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2003年03月10日

「お金がない!」

 年度末の補正予算審議です。明後日からは来年度の予算の審議もあるので、やることあるすぎで少々困惑状態にあります。次から次へと考えなければならないこと、調べなければならないことがあるのは楽しいことですが、何しろ時間との勝負なので法律や条例をゆっくり丁寧に読むことが出来ない状況に焦っています。
 市の財政は瀕死状態にあります。この危機的状況をしっかりと市民に対して説明をしなくてはなりません。「歳入に見合った歳出構造」への転換を謳うわけですが、歳出構造を見直すためもやはり市民の理解を得ていく努力をする必要があると思います。むしろ市民の側が要望ばかりはしていられない状況をきちんと把握し、意識変革をしなければならないと思います。つまり、「自治」のありかたを真剣に考えることが求められています。そして今、「市民自治」の基盤づくりが必要です。
 今回の補正予算は次年度への対応ということで来年度への備えのために計上された歳入がありました。今はなき福祉サービス公社への出捐金の3億円と土地開発公社が先行取得した土地などの買取をするたの積立金10億のうち4億円を取り崩します。どちらも目的外流用をするのは好ましくないわけですが、今回の補正により取り崩した分を来年度の財政調整基金に充当していくような格好となります。つまり、福祉のための拠出していたお金も土地取得のための積立も一般財源化されてしまうわけです。
 私は福祉サービス公社の出捐金については、やはり福祉目的に使えるようにすべきだと考えていました。サービス公社は廃止されました。サービス公社の役目は終わったかもしれませんが、サービス公社の行なっていた事業はやはり市民生活の助けになっていた部分があります。今、サービス公社が担っていた事業を例えばNPOやボランティアによる対応ができるようになりつつあるとも言えるかもしれません。おまけに物的ではなく人的サービスを求められる福祉分野では、行政とは異なり小回りのきくNPOの方が注目されています。とするならば、例えば3億円のうちせめて1億をファンドにしてもいいと考えます。福祉サービスの提供をする市民事業の立ち上げ資金などに利用してもらえるようにすれば、より効果的にお金の運用をしていける道筋を作っていける気がします。この3億円全てを一般財源化してしまうことに私は非常に不満です。
 でも、それくらい「お金ない!」という厳しい状況で、やりくりしているのです。家計のやりくりで言えば、せっかくためておいた老後に備えての投資信託をやめ、家を買うために積立していた定期預金の解約し、日々の生活で消費してしまうのと同じことです。その場は凌げる「その場限り」。こんな状況にあるのです。
 まずは、この崖っぷちに立たされていることをどうやって市民に対して説明をしていくのか。「ただ、お金がない!」と言っても、多分納得しないと思います。なぜなら、お金ないにも関わらず「無駄遣いが多い」というのが市民の見解の大部分だろうと思うからです。まさに説明責任が問われると思います。一方的に説明するだけでは不十分で、おそらく、きちんと市民と対話をしていく労を惜しむことはできないでしょう

投稿者 hisaka : 2003年03月10日

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