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2003年05月10日

子どもたちと食

  生活クラブ生協のまちづくり運動スタートアップイベントがありました。生活者ネットワークと政策協定を結び、食、環境、こどもの3つを柱にしながら調査活動などをしています。その中に学校給食問題連絡会チームがあり昨年は多摩地区の約2,000人の中学生に対してアンケートを行なっています。子どもたちの食の意識を知る貴重な調査結果になっています。そこで、今日の集会では‘食の専門家と一緒に考えよう!語り合おう!’ということで日野市の学校給食栄養士の方とフードコーディネータの方から話を聞きました。
 学校給食といえば多摩市はセンター方式で何よりもメラミン食器であることで、「食の安全」を求める者にとっては悪評判。どんなにいい食材を使っていたとしても、環境ホルモンのホルムアルデヒド溶融の恐れがある食器を使っている時点でアウトです。
 隣の日野市では小、中学校全27校全てに栄養士を配置している自校方式を採用しています。中学校のうち3校は調理業務だけ民間委託に切換わっているそうです。さて、自校方式の給食ですが、それはうらやましいものでした。例えば去年6月の献立表がサンプルで配布されましたが、ちょうどワールドカップの時期に重なっていることで、日本の対戦相手国の料理やワールドカップ参加国の郷土料理をメニューに取り入れます。ベルギー戦の時にはベルギーワッフル、韓国戦ならキムチビビンバ、トルコならオリエンタルライスなどです。そして、今日話をして下さった栄養士さんは毎日「給食室通信」を生徒に配布しているそうです。一言メモのようなかたちで、今日の地場野菜は○○地区の××さんがつくりました・・・と食材の話や健康の話などを葉書大ほどで、すぐに目を通せる大きさです。食べることを通じて健康をつくることを伝えたいといいます。さらには給食ポストを設置し、匿名で生徒の給食に対する感想なども寄せてもらっているそうです。毎日2、3件は投函されているそうです。多い時には10通くらい届くそうで、これには給食室通信で返事を書きます。
 集会に参加していた人たちからうらやましい!というため息がもれていました。もちろん私も、こんな風に「食育」が進められていることに学ぶところは多いと思いました。
 食教育の重要性はますます増してくると考えています。最近の子どもは肥満の子どもが増えています。コンビニやファーストフード利用など、今、食にあふれすぎ「どうやって「食」を選ぶか?」が問われています。そして、放課後も塾や習い事で忙しく孤食化が進んでいて「食べる」楽しさをなかなか実感できないのではないかと指摘がありました。食育とは「食べることの意味を理解し、一人一人が自立的に食生活を営む力を育てることや、それを実現しやすい食環境づくり、それらを支援、推進するネットワークづくり」と説明されるそうです。つまり大人の役割は子ども達に安定して安心してごはんを食べるという環境を作ることと言えると思います。
 学校給食も「食育」の一環で求められる役割が多いのかもしれません。でも実態は時間がない中で配膳し食べる・・・時間に追われて昼食を済ませる状況にあります。食べることの義務化・・・早く食べなさい、残さず食べなさいなど言葉が飛び交っている状況もあるのではないでしょうか。これでは子ども達も会食の楽しみを学ぶ以前で「心」がストップしてしまうと思います。
 食べて「元気」になります。どんな「食」を選択するのか、食材はもちろんですが、栄養バランス、楽しく食べる環境のことなどを含めて、子ども達に「食事力」を伝えるということは、実は大人の「食事力」を高めていくことにもつながります。これが、‘まち’の健康づくりにもなるのだとつくづく感じました。

投稿者 hisaka : 2003年05月10日

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