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2003年08月24日

試される説明責任その②

 午前中は明日が提出〆切の一般質問の通告書の最終確認をしました。午後は桜ヶ丘で、そして夜間は永山での行財政診断白書の市民説明会に参加しました。

 議会としてもやはり現状認識を深める必要があり、議会の在り方も大いに問われるのが行財政改革。行政主催の説明会とは言え、ちゃっかり参加することで市民の声を聞くことが出来るのはありがたいことです。
 
 今日の桜ヶ丘、永山ともに説明会の参加者は各35名ほどでした。昨日よりは少し人数も多くて嬉しかったです。でも、顔見知りの行政職員や市民自治基本条例をつくる会のメンバー、議員など見慣れた顔ぶれが大部分な気はしましたが…。

 説明の内容は同じですが、 昨日の反省を早速生かして、説明会の次第をスクリーンで映したり、説明前には配布物に掲載されていないデータを使用することの断りなどもあり、昨日よりは段取りよくスムーズに進んだように思いました。

 やはり興味深いのは参加している市民の声です。今日は手厳しくて、途中で「役人さんはいいから、市長に答えてもらわないと。」というヤジも飛びました。
 参加者の多くは今回の白書作成から市民説明会、パブリックコメント、アクションプラン作成という一連の流れについて疑問を感じているようでした。行政主導であまりにも拙速過ぎるとの意見です。もっと市民にじっくりと説明をすべきだとのはないかとの考えには私も同感です。3回合計で約100名弱の市民にしか説明が出来ていないわけです。あとパブリックコメントが寄せられたとしても、行政側の認識としてどの段階まで達すれば、市民への説明責任を果たせたと満足するのか?尋ねてみたいところです。
 白書の中では市民に対し「真摯な議論を」と求めているわけですが、その前に市民への説明を、さらに真摯な態度で臨んでもらいたい気がします。説明会の参加者の大半が感じている「拙速さ」とは裏腹に、市長は「そう考えていない」と表明をしていましたが、この認識の乖離に私は大きな不安を感じるのです。説明会を聞きながら「急がば回れ」という言葉が頭の中をめぐっていました。

 少子高齢化が急速に進んでいるのに「子どもの数は減っているのに、子どもにかかるコストは減らない。」という行政の分析が示されました。それに対しては、「例えば給食センターについて、子どもの数は半分、調理食数も半分に減っているのに、センターで働く職員の数は一体どのくらい削減できているのか?」という市民の指摘がありました。「多少は職員数も削減してきましたが・…」との答えでした。(完全に行政が完敗…のように見受けられました。)

 それから、公立保育園、幼稚園の廃止については市民から「公立のコスト高は人件費が大きな原因。でも、それで質のいい子育て環境を担保しているのなら、私立にもそれなりの人件費の援助をしてもらいたい。私立園が人件費を削ってぎりぎりで運営しているんだから。」との意見も出ました。人件費についてはどのくらいが妥当か?がなかなか難しいいところです。私もその水準の設定については正直よくわかりません。
 ただ、現実的に考えれば、もし公立を存続するならば、人件費について民間水準を考慮しつつ均衡を図らねば納得できないでしょう。民間への補助金だけにメスをいれることはできません。その議論の中で保育の在り方なども整理されていくように思います。

 それにしても白書は市民の不安をかきたてるだけかきたてていて、みんなで暗中模索に突っ込んでいるようにも感じます。「歳出を削減しなくてはいけないことはわかったけれど、どうやって歳入を増やすかについては一言も書かれていない。」というのは、昨日も今日も出された意見でした。
 
 3回の説明会で私がわかったことは、市長が子育て支援の中でもとりわけ0~2歳児の子どもを持つ母親への施策充実の必要性を感じているということです。核家族化の弊害、育児ノイローゼ防止策、子育てと一対一で向きあっている母親支援が新たな子育てニーズだと感じていて力をいれたいと強調していました。公立保育園や幼稚園のことに関しては一貫して「民間で出来るところは最大限民間で。保育園や幼稚園は必ずしも公立でやらなくてもいい。」と断言していました。(廃止となれば、先に書いた民間園に対する補助はどうなるのでしょうか?民間園に行政として期待することなどはどのように整理されるのでしょうか?…いずれにせよ課題山積状態)

 3回とも説明会に行く私はただの「物好き」かもしれません。でも、市民自身が求めているのは「納得するまでの議論」であり、市民の知らないうちに物事を進めないで!との強い思いはヒシヒシと伝わりました。でも、もし議論を始めたら、いつ終わるんだろう?
 
 さて、私の感想であり、私の結論。「この3回の説明会で『説明責任を果たした』とは言えないはず!」まずは、今後のスケジュールをホームページ等にてきちんと公表すべきでしょう。 

投稿者 hisaka : 2003年08月24日

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