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2003年08月23日

試される説明責任その①

  待ちに待った市民自治基本条例をつくる会の全体会。行政側から素案の説明がありました。もちろん市長が出席しました。(あいにく行財政診断白書の市民説明会が夜間にあったので、途中退席されましたが)
 行政素案の説明会という位置づけだったので、約30名ほどの参加者がそれぞれ個々に質問をしてしまうと時間がいくらあっても足りないという状況でした。やはり大部分は「多摩市市民自治基本条例」から「多摩市自治基本条例」に名称変更したことに象徴されると思いますが、市民の意向をどこまで汲み取ったのか?が理解できない、市民提言案と行政素案との乖離がありすぎることに対する驚きや不満の声があがっていました。
 最終的には「つくる会」として行政素案に対する見解をまとめ、それを再度行政側に提出をしながら、今後の動向を見守るとともに、パートナーシップ協定の遵守を求めていくことが全体会では確認されました。

 夜間は、私も第1回目の行財政診断白書の市民説明会に参加しました。参加者の者は3分の1くらいは市民自治基本条例をつくる会の出席者という顔ぶれでした。全体では25名弱の市民の参加がありました。
 市長の挨拶の後でパワーポイントを用いての説明でした。説明の途中から市民からクレームがありました。パワーポイントで使用しているデータグラフなどが配布された白書の概要版のどこに載せられているのか?の説明が全く無いこと、そして概要版に掲載されていない図を用いていることに対しての意義でした。説明で使用するグラフを市民の手元に配布すべきだし、一方的に早口で説明されても市民は図を探すのに精一杯でついていけていない・・・参加者への配慮をしてもらいたいとの意見でした。
 突然の意見に説明者側は少し躊躇したように見受けられましたが、その後は流れるように資料の説明が続けられました。その後、市民からの意見を聞く時間でした。重点事項にあげられている保育園、幼稚園、学童クラブなどについての個別意見もありましたが、多くの参加者には「市のやり方があまりにも強引」という印象がどうしても拭えないように思いました。
 そして新たな観点としては、民間企業で企画部の仕事をなさっていたという男性が長期予測をつくる時には楽観値と悲観値を出すけれど、市の計画はどのように作成しているのか?ということ、知恵の拝借をしたいといっておきながら、拝借の仕方が足りなすぎるのではないか?、民間の手法をやるのなら行政だけでできるのか?との意見が出されました。担当部長は知恵の拝借の部分では、市民検討委員会があることを述べていましたが、私は、市民の指摘が市民検討委員会だけでは不十分というところにあったと考えています。そして長期的な見通しの立て方についても、国や都の制度などがわからないので、なかなか見通しがたちません…悲観値は取っていませんとの説明に留まりました。
 「えっ・・・見通しがたちません。」なんて発言してしまっていいの?というのが私の感想でした。
 その他面白かったのは「多摩市に収入役がいるのかどうかわかりませんが、不要だという意見もあります。」とか「アクアブルーの監視員が多すぎる。高コスト体質ではないのか。運営の仕方を考えるべき」ということ。予算を20%カットするというけれど、人件費の分も20%カットするのですか?という質問もありました。人件費の部分は組織をトータル的に見直すとの表現に留まっていました。(とりあえずは管理職以上の報酬などについて減額するわけですが、20%ではありません)
 
 説明会で感じたのは民間感覚と行政の感覚がものすごくかけ離れているということでした。市民はとても厳しくて「議会の承認が得られていないかもしれないけれど、平成15年3月(平成14年度末)のデータが確定値でなくても載っていないなんて、これは資料になっていません。企業は3ヶ月ごとに決算をデータ化しているんですよ。」との意見に集約されていると思います。
 でも「来年度もう物理的にお金がないのです。」と行政側からの表明があったことで、この白書の副題「新たな未来を切り拓くために」という部分がかき消されてしまった気がします。

 今後、市民からの意見を聞き、アクションプランなどをまとめ、さらにパブリックコメントにかけるというスケジュールにはなっているようですが、市民とどのように向きあっていくのか正念場になっていると思いました。

投稿者 hisaka : 2003年08月23日

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