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2003年06月29日

もし、売却が他の場所だったら?

 学校跡地施設等活用検討市民委員会のフォーラムがありました。開催時間が1時間30分のみという中途半端な長さで、どのようにフォーラムを行うのかと心配でした。集まってきた市民と先日発表した中間報告書の内容を共有しながら、より市民の意見をとり入れ、最終報告書に反映させて行きたいといういとがあったのだと思います。

 主催者の市民委員会ではどのくらい集客出来るのかが不安だったようですが、この問題への関心は高く、会場のパルテノン多摩第一会議室には約80名くらいの人は集まったと思います。
 スタートは中間報告書について、検討経過も含めての内容説明、そしてパブリックコメントで集められた意見の紹介でした。そして30分くらいで6つのテーブルにわかれて、市民どうしでの意見交換をした後、各テーブル毎で出た意見の発表をしました。当然、30分しか時間がなかったので、私のテーブルでも意見交換、議論にはならず、参加している人たちがそれぞれの思いを述べるだけで終わってしまいました。話の中心は「南永山小学校を売却・…」ということでした。
 
 実は中間報告書では南永山小学校の跡地については売却を含む資産活用を…という提案がありました。そのためか、今日はそのことに対して意見を述べたい人が集まっていたようで、どこのテーブルからも学校は地域の核であり売却には基本的に反対…という意見が圧倒的多数を占めたのでした。私のテーブルでも11人中8名が南永山小学校の利用者でした。南永山小学校が地域の拠点になっていることや、活動場所として非常に有効活用されている話などを聞くことが出来ました。私はその話を聞きながら、「もし」という事を考えることはおかしいかもしれないけれど、「もしも売却されるのが南永山小学校じゃなければ?」と考えていました。ここはとても重要な部分だと思うからです。仮に別の施設が売却される方針に決まった時、同じように今日集まってきた人たちは動くのだろうか?…冷静に考えるべきことではないかと感じます。
 今日も「決して地域エゴで発言しているわけではない」という話もありました。きっとそれは正解であると思います。だけど、もしかすると正解と言いきれない要素もあるかもしれません。その意味で私はこの問題に関して、当事者(利害関係者)以外がどのくらい動いてくれるのか?が重要なことだと考えました。
 つまり学校跡地施設は市民の共通財産として、みんなで考えていく必要があるからです。冒頭で市民委員会側から説明があったように、この跡地施設を活用して多摩市を活性化して、まちの発展に寄与していけるような方向性を見つけ出さねばならないからです。 

 現実問題として跡地施設には維持管理費として一校あたり年間約1千万ずつかかっていることや、もし跡地活用としていわゆる‘教育目的’以外の使用となれば補助金の返還問題なども出てきます。例えば教室を貸しオフィス化することになれば当然、国に対しての返還義務が発生するからです。廃校全てということになれば約17億円も返さねばならないようです。「返還しなくてもいいように国に強い姿勢で求めていくべきだ。」…多摩ニュータウンが国策により造られた経緯を考え、国の責任も問うていくべきとの観点からの意見も出ました。多摩市としての姿勢をどう持つのかを迫るものだなと思いました。その意見を述べた方は、行政だけでやろうとするのではなく、市民をもっと味方につけるべきだと主張されていました。そのためにも行政は情報公開を進め、市民に理解を得られるような流れをつくってもらいたいとのことでしょう。

 唐突過ぎる「売却?」問題に驚いた市民たちと市民検討委員会、そして行政の関係が今後どのように動いていくのでしょうか?私はこの動き方に‘まちづくり’に対する行政の姿勢、市民の姿勢を含め様々な多摩市の現状が浮き彫りにされてくるように思います。

投稿者 hisaka : 2003年06月29日

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