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2003年03月21日

もう戦争はいらない

 文教常任委員会を傍聴しました。この議会は、日程がぎっしりなので、一日に二つの常任委員会が開催されています。そのために厚生産業常任委員会の様子は後から他の議員に聞く必要があります。
 さて、文教委員会では教育関係全般を審議します。私が今日注目をしていた案件は2つの陳情でした。一つ目は12月の議会に審議がかかり、そのまま継続審査案件になっていた「30人学級(少人数)の実現を求める請願」と今回提出された「教育基本法の改定に反対する意見書の提出を求める請願」でした。どちらも多摩市教育委員会の教育方針を問うものだったと思います。
 30人学級については、今でもニュータウン地域の小規模校では1クラス30人以下のところもあり、そして少人数での学習指導としては多摩市独自のピアティーチャー制度を導入しています。現在は40人以下で一学級の編成がされています。「ある程度の人数がいる方が子どもたちのパワーの育ち方が違ってくるし、子どもたちの社会性を身につけるためには人数が多いほうがいい」このような教育委員会の姿勢でした。現在のままで考えてみれば、確かに1クラス30人以下のところもあるし、ピアティーチャー制度で少人数指導に対応している・・・例えば30人学級にした時に現在、31人のところは15人と16人の2学級になるわけです。私自身はたくさんの人数がいる方が楽しくて好きなので15、6人ではちょっと寂しいかなあと思います。
 30人学級を求めている人たちは今の社会状況が昔とは全く異なっていること、この環境にあって子どもたちの状況を考えると、先生たちのキャパシティ等も考慮して、特に低学年で30人を実現して欲しいと考えているようです。もちろん私はこれについても反対するものではないなと思います。何しろ私は今の学校状況を直接に知っているわけではないのですが、伝え聞くところによると昔とは違って学習指導の前に生活習慣指導に先生たちはものすごくエネルギーを使っているといいます。昔の小学校1年生と比べれば、入学時点での子どもたちが身につけているマナーなどが全く違っているらしいです。
 そのことを思えば、私は先生の大変さもわかり、先生たちの眼がきちんと行き届くためには30人を限度にする必要性があるのかもしれません。というのも多摩市ではこれから「多摩市立学校の一定規模及び適正配置に関する審議会」が発足しますが、もしこの審議会からさらに学校の統廃合が進むような答申などが出された場合にはクラス規模が当然大きくなってくることも予測できるからです。
 そもそもこの審議会で話し合われる「一定規模や適正配置」の方向性ですが、「市内全域の学校を全て同じ規模にする」ようなことを目的とするのでしょうか?私は学校選択制が導入されたことで発揮されるのはそれぞれの学校が地域との関わりの中で、その風土(地域の人とのつながり)を生かしながら独自の学校色を作っていくことにあると考えていました。つまり一番小規模な市内の竜が峰小学校では全生徒が70名ほどで、家庭的な雰囲気の中での指導が行われています。私はこれは特色として残して欲しいと考えています。一定規模に該当しないから・・・という判断をしないでもらいたいです。もしかすると家庭的な雰囲気の教育指導を求めて市内の他地域から竜が峰小学校にやってくる子どももいるかもしれないからです。
 そういう意味で私はこの審議会が求められているものがいまいち良くわかりません。ここに何を求めているのかがハッキリしないからだと思います。
 少人数学級を求める請願は趣旨採択になりました。ところで「教育基本法改定に反対の意見書提出」についての請願ですが、今日教育基本法改正の中間答申が出されました。この請願は現在の状況は教育基本法の理念をまだまだ実現できていないのに改正する必要はないという立場でした。今日の中間答申など見てみないと改正を反対するのかしないのかわからないし、「良い方向」に変わるのならば改正していいのではないか・・・という意見が出されました。結局は採択、不採択同数だったので委員長採決で「不採択」となりました。私が現在の教育基本法で最も嫌いなのは「人格の完成を目指し」となっているところです。そもそも「人格の完成」という響きが私は嫌いです。でも、今の教育基本法改正の動きの中で求められている「愛国心」については少々違和感があります。
 市の教育委員会として「基本法の改正をどう考えますか?」という問いは非常に難しいと思います。なぜなら、法律に縛られるのが地方自治体だからです。でも私は、少なくとも今の多摩市内の学校の様子を把握する中で法律改正をする必要がありそうかなさそうかについての客観的な判断はできると考えています。でもそれを明らかにしていないのが現状です。なんだか煮えきらない議論で終わってしまいました。

 お昼休みに「イラクへの攻撃開始」を知りました。多摩市議会でも3月議会が始まってすぐに、世界の緊張関係を緊急事態と判断し「イラク攻撃反対」の意見書を国に提出しました。先日には都内で大規模なデモがありました。でも「反戦」の声が届いていません。私は日本政府が戦争を追認している限りは、どんなに私が戦争反対であっても「戦争に参戦」していることになると考えています。日本の市民は自分の手を汚さずして戦争をしているのです。恐ろしいことが起こっているのだと思います。本当に悲しくてなりません。そして自分たちが参戦していることを感じられない日本の社会に私はやりきれなさを感じています。

投稿者 hisaka : 2003年03月21日

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