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2003年04月14日

政策その⑧ 市民とともに「ごみゼロ計画」

 6万3千円。これが年間のごみ処理経費、一世帯分です。ごみに対する市民の意識が大きく変わったのは、数年前のダストボックス廃止だったと思います。ダストボックスは自分の家からゴミをなくすためには好都合でした。私もダストボックス廃止はとても残念で、そして不便さを感じていました。これは全く「自分さえよければいい」という発想に基づいていたなあと反省です。つまり、自分の家の中にゴミのない状況があれば、自分はスッキリし、快適だったということです。もちろん当時も環境問題の深刻さが言われていましたが、とにかく「ゴミを減らさないといけない。」と意識的になったのは、やはり家の中で数日でもゴミを保管しなければならない状況が生まれてからだと思います。

 私は市民の一人一人にもっと「ゴミの行方」を追ってもらいたいと思います。収集日にゴミ出しをするところで市民の責任が終わるのではありません。分別収集も進み、かなりのリサイクル意識が浸透しています。けれども、大量生産大量消費型社会の「大量廃棄」の構造が大きく変わったわけではありません。「大量廃棄」が「大量リサイクル」に置きかえられただけです。例えば、便利さからペットボトル使用はますます高まっているようです。この冬にはホット専用のペットボトル商品も多く流通していました。「リサイクル」されればいいのではありません。ゴミは発生そのものを抑制しなければ、根本的な解決にはならないのです。本当は私たちの「お買い物」を点検すると、実に多くの「ゴミ」購入をしているのかわかります。豪華に見せる過剰包装、便利な個包装の商品・・・包装にも経費がかかっています。それだけでも割高なのに、さらに比例してゴミの量も多い・・・ゴミ処理経費がかかる・・・私たちの家計簿には自分自身で見えていない分も含め、無駄な出費がたくさんあるのです。

 私自身はゴミ問題について、徹底的に減量(リデュース)、再使用(リユース)、リサイクル(再生利用)・・・「ゴミをつくらない」の一人一人の市民の強い意識でしか解決できないと思っています。そして市民が最も身近でかかわりやすい‘まちづくり’だと思います。日々の生活で、自らの心がけひとつで地球にやさしいまちづくりに貢献することが出来るからです。まず行政がすべきは、ゴミ処理の実態とコストを明らかにする『廃棄物会計』の作成です。ゴミがどれだけ資源化されているのか、そしてゴミ処理や資源にいくらかかっているのかをデータをもとにして公表し、私たち自身がゴミ問題を捉え、そして考え、解決しなければならないという危機感を持てるようにしなくてはなりません。
 「ゴミ」問題は私たちの問題として、もっと深刻な事態として受け止められるようになりたいものです。私もゴミを減らすことを意識してきたものの、議員になり現実のゴミ処理の実態をより詳しく知ることで、より切実な問題としての実感がわきました。私たちが「ゴミを買わない」生活を追及していくことが大事です。そうすれば次第に、環境に負荷のかかる製品をつくらないことにもつながります。

 ゴミを分別し、ゴミ収集日にゴミを出すことが市民の責任ではないのです。そのためにも実態を市民に公表しながら、市民とともにゴミゼロに向けての行動計画を作ることを提案したいと思います。
 多摩市には立派な清掃工場があり、リサイクルセンターがあります。最新の設備を持っていることに満足をしていてはならないのです。ゴミに囲まれた生活を送っていることを知り、そしてどうやったらもっと必要最低限での暮らしが出来るのか、もちろん製造者責任なども問われ、環境負荷の少ない製品をつくることを求めることも大切ですが、それ以前の問題として私たちの社会の価値観を変えていく必要性があるのだと思います。
 価値観転換のために行政はもっと深刻さ、切実さを伝える努力をするべきで、そしてゴミ行政の中で最も重要なことだと考えています。


     ★ぜひ、政策に対するご意見やご提案などおよせください★

投稿者 hisaka : 2003年04月14日

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