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2003年05月11日

超‘そうじ術’な一日

 熱が下がっただけで喜んでいたおかげで咳が止まらない状態が続いています。今日は一日一歩も外へ出ないことを決めて、掃除をしました。一年間、さまざまな書類が手元に配布されますが、すぐに捨てることも出来ず、ずっと取っておいたものがどんどんと積み重なっていくからです。
 「捨てる技術」とか「整理術」がもてはやされる意味がよくわかります。結局、保存しておいてもそのままの状態が続くよりは、メモ用紙として活用した方がよっぽどイイということもあります。
 まず、何が自分の手もとに置いてあるのかを把握しておくことが大事だと思うと、半分くらいは記憶から消去されているものばかり。小さめのダンボール箱2個以下にするために整理をしました。おかげで随分とすっきりしましたが、大量の紙ゴミが出たことに少し心苦しくなりました。

 記憶外の書類の中に「小売容器負担金制度」の提案がありました。これはある市民グループがまとめた書類でした。随分と再資源化が進んでいましたが、‘リユース’再使用の考えかたはまだまだです。飲料にしても缶からペットボトル人気となっていますが、ゴミ処理責任が地方自治体に偏っていて、消費者である市民や生産者である企業の意識改革、減量化への動機が働いていないと指摘しています。
 いわゆるワンウエイ容器をしようしている商品の販売価格は「容器代+中味代+流通費用+再商品化費用」となります。再商品化費用の中には「分別収集費用+処理費用」は含まれておらず、資源として引き取ってもらうための費用を負担しているだけです。
 再商品化費用ですが、例えば500mlのガラス容器入り食酢(びんの重量320g)の場合、メーカーが負担するのは①っぽん当り0.25円、ガラス便メーカーは0.02円だそうです。ところが何と、便を分別回収する自治体では1本あたり9.6円(ごみ処理費用1t3万円として考える)になるのです。
 ではリターナブル容器使用の商品の販売価格は一回目は「容器代+中味代+流通費用」となりますが、二回目(再使用)以降は「再使用容器代+中味代+流通費用」となります。再使用容器代にはビン回収費用とビン洗浄費用を含んでいて、ワンウエイ容器の場合には自治体が負担している1本当り9.6円の容器回収費用をメーカーが負担することになります。だから商品の販売価格に跳ねかえってくるわけです。
 つまり今の仕組みの中ではリターナブルビンは普及しにくい構造になっています。この状況を是正するのが「小売容器負担金制度」というわけです。私も今、生活クラブ生協で牛乳を取っていますが、生協から直接届くので1本240円です。けれども同じようにリターナブルビンを使用している製品をスーパーで探すと1本定価が350円なわけです。しかも普通は牛乳は一本1000mlですが、リターナブルビン入りでは900mlで割高感もあります。ということで環境を守るためには、消費者側も負担をしなくてはならないことを実感するのです。
 容器包装リサイクル法により、確かにリサイクルは進んでいるわけですが、その負担を自治体に押しつけている現状を認識すれば、やはり事業者のリターナブル容器使用を進める状況をつくりださなくてはなりません。対事業者・・・ということになれば、なかなか苦しいのは一自治体だけでは対応しきれないということです。都や国に対して、他の自治体と連携をしながら、方向を示すことが必要です。
 そしてその前には、やはり自治体の悲鳴をきちんと市民に伝える必要があるでしょう。市民はリサイクルすればいいと思い、せっせと分別しているわけですが、そのことが自治体を圧迫している現状があるなら、その現実を市民に知ってもらう必要があります。市民が現状をつきつけられた時、どんな選択をするのか?がまずはスタートラインです。
 いづれにしても、これまでは3Rでリデュース、リユース、リサイクルでしたが、多摩市でも4Rとしてリフューズが付け加えられています。実は4番目のリフューズ(ゴミになるものを購入しない)を徹底することが一番大変です。これは市民の意識改革だからです。その意味ではリフューズという方針を具現化していくための方策は少し遅れ気味ではないかと思っています。一番重要で、一番困難な課題です。

投稿者 hisaka : 2003年05月11日

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