« 政策その④ 「男女平等条例」をつくる | メイン | 政策その⑥ 「食品安全条例」をつくる »

2003年04月11日

政策その⑤ 「子どもの権利条例」をつくる

 権利にはいつも義務が伴います。「子どもの権利」を認めたら、ますます子どもたちが権利ばかりを主張するという反論がありそうです。最もだと思います。なぜなら、私たちは『権利』、とりわけ子ども時代には「子どもの権利」をしっかりと教えてもらったことがあるでしょうか?
 「子どもの権利」の中で私が一番尊重していきたいのは、国連子どもの権利条約の中の「意見表明権」です。子どもたちが個々人に応じて、きちんと自分の考えや自分の思いを人に伝えていけること、伝える場所があることが大事だと思います。子どもたちの意見を受け止める場所はまだまだ少ないのが現実です。
 特に私は子どもの社会参加、まちづくりにもっと子どもの視点を取り入れていきたいと考えています。たいていの場合「市民参加」の‘市民’には「子ども」の姿が見えてこないのが残念です。子どもの視点を生かしたまちづくりをする必要性については3月議会でも一般質問のテーマとしましたが、子ども時代の経験は「原風景」となることを考えれば、市民自治がもっともっと要請される時代に向けて、まちづくりに参加する面白さ、辛さも含めた楽しさを味わうことは貴重なことです。未来の大人育てという観点からも子どもたちの意見表明権を大人たちが支えていけるようにしたいです。
 そしてもう一つ、児童虐待、いじめが増加していると言われています。この子どもの人権侵害についても、さらに地域で学校や児童相談所などの連携を密にしながらの対応が求められています。私自身は「先生にも親にも言えない・・・・」というよう悩み事を子どもが気楽に相談できる場所が必要だと考えています。スクールカウンセラーの設置などがありますが、私はこれでも不十分だと思います。子どもがプライヴァシーが保護されると信頼をおける場所でなければならないからです。そのためにも第三者機関として、子どもの権利救済の仕組み「子どもオンブズパーソン制度」を設置することが必要です。

 多摩市には東京都多摩児童相談所が配置されています。これは好条件とも言えます。でも児童相談所は何だか大げさな感じがして、敷居が高いです。その点、地域ごとにある児童館は気軽に利用できる場所だと思います。そういう意味で、私は地域の児童館がもっと生かしたいと考えます。児童館は子どもの居場所として地域に存在します。そこには先生でもなく、親でもない大人(職員)が子どもたちを迎えます。まだ子どもオンブズパーソンの仕組みがない段階では、児童館が子どもたちの相談、そして子育てを含む子どもに関する親の相談も受付けるなど地域相談所として役割をもっと機能させるのも一つの方法だと思っています。

 「子どもの権利」自体がまだ十分に日本の社会で確立しておらず、なかなか語ることが難しいわけですが、私自身は多摩市として「子どもの権利」をどのように捉え、そして考えていくのか?という姿勢を持つことが必要だと思います。子ども施策は学校教育もあれば児童福祉の問題もあり、市役所内部ではまさに「縦割り行政」。縦割り行政に横のつながりを持たせるためにも多摩市としての子どもの権利条例を制定する必要性が見出せると思います。
 地方分権になり、求められているのは「地域眼」です。地域の実情に応じた条例を制定し、まちづくりを充実させていく時代に入っていることを痛感しています。


     ★ぜひ、政策に対するご意見やご提案などおよせください★

投稿者 hisaka : 2003年04月11日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/323