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2003年03月26日

学校給食を考えてみた

 生活クラブ生協のミニ集会に行きました。学校給食の現状を少しだけ話しました。安全な給食というのは生活クラブ生協でも大きなテーマになっています。
 集会に参加していた年配の男性に「一体、一食あたりいくらかかっているのか?」と尋ねられました。実は給食は一食あたり、だいたい900円です。すると男性は言いました。「それで、親の負担はどうなんだろう。」・・・「そうですね、小学校一年生だと220円の負担ですね。」・・・集会に来た人たちから驚きのため息がもれました。「900円もかけたら、もっと美味しいランチが食べられるよねえ。」「でも、保護者はわからないよ・・・だって自分の負担のことしか考えないもの。自分のお財布のことだけ考えているから、一食200円くらいなら割安だと感じるよね。」・・・という声が上がりました。
 これまでは、食材の安全や食事マナーという観点で給食をとらえてきたわけですが、この男性の一言のおかげで、私たちはみんなで「給食」を通して税金を考えることができたのでした。給食にものすごい設備費と人件費がかかっていること、少子化が進んでいて子どもの数は減っているからなのか、一食あたりにかかっているコストは年々微増していることなど話しました。でも、このコストの伸びはおそらく人件費です。すると「本当に給食がいいのかどうかって思うよねえ。」男性は「900円もあれば立派な弁当が作れるんじゃないの。」と言っていました。安全な食材を使い、そして美味しい手づくりのお弁当です。でも母親にとっては「給食」は感謝する存在で、「この4月からは給食が早く始まるから助かる・・・」との率直な意見がありました。
 私は「給食の役割」を見直す必要があると思っています。というのは貧しかった昔は、給食が子どもたちの健康を維持し、体をつくるために果たしていた役割が大きかったように感じます。けれども今の時代、給食に求められているのは決して子どもの「体づくり」が中心ではないように思います。「同じ窯の飯を食べる」という教育効果があると聞いたことがありますが、その教育効果については私は疑問です。そして安全性が疑わしい食器を使用している・・・これは教育的には本当によろしくないと考えています。食材の安全、食器のこと、食事マナーが育つかどうかなど話しあっているうちに本当は「給食」って何の役割を果たすんだろう?と思わずにはいられなくなりました。それは今の「給食」の現状が、自分たちの理想とする「給食」とあまりにもかけ離れたモノだからかもしれません。
 そして私たちは多かれ少なかれ「給食」の費用対効果を考えさせられ、そして給食に対してもう一度、いろんな角度から考えなおす必要性を感じたのでした。子どもたちが一食900円のランチを食べている何て…OL時代、私は新宿でランチタイムを過ごしていましたが、900円のランチとはものすごく豪華過ぎて残さずにはいられないボリュームでした。そして同期などは人件費もコミコミで300円くらいの牛丼や安価なバーガーを食べていました。それと比較したら、子どもたちが900円のランチを食べているのはある意味贅沢なはずなのに、でも「給食」そのものを見れば、その「贅沢感」がありません。むしろ「えーっ、これが900円。」と思わずにいられない内容です。
 「900円の給食」に求められるのは・・・?市民一人一人がまずは給食価格を知ることから話し合いが始まるのだと思います。

投稿者 hisaka : 2003年03月26日

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