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2003年06月24日

時間をかけるのが「市民参画」

 第一小学校の建替え検討委員会がありました。3グループに分かれての検討してきた配置図を、とりあえずは一本化してみた図面に対する意見交換をしました。
 この会議には、現役で建築関係の仕事をなさっている方がいるので、専門的な観点からの意見も出されます。メンバーの意見を聞いているだけでも勉強になります。
 実は、この委員会では基本設計のためのコンセプトを確定しないままで配置図の検討をしてきました。だいたいの方向性としては地球環境に配慮した学校や地域開放型の学校にしていく…ところを加味しながら、配置図を考えていく…という方針で取組んできました。配置図の検討をしながら、コンセプトとしての‘ことば’も考えることになっています。何となくの大枠だけのコンセプトを持っただけで検討を進めてきたことが良かったのか、悪かったのか?という部分は別にして、やはりコンセプトを決めるために時間をかけることは重要な事だなと感じています。

 今日も学校を地域に開放をしていく…という部分について「一体、地域に開くってどんな風に開いていくのか?をもっと話し合うべき」との意見が出されました。一言で「地域に開放していきましょう」とは言うものの、個々の受け止め方により地域開放のイメージは異なるからです。
 今でも夜間や休日に「学校開放」、特に施設面(グランドとか体育館などを中心にして)での開放は行われています。検討委員会でも施設面での開放は、特別教室(図工室や音楽室など)も含めて開放することでは一致していると思います。でも、学校の地域開放は果たして「施設面」だけなのか?もっと学校教育そのものを地域にオープンにしていくのが新しい学校像で…一体それをどのように進めていくのか?そのことを含め、新しい校舎づくりの議論をする必要があるとのご意見です。

 私も施設開放と合わせて考えなければならない課題だと思います。ここには市としての考え方や校長先生を中心とした教職員の意識も大きく関係してくると思っています。地域が学校に関わることでのメリットはとても大きいはずです。先日も地域と学校との連携で教育を豊かにしていく事例を見てきたわけですが、地域の持っている教育力を学校の中でどのように生かすのかについて、やはりまだまだ今の段階では校長先生の裁量が強そうに思います。つまり校長先生の考え方により「開放」の在り方が左右されるわけです。私はこの在り方をまずは変える必要があると考えています。校長先生にしろ、教職員にしろ、ずっとその学校に関われる人はいないからです。
 学校にずっと関わりを持ち続けられるのは「地域」です。だからこそ「地域」にどんな受け皿を作っていくのか?一方で、地域で学校教育を支えていく実態をつくることも求められているように思います。私は学校の建替えの時がまさにタイミングだと見ています。
 地域の市民たちが校舎の設計から関わっていることも、ある意味では「開放」と言えるのかもしれません。先生と地域の市民たちが一緒のテーブルで議論することの意義は大きいと思います。

 「地域開放」という‘ことば’をどう肉づけするのかという問題。コンセプトづくりの段階からももちろん議論する必要はありました。でも、その部分については、建替え検討委員会ではなく、この委員会と同時並行的に別組織を立ち上げながら地域で考えていくことが必要(もちろん先生たちも含んで)との考えに落ち着きました。

 そして、早速行動することにしたのです。行動しようとリーダーシップをとれる人がいるってラッキーだと思います。というのも、何と2週間に一度ペースで行ってきた委員会でしたが、7月と8月は設計事務所と教育委員会の側でこれまでの検討経緯を踏まえながら、もう少しさまざまな案をつくりたいので時間が欲しいというわけです。もちろん・・・「私たちってまるで市民参加のアリバイづくり?」という疑問の声を洩らしていた人もいましたが、そこは、これまでの設計事務所や行政側との信頼関係もあり、一応「お任せ」にはしたのでした。
 つまりあと2ヶ月間、この時間を市民側としても有効に使うしかないわけで、「『地域開放』って何だろう?」ということをみんなで議論してみたいとの提案がされました。おそらく2ヶ月かけても結論が出るかどうかはわかりません。でも、地域で議論をするという経験が私はきっと後につながってくると思います。

投稿者 hisaka : 2003年06月24日

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