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2003年09月23日

子ども救済を語ろう!

 子どもの権利条例東京市民フォーラムが3周年記念集会を開催しました。これは子どもの権利条例を東京都で制定しようと研究者や市民たちが結成しているグループです。

 子どもの権利というと、「子どもが権利ばかりを主張してよろしくない!」との反論が返ってきますが、権利には義務や責任がツキモノだと思います。子どもなりに、そのことを自覚出来るような教育をすればいいだけの話です・…と私は思っています。「権利」を教えずして、義務や責任を果たさないから…と一方的に大人が決めつける状況のほうが問題です。
 
 今日の全体会、パネルディスカッションでは埼玉県子どもの権利擁護委員会、東大和市‘子どもオンブズ’の活動、それから世田谷区の子ども条例についてはな市を聞いた後、東京都子どもの権利擁護委員会の活動やフリースクールの話、チャイルドラインの取組みを聞きました。
 これらは子どもたち救済のためのいろいろなチャンネルだと言えます。昔に比べれば多様な選択肢が準備されてきたと思います。

 ところが共通の問題点があります。それは様々な選択肢があるにも関わらず、その存在が知らされていないと言うことです。
 
 例えば、東京都子どもの権利擁護委員会ですが、私もその存在を今日初めて認識しましたが、予算が十分につかないので、都内の小中学生全員に電話番号を掲載したカード(定期くらいの大きさ)を配布することが出来ないそうです。この3月は中学2年生にカード配布をしたそうです。カードを配布すると、やっぱり電話の本数が増えるという結果が出ています。やはり毎年一度、全員に配布出来るくらいの予算が欲しい…という担当弁護士の話がありました。ちなみに相談件数全体も増えているそうです。
 カードを配布しなくても、生徒達に電話番号などを伝える工夫は出来ます。東京都の事業だから・…と東京都の責任でPRをするべきという姿勢ではなく、多摩市内の学校でもPRの一助は出来ると感じました。
 
 世田谷区では子どもの社会参加に力を入れているそうですが、参加してくれる子どもを見つけることが大変だという話がありました。それは世田谷区だけでなく、多摩市も全国でも同じだと思います。つまり子どもたちの参加意欲を上手く引き出す策が必要なのです。まずは、子どもたちのアンテナに引っかかるようにPRをしていくことが重要で、力を入れているけれど、「なかなか届かない!」という壁にぶつかっているとの話でした。これは、子どもに限った話ではなく、人々の地域参加の課題だと思いながら聞いていました。

 今日の全体会では都議会からの報告と言うことで、自民党を除いた会派の方々が現在の状況を話してくださいました。それから、フロア発言がありましたが、その際、不登校児の兄弟を抱える母親が自分の思いをつぎつぎと吐き出すように語り、なかなか話が途切れない様子が印象に残りました。「一番辛いのは子ども。」と切々と語っていましたが、私自身は母親の辛さが心に重く響きました。

投稿者 hisaka : 2003年09月23日

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