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2003年09月01日

聖域なき見直し・・・行財政診断白書

全員協議会の1日目。白書について‘はじめに’から順番に質問をすることになっていましたが、結局、終わってみたら総論編の1章と2章までしか進まず。明日、最後まで終わるのかどうかと不安になりますが、議員の消費時間(発言としての持ち時間のうち)を考えれば、明日のことは問題なしなのです。
 改革のキーワードが「情報共有」ということがあり、今回の白書の市民への周知徹底の仕方や、市民との情報共有の前に、庁内での情報共有、とりわけ庁内に関しては出張所など本庁舎外で仕事をしている職員に対してはどうなっているのか?などの質問が飛んでいました。私も同じことを思います。「情報共有」の在り方については多かれ少なかれ、議員誰もが疑問を持っているなと感じました。
 
 質問は大会派に所属している人から順番に当るので、私たちの会派は最後のほうです。順番待ちしている間に、用意していた質問も言われてしまう場合があるので、そこはちょっと会派として苦しいところではあります。

 さて、聖域なき見直しというところでは「人件費」は大きな問題だと思っています。定数削減をして、人員配置を見直して生産性や効率性をあげていこうとしているようですが、私は「一般的に公務員の給料は高すぎる。」と思われていることに対して、どのように認識しているかを聞いてみました。一応「承知している」ということでした。
 「公務員が余っている」という批判と、「公務員の給与が高い」というのは別に議論をする必要がありますが、直接「人件費そのものを減らす」のはなかなか難しい部分があります。でも、一つの指標としてラスパイレス指数というのがあります。この指数がどこまで当てになるのかも疑問はありますが、国はこの指数に基づいて、地方公務員の給与の適正化を求めています。この指数の計算の仕方とか(所詮、国が基準として示しただけ)、指数の捉え方を考えると別の議論の余地はあるのですが、国家公務員の平均給与を100として基準値に設定をします。そのときに各自治体はどうなっているのか?を指数にしますが、多摩市は104.8%(2002年度)だそうです。国ではこれを100にしなさいと言っています。
 多摩市の人件費は東京都と同一基準を採用しているとのことですが、東京都は前年度104.4%なのです。何を基準に同一としているのか?という疑問は残りますが、何でも国の指導には従うのが多摩市の体質かな?と思っている私は、ぜひ国の指導にしたがってラスパイレス指数をせめて100にまでする努力を求めたいと考えています。

 バブル時代の民間企業を思い起せば、今になって「人件費が高すぎる」というのは、公務員にとっては本当に悲劇的な批判だとは思います。市民もとても勝手です。でも、バブル時代を知らない私にとっては、そんな過去がどうだったかはそれこそ無関係。現状を見ると、やっぱり公務員は恵まれているのです。
 ただ今日の答弁にもありましたが、「市民になかなか見えていない。」ところもあります。「公務員は楽」と思われがちですが、本当に大変な部門もあります。でも「楽な仕事」とのイメージを持たれてしまうのは、民間企業と大きく異なる「利益を追求しなくていい。身分が保障されている。」部分で、確かに働いている人の‘気持ち’では危機感とか必死さの面で公務員の方が‘楽’という見方は外れていないでしょう。

 私は公務員は市民サービスが仕事なので、もっと「サービス業」を見習っていくべきだと考えます。コンビニのように24時間営業とは言いませんが、特に市民へのサービス部門は、土日も営業するべきだと考えてます。もちろん土日出勤の休日手当はナシです。シフト制を導入して、平日に代休をとれるようにすればいいわけです。市民の休みに合わせて公務員も休みを取るのは「サービス向上」にはつながりません。役所はある意味で「何でもデパート」だからです。
 例えば土日に開催される市民のイベント。市が共催(協働)をしている場合に、職員は休日出勤扱い。夜間の会議も残業手当がついたりするわけです。こういうところから見直してもらいたいと思います。
 再三強調していたのは「職員の意識改革」。私も職員の意識をどう変えていくのかが大事だと思います。「お役所仕事」だって思われないような、職員の働きっぷりがないと、人員を削減したとしても「公務員の給料が高すぎる」という批判はなくならないと思います。
 ちなみに私は市民自治基本条例や第一小学校のワークショップに参加している職員たちについての批難や批判って聞いたことがありません。むしろ「割に合わない…」と言われているくらいです。

 とは言っても、やはり「給料が高すぎ」というのは明らかなこと。人事院勧告があったとしても、それでも高い水準にあることはまちがいありません。私の友人は上場会社にいてもボーナスが出ていなかったり、給料も低く押さえられているわけです。そういう社会状況には敏感であって欲しいです。「働かざるもの食うべからず」と言うように、高い給料をもらっている分、働けばいいのです。労働して、つまり市民サービスを向上する努力を積み重ねることで、市民の還していけばいいわけです。それが当然のことでしょう。

 それにしても、今日のやりとりを聞いていても、行政側の答弁はどれも「よく理解が出来ない。」。自分の理解力の無さにはブルーになります。行政の職員はわざとまどろっこしくて、歯切れ悪く答弁しているのではないかと思えてなりませんが、それをちゃんと理解して質問をしている議員さんもいるのです。

投稿者 hisaka : 2003年09月01日

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