« 大変な時代になっている。 | メイン | 来年度の予算書 »

2003年02月20日

こんな会話が生まれたら

 永山に行く用事があったので、ついでにライブハウス永山福祉亭に足を運びました。いつものおじいちゃんが店内の端っこに座っていました。ちょうど満員で、まだ片付けられていないままのテーブルがありました。「今、片付けますので、お待ち下さい。」・・・・するとおじいちゃんが「どうぞ、ここ空いてます。よかったら座ってください。」
 これが私の描いていた出会いです。もちろん「よろこんで、本当にいいんですか?」と相席に。おじいちゃんはほとんど毎日、福祉亭に来るらしく、私が福祉亭へ行くたびに出会います。私の中では、ちょっとした顔見知りで、一言二言は交わしたことがあるけれど、おじいちゃんが私を覚えていてくれたことにとてもうれしく思いました。
 おじいちゃんは福祉亭の近所に住んでいるのですが、奥様がなくなってから一人で家の中にいるのは寂しいそうです。ちょうど福祉亭が出来て「来るところがあった良かった」というのです。そう思ってくれる地域の人が福祉亭を支えています。毎週土曜日には、おじいちゃんを尋ねてくる息子さんと一緒に福祉亭でランチするとのことでした。ここに引っ越してきて10年ほどたち・・・といいますが、なかなか近所での知り合いが出来ないなあと洩らしていました。ついでにおじいちゃんの歳を聞いてみたところ、なんと90歳!私も友人も驚いてしまいました。
 せっかくの機会なのでおじいちゃんに「福祉亭がもっとこうだったらいなーって思うことはありますか?」と尋ねてみると、「うーん、そうだなあ・・・若い人が来るといいね。あんたくらいだよ、こうやって一緒に座ってくれる人。」と言われたのでした。ちょうど昨日の福祉亭ではまだ高校生くらいのグループが8人くらいで話し合いをしていました。それを見ておじいちゃんは「いいよね、若い人がいるなんて。はじめて見たよ。」と目を細めているのです。私も初めての光景だったので、これは帰る時にちょっとリサーチしなくては・・・と声をかけてみました。
 彼らは永山高校に通っている生徒たちだったので、どうして福祉亭ができたのかを簡単に説明をし、「ぜひ福祉亭を周りのお友達にも広めて!」欲しいことをお願いしました。ここの福祉亭は三年間という期限付きで助成されてきた事業です。おじいちゃんの居場所、そして高校生たちの居場所として続けていくためには、おじいちゃんや高校生たちの力が不可欠なのです。「福祉亭のファン」を地域に増やすために、来年度が勝負です。
 「ここの席、空いているからどうぞ。」この一言が人と人とを結びつけます。ふらりと入ってきた人どうしが何気ない言葉を交わせるような場所、名前は知らない同士だけれど挨拶をする関係。地域が求めているものだと思いました。

投稿者 hisaka : 2003年02月20日

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
/273