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2003年07月03日

再び学校給食の話

  4月から学務課長が変わりました。ようやく、学校給食多摩市民連絡会で新課長さんを交えた意見交換をすることが出来ました。
 活動報告でも何回かとりあげてきた学校給食問題ですが、人事異動で担当者や管理者が入れ替わるたびにゼロリセットされる傾向が強く、本当に不快に思います。
 今日も私たちの最優先課題である強化磁器食器導入に対する見解を聞きました。「個人的には『食育』の観点を取り入れていきたい、強化磁器導入を進めていきたいと思う。」との答えでした。私も今日はちょっと力が入ってしまいました。なにせメラミン食器導入は私が10歳の時なので、悪い言い方をするならば環境ホルモン・ホルムアルデヒドを子どもたちに撒き散らして16年ということになります。こんなにも安全性が疑問視されているのになぜ強化磁器導入ができないのでしょうか?

 メラミン食器導入してから4年後の1990年にメラミン食器・ランチ盆の廃止し強化磁器導入を求める請願が市議会で採択されているにも関わらずです。市議会の請願採択には重みがあると思いますが、一体どのように考えているのかと腹立たしい限りです。それから考えても、もう13年経過しています。

 さらには1998年には学校給食研究会から「新食器導入と指導のあり方について」が報告され、昨年は学校給食センター運営委員会より市長から諮問された「21世紀に相応しい学校給食用の食器及び食器具のあり方について」の答申が提出されています。
 けれども当初予算の中で食器変更は組み入れられることなく、結局は給食センターも老朽化していて、洗浄設備なども入れ替えしなくてはならない…などの理由により、給食センターの建替えまたは大規模改修の中で導入検討していきたいとの見解が示されました。その見解を聞いた時には青ざめました。「えっ、センター運営委員会に対する諮問って何?」と思ったからです。

 私はとにかく学校給食を「子育ち環境」、多摩市の教育環境の中でどのように位置づけようとするかがわからないと意見を述べました。つまり「子どもたちにいい育ちをしてもらいたい!」と思うなら、安全な食材を使用して美味しい学校給食を目指すのは当然のことです。
 学校給食が開始した昔と今ではその位置づけも役割も随分と変遷を遂げてきたと思います。でも、今の義務教育課程において「学校給食が必須」だとするならば、何のために学校給食があり、それを「子育ち」環境の一環に組していくのかを明確に打ち出すべきだと思います。
 言えることは「お弁当がわり」ではないということです。教育委員会も「同じ窯の飯を食べる」という部分が教育目的として存在するとして再三強調してきました。教育目的、いわゆる「食育」を視野にいれるのならば、もっと真剣に取組んでもらいたいとも思います。

 今日も連絡会メンバーからは10年前も「財政的な問題」を理由に強化磁器導入がなされなかったとの話も出ました。今は、本当に財政難ですが、10年前と今では「財政難」のありようも全く異なるはずです。それにも関わらず、以前と変わらない「財政が本当に厳しくて…」というのは何の説得力も持たないことを認識してもらいたいです。

 メラミン食器は一食器500円だそうです。しかも耐用年数は4年です。でも4年間でちゃんと交換されているのでしょうか?実態は4年を過ぎても使用しているものは使用しているし、目に見えないような傷が一番恐いのですが、交換するしないも給食センターの担当職員たちが目で眺めて判断をしているのが現実です。ホルムアルデヒドが溶け出す…という責任をどう考えているのかと思います。(もちろん現場の職員のを責めることは出来ません。)

 私たちはとにかく毎年毎年「財政難」を理由に断わりつづけられたことに不満があり、そして給食センターについても以前から老朽化が言われてきたけれど、その「老朽化」一つを考えても3年前と今では随分と事情も違っているはずなのに、明確にどこがどう変わってきたのかなどの説明が十分にされないことにも納得が出来ないのです。「メラミン食器を500円で買いかえるなら、私に税金500円返してください。そのお金で私は子どもに安全な食器を買って学校に持参させますから・・・。」との発言も飛び出しました。
 環境ホルモン問題はすぐにその影響がつかめるものでなく、目に見えるものではないので、後回しにされるのでしょうか?本当にそれでいいと考えるのでしょうか?

 私はこれまでどんな事情があって導入に踏み切れていないのかがわからないのです。「やる気がないからできないのか」「やる気はあるけどできないのか」・・・?その事情さえ公開されれば、克服できる道筋が見つかるかもしれません。先にも書いたとおり、学校給食センター運営委員会には市長からの諮問があり、強化磁器食器導入を回答しています。実はメンバーの中には学校給食センター運営委員会の市民委員もいるわけですが、答申したことに対して市長はどのように受けとめているのかが全くわからないとの声がありました。私は運営委員会側には答申を出した責任があり、やはり市長もきちんと答申に対しての取組み方針を示す必要があるのではないかと思いました。そうでなければ運営委員会を設置する意義も、「諮問」する意味もないからです。
 
 10年以上も動いてこなかった原因がどこにあるのかについて、今更それを咎めてばかりいても始まらないことは確かです。でも、いつも「検討はしています。」という姿勢には全く誠意が感じられないのではないでしょうか?そのことに私は最も腹立たしさを覚えています。学校給食多摩市民連絡会を一部市民の声だからとして切り捨てることは出来ません。少なくとも連絡会での見解は、市長が諮問をした運営委員会のものと同一だからです。

投稿者 hisaka : 2003年07月03日

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