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2003年04月13日

政策その⑦ みんなが健康で暮らせる‘まち’へ

 生活者ネットワークでは「アレルギー疾患に関する調査」を行ないました。東京都全体で6400人の方から回答結果から、80%を超える人が本人、家族に何らかのアレルギーがあることがわかりました。そして半数以上の人は日常生活の中でアレルギーの原因を避けるよう心がけている実態が明らかになりました。
 私たちがアレルギーの原因として1位は化学物質が多用されている、2位空気が汚れている、3位に食品添加物が多いとしていますが、原因をひとつに絞れないとして複数回答がなされました。そして「ストレス」や「過度な清潔志向」という現代病も上げられています。つい最近まで大きなマスクをしている人をたくさん見かけました。花粉症の原因についても花粉と車の排気ガスが融合しあうことが深刻な事態をもたらしているといわれるように、もともとアレルギー症状を持っていなかった人も突然変異のようにひどい花粉症に悩まされると聞いています。アレルギーの原因は複合的であり、原因解明はなかなか困難です。

 さて、私たちは数万種類の化学物質に囲まれて生活をしています。化学物質が有害であることを知りながらも、その便利さから、なかなか使用を止められない状況があります。除草剤を始め、医薬品、化粧品、食品添加物など化学物質を使用していないモノを探す方が難しいかもしれません。アレルギー防止対策としてはやはり私たち一人一人がライフスタイルを見直すことから始まるのだと思います。けれども一人一人の意識変革だけで太刀打ちできるものではありません。既に悪化している都市環境も含めた対応が必要です。アレルギーの原因を社会的に減らす努力が求められます。原因究明、化学物質がひきおこす被害を検証し、市民に情報提供をすることが必要です。
 なんと学校で教科書に使用されているインクによるアレルギーの発症例が報告されています。行政が化学物質の不安に対して対処しなければならないことは既に明らかです。そして最近はシックハウス、シックスクール対策も求められます。私自身もきれい化けるために使用した化粧品でかぶれた経験があります。このような事例をしっかりと把握し、市民に知らせなければなりません。「臭いものにフタ」では困ります。
 
 冒頭に書いたとおり、まずは「子ども」を取り巻く状況を把握するべきと思います。市内の学校、児童館など主に子どもたちが使用する公共施設を含め、民間保育所の実態調査をまずは早急に取り組んで欲しいと思います。例えば、乳幼児はおもちゃを口にすることもあります。子どもの遊具、玩具についても健康にやさしい商品を選ぶ指導なども欠かせないと思います。
 そしてあわせて、アレルギーや化学物質過敏症に関する相談窓口を広げていくべきと考えます。これだけアレルギーに悩む人が増えている状況を思えば、悩みの早期解決の為に地域の診療所が正確な診断を行ない適切な治療方法をするケア体制を確立することも重要です。
 未来を担う子どもたちが暮らしにくい社会であることは間違いありません。みんなが健康に毎日を送れるようにするためには、アレルギー症状を未然に予防できる体制づくりが必要です。アレルギー症状に対する理解を深め、健康な人も油断せずアレルギーと常に背中合わせで暮らしていることを認識して、自らのライフスタイルの見直しへとつなげなければという危機感を持たねばなりません。そのことが市民どうしでの健康の支え合いにもなることを強調したいです。これは自治の精神です。
 市民の健康をつくり、守る、生活環境をどのように保持していくのか?やはり市が現状分析と課題を整理することは必須です。その結果を受けて、市民に対する説明責任含め行政としての対応策が見えてきます。便利になりすぎた社会の闇を示すよう、アレルギー疾患が目に見えて増えている現実を直視すべきです。

 みんなが健康に暮らせるために・・・という点では「健康のまちづくり条例」などを設けている自治体もあります。「健康」がなければ‘まち’が元気になれません。そういう意味でまちづくりの原点には市民の健康があることはまちがいありません。
 また、東京都では「化学物質の子どもガイドライン」を策定しました。多摩市でも‘わがまち’ガイドラインが欲しいところです。


    ★ぜひ、政策に対するご意見やご提案などおよせください★


 ちなみに・・・今日はステイツマンと1年間の活動の締めくくりとして「活動報告会」をしました。私自身も1年間の総括ができました。私の目指している「普段着の政治」の実現の道のりはまだまだです。政治というと畏まってしまうのではないでしょうか?市民がもっと気軽に‘まちづくり’に物申せる状況をつくりたいです。

投稿者 hisaka : 2003年04月13日

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