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2003年09月16日

えっ。ホントに???

 文教常任委員会で起こった珍事?でも、笑えない。

 私立幼稚園児保護者補助金の増額と私立幼稚園児健康管理費補助金についての請願がありました。陳情と違い請願には紹介議員がいるので、より協力な後押しを得た市民から議会への働きかけと言えます。
 今、行財政診断白書が出された中、補助金などの増額をすぐに受け入れることも出来ず、しかしながら、確かに私立幼稚園に通わせる保護者に対する助成は保育所との格差があると指摘されることも理解できる…という狭間で、請願の主旨は十分にくみとって今後の財政再建のアクションプランに生かしてもらいたいと多くの議員は考えていたように思います。
 私たちの会派でも、この請願については「わかりました。」とすぐに採択出来る内容ではないと判断していましたが、かと言って、不採択していいものか…とも考える点から「趣旨採択」が妥当だと判断していました。

 私たちの会派は人数の関係で文教常任委員会のメンバーに加わることができず、傍聴参加にとどまっています。今日もある意味で、他の会派などがどんな議論を展開するのかをちょっとハラハラしながら見守っていました。

 ところが、この請願書については一致点として「趣旨採択」を目指そうとしていたようですが、なんと結果「不採択」になってしまったのです。その理由は、紹介議員に署名している議員所属する会派は賛成に、そしてそれ以外の議員は趣旨採択になる予定が狂ってしまったからです。
 最終的に自分自身の立場をはっきりとさせ、請願陳情などについても意見討論をした後に結論を出すわけですが、今回は賛成討論に2名、そして「趣旨採択」討論に2名がまわり、残り一人は意見の討論をしませんでした。そのことが「不採択」を招いてしまったのです。

 委員長は最終的な手の上げ下げについて、原則「採択」か「不採択」で意見を諮るわけですが、通常は「趣旨採択」者が多数を占めなければ「趣旨採択」による挙手は行われません。今回のケースでは、意見討論の際、賛成者と趣旨採択者とも2名ずつであったため、委員長が「採択すべきものの挙手」を求めざるを得なかったのです。
 要するに、それにより採択(賛成)に挙手したのは2名であり、「少数」として結論が出てしまったのです。委員長は議会運営のルールにより「趣旨採択」では諮ることが出来ないため、「不採択」になるしかありません。
 そこで結果、恐らくその場にいた人誰もが予測しなかった「不採択」になってしまったのです。もちろん私たちも「趣旨採択」として意見をまとめ、行政に対する議会としての働きかけをすべきだと考えていたのに「不採択」というのは、何とも苦々しい・…。
 これは珍事です。議員自身の議事運営に対する認識の甘さが招いてしまった「不採択」だからです。笑えないのです。

 渦中に居なかったとは言え、私自身も認識不足は同様でした。すっかり「趣旨採択」での挙手もあるだろうと考えていました。しかしながら、議事のルールに乗っ取っているために、「趣旨採択」での挙手はありえないのです。要は、議事進行のルールを把握していなかったために、全く意図せぬ結果に陥ったのです。思わず「まじ?!」という空気が会議室中に広まりました。「不採択」ということは、保護者への増額は不要であり、園児に対する健康管理補助金も必要なし…という結果になるからです。でも、後戻りできません。

 これは議会にとっても痛恨の出来事といえます。9月議会の最終日に何とか「不採択」という結論をひっくり返すことができるのでしょうか?私たちにとっては「採択」とも言いきれないところがあり、「不採択」でも「採択」でも挙手できない境地に追いこまれます。(たぶん他の会派もそうだと思います。)どうやって最終結論をだそうかと知恵を絞り中ですが…。


 さて、今日は第一小学校の建替え検討委員会がありました。委員会としての最終プランを確定するのが今日の目標で、恐らく今日が実質最後の委員会と言うこともあり、市長を筆頭に豪華キャスト(関係部の部長課長勢揃い)が出席。
 やっと今まで、私たちが一番不安だった「一小建替えの今後…」について表明されました。12月末で基本設計は終了、年明けから実施設計に入る予定でしたが、それがもちろん財政事情のこともあり一時ストップ。実施設計は来年度以降に…というのが結論のようです。市長は現在の状況を行財政診断白書の市民説明会の時よりも丁寧に説明をし、そして参加しているメンバーに対して「ぜひ、実現出来るように努力はする」との態度表明をしました。
 それについてもちろんメンバーからは少々意見もありましたが、結局は「市長自らの説明は内容はさておき、比較的わかり易かったと思います。しかしながら核心部分は市長でもわかない?ということで、11月を待つしかないようなことでした。また、11月になってもはっきりしない可能性もあるということで、結局、私たちに約束してくれたものは一つも無かったような気がします。今後の動向に注目ですね。」という市民の感想に集約されているように、小学校の建替えというある意味で明るくて夢のある事業の行く末…まだまだ期待を捨てきれないまま、メンバーは当初建替え計画がスタートした時の気持ちを持続させなければならなそうです。

 市長は「なんとかできる…。」みたいな口ぶり。そして子育て環境は充実したいという市長の方針も既に了解済みのメンバーたちは今年度内の実施設計着手を延期することは「ここは飲むしかないけれど」という気持ちだったように思います。「まさか『実現はします』なんて期待だけ持たされたわけではないよね…私たち」これが正直な感想です。「『財政の目途が全くたたないので、ちょっとの間お休みさせて下さい。』…なんて言うけれど「ちょっとの間」ってどのくらい?」これも市民の声です。

 「何はともあれ、市長にはっきりと今の状況を語ってもらえたことは評価しなくちゃね」という肯定的な意見もあり。私も先週の様子だと出席予定の無かった市長が会議に足を運んだというところは積極的に評価をしたいと思います。でも、第一小学校の建替え計画も暗礁に乗り上げてしまいました。 

 かなり気持ち的にはこたえた部分もありますが、それでも市長も含めて誰もが口をそろえて言うように「これまで取組んできたプロセスを重視」して、今後につなげていけるような動きを作れなければなりません。まちづくりにとって大損失!にならないことを祈りつつ、そして私も行動しなくちゃなと気持ちを新たにしました。

投稿者 hisaka : 2003年09月16日

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