた医師に対して、市長が簡単に返答をすると間が持たないほどに「しーん」としてしまい、何だか居づらい場所だと感じました。
 
 そして会長(議員から選出されている)が公募市民の方に直接「何かご意見ありませんか?・・・ぜひ」と促すと、きっぱりと「特にありません」との返答が…。一瞬「くすっ」と笑いがおきました。
 最終的にはメンバーが一言ずつ答申をしたことに対する感想を述べました。その中で印象深かったのは「この協議会ではいろいろな議論をしているけれど、結局最後に市民が見るのは税率が引き上げられたということ。ぜひ協議会での議論、結果よりもその過程を大事にしてもらいたい」との意見でした。
 
 協議会の人たちは「やむを得ず税率を引き上げ」の選択をしましたが、結果を見れば市民にとっては負担が増えることになり、私たちメンバーは見方を変えれば悪者になってしまいます。でも、誰もができれば負担増は避けたいと思っている気持ちがあるわけです。そこを他の市民にも理解してもらいたいということだと思います。

 最終的には議会に税率改正の条例案として提出された後、議決によって確定します。それに対しても協議会のメンバーからは「ぜひ、私たちの議論をきちんと生かしてもらいたい」との発言がありました。私もそう思います。
 ところで、この協議会の委員である議員が、協議会としての答申にどこまで責任を負うのでしょうか?議員の中には税率の引き上げに反対する意見の人がいました。でも協議会としては税率引き上げで結論をしています。その場合、今度12月議会にはおそらく条例改正案が提出されるわけですが、普通に考えたら、協議会の委員なら、賛成するのかな?と思います…でも、やはり議決の時には反対の立場を貫くのでしょうか?なんだか複雑な構造だなと感じます。

 いずれにしても結果だけを見るのではなく、議論のプロセスをいかに伝えていくのかがこれからの情報公開では一番大切であることは確かで、市民自身もそれを望んでいるんだと思いました。

投稿者 hisaka : 2003年10月08日

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