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2003年07月23日

採択>趣旨採択>不採択

 厚生産業常任委員会の傍聴をしました。6月議会に出されていた2つの陳情についての審議でした。一つは「学童クラブ育成室の児童一人あたりの面積基準の見直しと、より良い基準による今後の学童クラブ入所希望者増加に対する対応を求める陳情」、もう一つは「『百草団地~永山駅間のミニバス』の増便などを求める陳情」でした。
 6月議会のときには、審議をするためには詳しい資料が必要ということで行政に「資料要求」をしていました。それをもとにして審査されましたが、結局最終的には両者共に「趣旨採択」となりました。

 これで6月議会の時に提出された陳情事項はすべて「趣旨採択」という結果になりそうです。(陳情は常任委員会に付託されるため、最終的な結論は本議会で議員全員の挙手により確定します。)
 実は、この「趣旨採択」という結論は「採択」でもなく「不採択」でもなし…「気持ちは理解します」というニュアンスに落ち着くのでしょうか?私自身も「趣旨採択」という判断をこれまで何度かしてきましたが、とても‘あいまい’な表現にとどまってしまうなと思います。つまり「聞き置く」ということだからです。これを受けて、例えば行政側はどのように対処するのでしょうか。そもそも「採択」になれば、すぐに行政側も動いてくれるかと言えば、私は根に持つようですが、給食食器の件については議会が「採択」したにも関わらず、行政側の態度変わらずなので、その効力自身にも疑問を持っていますが、「趣旨採択」は「不採択」よりは効力を発揮するのだろうか…私の中では未だ、実感として掴めていない部分です。

 今までのように、市民からの陳情事項を全て聞き入れることができない時代です。それは議会自身もものすごく現実的にならざる得ないし、行政側も住民要望をなんでも叶えることが出来ないからです。「経費の伴う」陳情については議会側も慎重に審議をすべきで、ある意味で「趣旨採択」の結論が今後、増える傾向にあるのではないか?というのが私の予測です。
 「趣旨採択」というのは陳情者側、議会、行政にとっても一番難しい結論なので、そのことをどのように位置づけるのか?議会として「趣旨採択」を下した責任をどう果たすのかも問われる気がします。「採択」したならば、あとは行政側の対応をしっかり監視すればいいわけですが、「趣旨採択」の時には‘気持ちの汲み取り’という面が強いので、その汲み取り方は判断する人に左右されるだろうな…と思うからです。

 いずれにしても客観的で冷静な眼でいろいろな物事を判断しなくてはなりません。今、一番の現実的な課題は「財政の見通しが厳しい」ということです。もちろん「厳しいから何も出来ない…」ということではありません。でも、少なくとも私たち自身がもう一度、自分たちのライフスタイルや価値観を見直す必要はありそうです。お金で解決できる時代は終わりというのが現実です。「税金を払っていれば安心」ではない…これが私が議員になって強く感じたことです。そしてその責任の追求、矛先を行政や議会だけに求めることはできない・・・それが私の考えです。

投稿者 hisaka : 2003年07月23日

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