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2003年07月31日

行財政診断白書・・・つづき

  昨日書いた、行財政改革にあたっての11項目ですが、それ以外にも公共施設のありかた、補助金を含む市民サービスの再構築(例えば多摩市では国や都の基準よりも高い水準でサービス提供されているので、検証し直す。「高齢者」、「障害者」としてひと括りにしない等)、公共施設については39施設を重点検討対象施設としていますが、①民営化、民間委託を含めた運営方法の見直し②利用者負担の見直し③施設の廃止・統合を含めた施設のあり方の見直し④維持管理レベルの見直しを改革の方向性としています。

 今日は、国民健康保険運営協議会がありましたが、保険税率の引き上げが諮問されているので、それに関する資料説明などを受けながら、検討をしました。もちろん引き上げるよりは現状維持、そして引き下げる方が市民にとっては喜ばれることですが、厳しい現状を見ると、そうも言っていられないのかと思います。
 協議会の中では、①国や都の補助を増やしてもらうべき(要請する)⇒②一般会計からの繰入金を増やす⇒③税率引き上げ…の順番で、税率を引き上げることは最終手段だという意見が出ました。もちろん私も同じように思います。
 
 けれども①国や都も何とか支出を押さえたいと考えている中で、もちろん市長会を通じての要請はしているけれど、なかなか難しい・…今後ますます厳しくなるように思う。

 ②とにかく来年度の予算が編成出来るかどうかの崖っぷちの状況で、ようやく行財政診断白書が出来たところ。・…確かに、国民健康保険加入者は所得が300万円以下の人が全体の約80%を占めているので、所得階層間の格差を是正するためとの理由により一般会計から繰入することも考えられる…けれども、国民健康保険会計(特別会計)だけが安泰だったらいいわけではなく、一般会計から繰入れたら、その分一般会計内で行われてきた各種サービスが低下せざる得ない。

③保険税率の引き上げ…これは最終手段であることは当然。だけど、もちろん低所得者に対する配慮はすべき。
 
 …と私はこのように考えながら、他の自治体の状況を調査しているところです。
 それにしても今日配られた資料の説明を聞いていても、給料から有無を言わずに保険料など天引きされているサラリーマンが損をするというか、国民保険税の滞納は積もり積もって約11億円、そして市民税は約15億円。もちろん毎年、滞納は発生するわけで、それを考えると回収の目途がほとんど立てられず、積みあがっていく一方なのかと思うと気が遠くなります。
 回収努力をするために、職員による督促チームを特別編成する動きも模索しているみたいです。それでも当該年度の税の徴収率だけを見ると、徴収努力をしていることは明らかです。所得が少ないから、税金を納めないわけではなく、各所得層にまんべんなく税金滞納者が散らばっているのが実態です。所得が少なくて、納税も厳しい…と思える状況であっても、1,000円でも納めようとする人もいるという実情も聞きます。
 政府に対する信頼感がなくなると言うことは、政府がやっている「相互扶助」の仕組みにも不信感が募るばかり。例えば年金は一番いい例だと思います。私たち若い世代にとっては特に将来が不安だし、「やってられない」という気持ちになるのも十分理解できます。
 税金、保険料を多く納めたら、いいサービスが受けられる保障なき社会…これは「相互扶助」意識がどんどん削がれる社会です。だからこそ、お金で解決しない新たな「相互扶助」の仕組みで、暮らしの中の安心をつくり出す地道な取組みが求められるのです。

投稿者 hisaka : 2003年07月31日

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