« 焼きうどん的発想??? | メイン | 議員アンケート・・・多摩市議会ウオッチングの会 »

2003年06月16日

とても長かった一日…総務常任委員会

 今日は一日がとても長かったです。
 定刻10時から始まった委員会ですが、1番目の案件であった「情報システム管理運営条例」について3時間に及ぶ審議をしました。8月25日から本格稼動する住民基本台帳ネットワークに備えたかたちで、この条例を制定する運びです。
 情報システムについての危機管理策などを一応定めたものですが、まだまだその中味には不安がたくさんです。ただの機器管理だけだと、庁内内部の問題で解決出きるわけですが、全国がつながっているネットワークの中で起きる事件に対してどこまで防御可能かといえば、正直今はなすすべがないのではないかと思います。
 多摩市内では「個人情報」を漏えいしないように対策をとっているかもしれないけれど、どんなに万全にしたとしても、多摩市の権限の及ばない他の自治体でどうなるのか予測すらつきません。仮に不正行為などがありネットワークへの接続をやめたとしても、最新情報の流通が防げるのみです。これではとても不安です。
 条例はないよりは、あったほうがいいし、このような条例を提案したという行政側の姿勢は評価するわけですが、正直言って「この条例の有効性がどこまで担保されるのか?」については疑問です。住民基本台帳ネットワークシステムの本格稼動が大前提になっていることも私としては不本意ですが、現実に多摩市としてはこのネットワークへの接続を行っている状況にあり、庁内のあらゆる部門で情報化を推進していくことになっています。
 「情報システム管理運営」という部分で、庁内で統一した情報システムの管理基準(管理運営基準)を定めていくことや、機器管理計画の策定、情報システム管理委員会を設置は必要なことだと思ったので、条例については可決の立場をとりました。

 ところが、今度は手数料の変更問題にぶつかりました。ここでは住民基本台帳カード発行手数料の提案と東京都の条例変更に伴って広告塔などの設置手数料(はっきりいって多くの場合は道路に無断、不法に設置してあるように思うけど…)の提案でした。
 後者については都条例に連動するかたちでの変更なので問題はないのですが、前者のいわゆる住基カードが問題です。
 というのは、総務省の事務連絡でだいたい手数料として500円が望ましいだろうとの示唆があったそうです。もともと発行するだけで多摩市の試算だと2,000円ほどかかるようですが、利用者からは500円の手数料を取るだけ。つまり市からの持ち出しは、1,500円です。
 なぜ総務省が500円にしたかの理由についてはわからないそうです。根拠がないのに500円・・?これでは納得が出来ません。聞くところによれば地方自治情報センターでは小規模自治体における住基カードの発行を一括して請負うようですが、ここでは純粋なカード代で1,000円、そして色んな諸々の経費で400円と試算したそうで、総務省としてはそれに基づいて手数料を500円にしたのではないか?との説明でした。多摩市では諸々の諸経費がいくらかかるのかといえば、500円以上だそうで、それならば手数料だってそれに見合って徴収すべきだと考えるわけです。
 おまけにこのカードですが、市民には「貸与」されるわけで、引っ越す時には返却をし、また新しく作りたいならば引越し先で申請することが必要だし、仮に個人の番号(住民票コード)を変更したいと思った時にはカードそのものを作り変えなくてはなりません。カードは書き換え不能です。さらには、写真つきカードとそうでないカードがあった時にどうするのか?という問題もまだ未整理です。
 そんなまま発行をすることはできないし、先の情報システム管理運営面についてもまだまだ甘い部分があることを考えると、カードの発行をすんなり認めることはできないと判断しました。

 住基カードはICカードですが、そのセキュリティ面においてはまだまだ世界的にも安全性が確立されておらず、情報先進国のアメリカでさえも厳しいセキュリティ基準をクリアできるカードがなく、政府も一律に導入することを見合わせている状況があることも鑑みる必要があります。
 どちらにせよ、500円という発行手数料の算定根拠が明らかでないし、不交付団体の多摩市が負担する分が相当大きくなりそうなのでこれについては反対・・・・そうすると広告塔などの設置手数料の変更も反対になってしまう・・・という結果になってしまいました。
 本当はこの2つの事項を分離しないと判断に困る場合には、修正案として、事前に申し出するのが決まりでした。議事運営の規則をきちんと把握してなかったことに反省しました。

 その他も非常にハードな案件も多く、すっかり委員会が終わってみたら午後7時前でした。結局、行政側からの報告事項があるのですが、これについては説明を受けただけで、質疑の時間をとれず。でも、総務常任委員会として一ヶ月に2回くらいずつ勉強会等を行いながら審議を進めていこうという確認が出来たので、動きが活発化することはうれしく思います。今までは議会開催の時しか常任委員会がなかったのですが、毎月2回は最低審議などを重ねようとの方向は議会活性化の一貫です。

 その後、私は学校跡地等活用検討市民委員会の傍聴をしました。ちょうど中間報告のパブリックコメントが出た後なので、委員会でどのように意見の取り扱っていくのかが気になったからです。「木を見て森を見ず」ではなく、森を見てもらいたい…というのが市民から寄せられた意見への委員全体の感想のようでした。今月末にはフォーラムを開催する戸のことです。今後どのように動いていくのか、最終報告をまとめるのか楽しみです。

投稿者 hisaka : 2003年06月16日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/381