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2003年05月05日

NPOのお手伝い

 NPOはとにかく日々の運営資金をどうやって生み出すのか悩みの種です。今日は早起きしてガーデンシティに出展しているNPOのお手伝いをしました。朝7時から私を含め、10名ほどの人が集まり、10時の開店にあわせてシュウマイ作りをします。3日間連続でこの作業していますが、もちろん人件費はなく、すべて無償労働です。
 シュウマイはこのNPO「麻の葉」の名物で、春夏の多摩センター駅前でのイベントやグラン多摩フェスタなどでもつねに常連で出店しているので、作業はもう慣れたものです。私も言われた通りに玉ねぎを切ったり、しいたけを切り、皮につつんだりの作業を手伝いました。もちろん手作業です。シュウマイ皮に包む中味の量も一定です。ハカリ担当の人がいて、包み担当の人はスプーンで中身を皮にのせ、必ずハカリに乗せます。「OK」がでるまで、微調整します。すべて流れ作業的ですが、問屋制家内工業だわ・・・と思いながら楽しくシュウマイづくりをしました。
 このNPO「麻の葉」は鶴牧商店街でデイサービスをしています。市からの補助も年間60万円ほどもらっていますが、商店街という場所がら家賃がかなり高負担だときいています。NPOはボランティアの組織ではないので、いくらかの人件費は出しながら運営をしていくことが必要です。まったく人件費無しの働き方がNPOを支えている構図では非常によろしくないわけです。「麻の葉」の場合は、家賃を払うだけで大変で、人件費はほとんど出ないに等しいわけですが、それでも、地域の高齢者たちを支えるための拠点を維持することにみんなが一生懸命なわけです。関わっている人はもちろん女性中心ですが、どの人も生き生きしています。「あー大変・・・」と言いながらも、その大変さを楽しんでいる感じです。
 実はシュウマイを販売すると一体どのくらい資金の足しになるのかを聞いてみたのですが、一回(3日間)で12万円弱、でも材料費が半分くらいかかっているので賞味6万円ほどが利益です。あわせてフリーマーケットでも出店していますが、フリマの収益はそれほど大きくないはずなので、全部で10万円くらいがこの3日間の売上高になるのかなあと勝手に計算をしてみたのですが、いづれにせよ、「地域福祉の担い手」としてのNPOとして維持していくことがどんなに大変なのことかを目の当たりにしたわけです。私は今日一日、半ばボランティア的でお手伝いして、いい経験を得たわけですが、「これが3日間だからできるよね・・・」ともらすメンバーの声を聞いてみると、改めてすごいよな・・・と思います。3日間、自分の収入が欲しくて働くのではなく、地域のために働いていると言えるからです。
 NPOの時代といわれます。でも言葉だけがひとり歩きをしているのが現実です。NPOと行政の協働が本当に目指すべき姿だとすれば、行政側としてNPOをどう育てていくかというビジョンを持つ必要があるなとつくづく感じます。もちろん、行政から補助され続けるのではなくNPOは自立した運営を目指すのが究極の姿ですが、行政自身が、現状をどう捉え、そしてどうしていきたいかというビジョンを持たなければ、数多くのNPOが誕生したとしても(実際に多摩市はとても多い)全く有効に活用していけないという危惧があります。今の状況はNPOが空回りしているという気がしてなりません。
 頑張れば頑張るほど赤字になるというNPOの厳しい運営実態をNPOだけで解決するのではない仕組みをつくる必要がありそうです。

投稿者 hisaka : 2003年05月05日

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