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2003年09月11日

できれば地域の人材で

  予定よりも審議がスムーズで今日は午前中で閉会しました。今日一番大きな案件と言えば「教育長人事」のこと。最近、国立市などでも公募制を採用するなど、ちょっぴり物議を醸し出している話題です。

 現在の教育長さんは、元諏訪小学校の校長先生でした。その前の教育長は東京都のお役人さんでしたが、任期途中で東京都に戻ってしまい、後任についた方でした。思い出せば、現在の教育長さんは校長先生としての仕事を区切り悪く退任され、教育長になった方でした。けれども現場を知っていると言うことと、何と言っても非常に温和な人柄が評判でした。
 さて、9月末で任期切れで今度新しい人を迎えることになりました。普通は首長交代とともに三役(助役、収入役、教育長)が入れ替わるのが通例だそうですが、現在の教育長が着任された経緯も考慮した結果、市長は交替しましたが教育長は引き続き、任期満了まで継続になっていました。

 今回、新しい方は、またもや東京都からやってくるお役人さんです。月曜日に全議員でお会いしました。たったの20分くらいでは、なかなかパーソナリィティまで理解するのは難しく、実績も経歴書はもらったものの、それだけではなかなか判断できない部分があります。つまり人物そのものを教育長にふさわしくない!とは、とても判断しきれないわけです。ただ、東京都からいらっしゃるなんて・…正直「天下り?」と思ってしまいました。普通の市民感覚では、そう感じると思います。
 私たちの会派では、やはり多摩市内の人材で、「多摩市の教育」に思い入れのある人は探さなかったのか?疑問を持ちました。というのは、月曜日に本人にお会いした際、多摩市との関わりについてある議員さんがたずねると、まず「私は町田市に住んでいますので、お隣の市です。」と述べられたからです。「そっか、そうなのか・・・お隣なのか…。」と妙に納得してしまったのですが、多摩市のことについてはこれから勉強します…という感じでした。
 
 それからもう一つは公募制。これについても公募制とは言え、正直どのくらい、その手続きが透明化されるのか?という問題点がありますが、私自身は選出までの手続きを明らかにするのなら、とてもわかりやすいシステムだと思っています。選考基準などがきちんと示されることは前提ですが、今の多摩市の状況は、例えば公募市民の選考についても、その基準が明確に示されないのでここは課題です。
 あと、地域からの人材を採用。いわゆる「地域のしがらみ」が見え隠れするような場合もあるわけで、それもまた避けたいものですが、議会の中でも「多摩市は本当に人材が豊かなまち。」という認識が強調されていることを考えれば、多摩市内から人材発掘できたのではないかと思いました。

 いずれにしても「なぜ、教育長に選んだのか?」について、説明責任を十分に果たすべきだと考えます。1998年の中央教育審議会が出した提言書の中でも、「教育委員の選任基準や理由、経過などを地域住民に明らかにする観点」が必要だとしています。「首長が教育委員を選考し、また議会に同意を求めるに際して、さまざまな工夫を講じること」が求められています。教育長には「政治的に中立で、教育に関し専門的識見を持ち、教育行政に練達した人材を確保することが必要」だとのことです。
 
 教育委員会は市長部局からは独立していますが、予算権限を持っていません。つまり教育長のビジョンなどがとても重要。いかにして市長部局に納得してもらい予算をつけてもらうか…財政支援をとりつけてくるかという部分で力を発揮してもらいたいものです。財政難で教育行政にも及ぶしわ寄せをどのように回避していくのか、知恵とアイデアを期待するしかありません。

 さて、今回の人事案件。一会派を除く、私たちの会派も含めて賛成多数で可決されました。

投稿者 hisaka : 2003年09月11日

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