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2003年08月11日

悲鳴の大きさはいかに?!財政緊急事態!

 全員協議会で行財政診断白書についての説明がありました。傍聴の市民も10人ほどいました。ところが本会議や委員会では傍聴者用に資料が準備されるわけですが、今日はどうやら傍聴者に対して資料を用意していなかった様子。「資料を下さい。」と要求をしたものの、臨機応変な対応をしなかったために、呆れて帰ってしまった市民がいたのです。
 臨機応変な対応・…議会側?それとも行政側?どっちが対応すべきだったのでしょうか?午後から行われた議会運営委員会では「全員協議会で傍聴者用の資料をどのように準備するか決めていませんでしたので…」という委員長の説明。開いた口がふさがりません。
 私にとっては議会側で用意しようが、行政側で準備しようがどちらでも構わない。柔軟な対応をしてくれればいい話なのですが…。組織とはやはりそんなに簡単に動けないものなのでしょうか?

 さて、行財政診断白書についての全員協議会というものの、「中身についての質疑はしない。」との申し合わせがあったので、ほとんど行政側からの一方的な説明で終わってしまった協議。ただ、今後のスケジュールだけははっきりしました。この白書について8月12日と26日に全職員対象の説明会、そして23日と24日に市民向け説明会をするということです。合わせて今はパブリックコメントも実施しているらしいですが、どれだけの市民に周知徹底しているのか本当に疑問です。

 改革のキーワードは「情報の共有」らしいです。情報の共有化がなされているでしょうか?この白書については今日の午後から市役所の売店にて400円(実費は804円)で販売しています。多くの人に見てもらいたいということで半値にしたそうです。どのくらい販売されるのでしょうか?そして販売することをどうやって情報提供しているのでしょうか?
 先日も書きましたが、何とも陳腐なパブリックコメントの集約方法です。市民に意見をもらいたいとの熱意があまり感じられません。そっと気づかれないように白書が放置されている…何を差し置いても、多摩市の中で最も優先すべき課題であることの認識を市民と共有したいとの姿勢が、言葉どおりに感じられないことに残念です。

 情報が共有化されていないことの一例は、今晩開催された行財政診断市民委員会。通例はこのような会議の傍聴者は5名まで…としているのに、今日は10名まで傍聴可と拡大をしたにも関わらず、傍聴者は議員3人(全て私の会派)を除いては2人のみ。たったの2人しかいないところを問題にしてもらいたいと思います。情報が行き渡っていないことと、行政の切迫感が市民に伝わっていないという2つの原因がまずは考えられると思います。それに今日の協議会でも白書がプレス発表されてから1週間の間にどのくらいのパブリックコメントが集まりましたか?という質問をしましたが、きちんと返答がされずに終わってしまいました。私もおそらくそれほどの意見が集まっていないはず!と察したので、それ以上に突っ込みませんでしたが、パブリックコメントにしてみてもどのくらい集めたいかという目標を立てて、それを目指して収集する努力をみせてもらいたいものです。

 今日の市民委員会の傍聴の感想。まだ2回目の委員会だからかもしれませんが、「一体この委員会で何をしてもらいたいのか?」という行政側の意図の委員会側の理解不足を感じました。もしくは行政自身が委員会に対して「何を求めるのか?」を具体的に提示していないことが問題なのかもしれませんが、私が八王子や我孫子で開催されたという行政改革のための市民委員会の雰囲気に抱いていたイメージとはまったく異なるものでした。

 さて、今日の一番のトピックスと言えば議会運営委員会でしょう。もちろん議事案件は「行財政診断白書」です。今日の説明会を受けて、今後議会としてどのような対応をしていくのかについて協議しました。
 私の会派を含めて、早急に再度全員協議会を開催して、内容についての質疑をしていきたいという希望がありました。全員協議会を開催するには市長をはじめ、いわゆる幹部職員(理事者側)も揃い、議事進行するのが通例です。今日は日程調整が難しかったからなのか、担当部課長と市長、助役、収入役、教育長のみの出席でした。私たちの会派も、やはり正式な形式での全員協議会の開催を主張しました。

