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2003年03月29日

市民と行政、そして議会と・・・・。

 NPO多摩サロンの企画講座に参加しました。これまでも4回ほど開催されてきましたが、いつも都合が悪くて出席できなかったので、やっと参加できてうれしく思います。そして、さらに今日は議会での各常任委員会の委員長が招かれていました。委員長4人が講師として、NPO多摩サロンの会員や参加市民に対して、今後の展望について語りました。
 実は今日の企画は「シニア世代の参画で参画する活力あるまちに向けて」というテーマでした。この企画はNPO多摩サロンの企画講座の最終回で、これまでの4回では「住民の意思が反映出来る社会」というテーかから始まり、市民協働、学校教育、産官学を切り口にしながら、新しい多摩市のビジョンを拓くための勉強会を積み重ねているようでした。そのしめくくりとして、議論を深めてきた4回の講座を踏まえて、今後様々な課題をどのように乗り越えていけばいいのか・・・という点を市民と議員がともに考え合う機会として最終企画を考えたようです。
 ところが、議員側も全く要領を得ていなかったようでした。もしかすると企画側の意図が上手く伝わっていなかったのかもしれませんが、話しがなかなか噛み合わずに、歯がゆく感じました。本題の「シニア世代のパワー」にまで話が及ばずに、自分が今まで関わってきたことの紹介に話が終始してしまったのです。
 休憩の後、コーディネーターの方から質問がありました。それがとても手厳しくて開口一番「皆様方は、事前にお渡しした資料を全くお勉強していただけなかった見たいですね。」さらには、「これからは地方分権時代の新しいリーダーが必要。御用聞きはやめてもらいたい。そして市民が頂点なはずなのに、どうして陳情、請願なのかわからない。そういうのもやめてもらいたい。」と指摘がありました。各委員がこれに対して回答をしたのですが、「御用聞きも必要」という主張がありました。
 私が思い出すのは、ステイツマンの審査です。「どうしてもうちの子どもを保育園に入れてください。・・ってお願いしたら、岩永さんはどうしますか?」私はそのときに、「保育園を待っている人は他にもたくさんいるので、あなただけを特別にと口を利いてあげることはできません。けれども待機者がたくさんいるという状況は変えていかなければならないから、保育政策が充実出来るように議会で提案します。って言うと思う。」と答えたことを思い出します。本当に困っている人もいると思います。でも困っている「その人だけ」を直接救うことが議員の仕事ではなく、議員はその人たちが困らない状況をつくるために政策提案するのが仕事です。「議員を知っている、知っていない」で左右されるのは「機会の平等」にそぐわないと思っています。
 一人の市民の声を大事にして、それが他の市民にとっても重要なことだと判断をしたなら、そのことを政策課題としてとり上げて、行政に正々堂々と提案する必要があります。これは一見「御用聞き」のようで「御用聞き」ではないと思います。
 さまざまな意見交換は議員にとって厳しい指摘とともに行なわれました。特に最後「こうやって市民の人たちが議員を呼んで勉強会をしていることは、議員にとってはありがたいことだと思う。普通はこれだけの市民を集めるのは大変なんだから。でもなぜ、こういう場に岩永さん以外の、他の議員が居ないのかがわからない。どうしてだと思いますか?」という質問がありました。それについてはどの議員も回答をしませんでした。もし自分が今日、講師として招かれていなかったら、このような会合に来るのか来ないのか・・・を考えて、ぜひ回答を聞いてみたかった気がします。でも、途中で退席をした一人以外の三人は最後の感想で「こういう会に呼ばれて勉強になりました。」と述べていました。
 私もとても勉強になりました。「まだまだ議員の方々と市民の認識がずれていることを痛感しています。もっと議員の方にはお勉強をしてもらいたい。それにどうして、条例をつくらないんですか?議会は立法機関ですよ。ご存知とは思いますが。今、行政が本当にNPOとの協働でも、市民参加でも本当になかなか動かない状況がありますね。これを動けるようにするためには、行政のきまりごと「条例」をつくればいいんです。条例をつくって行政にどうやって仕事をしてもらうのかを決めるのではないですか?市の方向性を示すのではないですか?」・・・私を含めて、議員は日々の活動を反省させられたと思います。
 「また、次の任期に挑戦をする方にはぜひ頑張っていただきたい!」というエールも忘れずに、その場に居た現職議員たちに送られました。
再び私は、自分自身の認識がまだまだ甘いことを確認し、「議員」という立場と役割のことを考えさせられたのでした。
 シニアパワーみなぎる空間に、私は大いに励まされ、元気づけてもらったのでした。

投稿者 hisaka : 2003年03月29日

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