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2003年05月04日

未来型多機能都市TAMA?!

 ガーデンシティへ行きました。多摩市の3大祭りの一つです。毎年、同じような店が並び、変わり映えの無さに安堵と面白味の無さを感じながら多摩センター駅前のベデストィアンデッキを歩きました。
 少し外れに東京都のブースがありました。そこに置いてあったパンフレットをもらいました。「未来型多機能都市TAMA」のご案内でした。けれども中を開けば、中心は「南大沢」です。多摩センターのことは最終ページに触れられている程度です。何とも言えない気持ちになり、パンフレットを眺めました。もともと多摩センター駅前商圏内の都有地が駅北側に広がっている部分にしかないからかもしれませんが、南大沢の魅力が存分に語られ、そしてニュータウンのポテンシャルに目をつけた企業もやはり「多摩センター」以外に進出をしています。
 ガーデンシティで久々ににぎわっている通りを歩きながら、多摩センターのポテンシャルって何かなあと考えていました。私は多摩センター駅前の閑散として、寂しいと感じる人もいるかもしれないけれど、やっぱり解放感あるところが好きです。駅前と言うと大きなビルで圧倒される場合が多いけれど、こじんまりしていてちょっぴり上品で、無駄な空間の使い方にホッとします。たぶんこの空間が多摩センターの一番の特徴にできると思っています。
 今の多摩センターの駅前で一つがっかりなことは、せっかく都市計画の街なのに駅前に統一感がないことです。建物の色やカタチにも見渡した時に「美しい」と感じられないことは非常に残念です。バラバラ感がどうしても拭えないので、結局は‘まちのきれいさ’がアピールできないなと感じます。統一感のある外観の建物や、もちろん看板も統一されたデザインだったりすれば、もっとお洒落な空間が出来あがります。
 同じスターバックスでカフェオレをいただくとしても、調和が全く感じられない空間よりは、右を見ても左を見ても‘落ちつける’たたずまいがあれば、美味しさ倍増するはずです。
 もともと日本では街並みが乱れがちですが、ゼロからつくった街だからこそ、もっと気を遣いながら駅前整備することが出来たのではないか・・・と思うと残念でなりません。既に後の祭りだなと思いますが。
 それにしても未来型多機能都市としての‘まち’のアピールですが、「未来型多機能」とは耳障りのいい言葉だけれど、「それってどういうこと?」と思った時には実現した後に一体どんな‘まち’が完成し、そこにいる人たちが一体どんな風に暮らしているのか?という先のイメージは全く語られていません。ただ、「自然と調和したゆとりある住環境に教育・文化・商業・娯楽・業務等の多様な機能を導入し、」と書いてありますが、その多機能があるからどうなるの?どうしたいの?ということに言及されているわけでなく、非常に不親切だなあと思います。
 都市づくりは‘その先のイメージ’があるからこそ、さまざまな政策によりイメージに近づくような誘導をしていくのだと思います。これではいくら「新しい時代の多彩なニーズ」と書いてあったとしても、その「多彩さ」すらよくわからないままです。「こうなりたい!」だから「こうしていこう」が見えてこないことに不安です。
 ただ、土地を売却するだけなの?と逆に問いかけたくなるパンフレット。私には、このパンフレットの言う「未来型の多機能都市」のイメージが未だにわかないのです。

投稿者 hisaka : 2003年05月04日

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