 多摩市の財政状況が緊急事態に陥っているのなら、何よりスピーディーな対応が必要で、議会としても行政がどのような意図を持って白書を完成したのかもっと深く知りたいのは当然でしょう。
 そこで行政側に強く働きかけ、何とか今月中の日程調整が出来そうかな・・・と落ち着きそうだったところに、議会運営委員会のメンバーの一人から「いやあ…実は議員研修会をやるんです。(その会派だけで)」との発言が…。それ以外の委員は「プライベートは全て返上で。」との緊迫感があったのに総崩れ。
 「本気で白書を作成し、改革をしたいなら、夏休み返上して何よりも議会への説明責任をいち早く果たすべき」という議会にしては珍しいプレッシャーをかけていたのがあっという間に水の泡。議員研修会は公務ではなく、会派単独での研修は、いわばプライベート…それを返上する気ナシ!なんて…ため息がもれてしまいました。

 でも、「市民委員会だけに任せていられない!」という認識を持つ議員の存在には救われる気持ちです。(傍聴をしていると意見が述べられず残念に思うこともあれば、客観的に議会を見つけることも出来ます>)行政のやっていることを全て追認しているわけではない、議会として見解をしっかりと打ち出していきたいという姿勢はもちろん新人議員さんの発言。すごく新鮮でした。

 それにしても、「8月中にもう一度全員協議会が開催出来るように、行政の幹部で日程調整して欲しいんですが。」という議員の働きかけに対し、即応できない行政の態度に私はイライラしました。これだけ瀕死の状況に置かれていて、来年度の予算組みができるかどうかの瀬戸際。議会側はそのことを切実な課題と思っているからこそ、無理を承知で今月開催を目指そうとしたのに…。「日程調整をするのに、少なくとも2、3日かかります」なんて。
 でも、行政を責めることも出来ません。何せ議会側から「プライベート優先」のような飛び出す始末。こういう状況を市民が見ると嘆くのではないか?と思います。議会運営委員会を傍聴していた市民も呆然としていました。がっかりするし、ますます政治なるものへの不信感が募るばかりでしょう。行政の動きの鈍さにも怠慢さは感じたそうですが。

 その他、オモシロ話題として…議会だよりが事実と反することを記載していたとの指摘がありました。議会便りには条例や陳情請願案件について賛成か反対かを会派ごとに○×で表記しているところがあります。通常は同じ会派で意見が割れた場合には○に*人、×に*人として書きます。実は、ある派では当日の手の上げ下げの時に居眠りをしていたあまりに挙手し忘れたという珍事がありました。でも挙手し忘れたからと言っても理由にはなりません。議場での事実をそのまま議会便りに記載するのは常識で当然です。
 ところが、それを事実無根とし、議会だよりではあたかも全員が挙手したかのように表記していたのです。これをきちんと確認している議員は数人います。そのことを問題視したのですが「議長の不手際だったかもしれない。今後は気をつけます。」と議長の責任かのように問題を処理。しかも「見た」ということへの信憑性もない…とのこと。
 議会便りに事実とな異なる記載をした行為が問題視されているのに・…と、本質的な議論をしない議会運営委員会に対して、傍聴していた市民から厳しい非難の声が上がりました。問題のすり替えだからです。

 
 とりあえずは白書に関する全員協議会は9月定例議会の一般質問に先立ち、初日から2日間で開催されることになりました。議会での議論も重要ですが、私自身はもっともっと今の現状を市民に伝える必要があると思っています。そのためには動かなくてはならないのです。市民委員会を立ち上げて満足、3回の市民向け説明会で「良」としない、行政がどこまでの必死さを持ちあわせ、行財政改革を進めているのでしょうか?
 もっと本気を市民にぶつけなければ、市民も本気で行政の改革に向きあってくれないのではないか?と思いました。もちろん、行政のみならず議会も同様です。私自身も議員として市民から問われる責任は重大だと思います。それぞれにしかるべき覚悟が求められる時代。イエスマンで乗りきれるほど甘くないことを自覚せねばならないでしょう。

 私の提案は行財政診断白書のアピールをまずは全庁的に行ってもらいたいということ。例えば市内全駅で毎朝連続で一週間、多摩市の現況を伝えるチラシを配布するとか、市長などが自ら、まるで選挙の時のように駅頭演説をするとか・…それくらいの勢いが欲しいものです。私ならそうすると思います。助けてもらいたいなら、行政が一丸となり大声で叫ぶしかないのです。それに至るには全庁的な行財政診断白書への理解や、意思統一が必要で、そこには市長のリーダーシップが発揮されると考えています。

投稿者 hisaka : 2003年08月11日

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