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2003年02月17日

もちろんありがたいことだけれど

 3月議会に提出される議案の説明がありました。特に人件費の削減では議員から市長など特別職に職員も、そして職員については通勤手当の支給方法の見直しもあります。これらはすべて条例で規定されているので条例改正が提案されます。
 今回は補正予算も組まれています。来年度はさらに厳しい財政状況になる予測です。来年度予算に向けて財源を用意する意味で基金の取り崩しを行います。そして年度末を迎え計数整理をしたりという部分で最終的に補正額は△358,584千円で最終的に一般会計は45,816,678千円となります。
 とりわけ注文をつけることはありませんが、私は新たな国や都の補助が気になりました。国からは「eまちづくり交付金」の1千万円、都からは「市町村まちづくりチャレンジ事業交付金」の3千万円です。もちろん補助を受けることはありがたいことですが、私は補助を受ければそれだけ分の効果があがるのかどうかを見極めたのかどうかを知りたかったのです。特に都からの交付金は地域の発展、個性、独自性や先駆性を考慮された結果いただけるものです。その充当先が、環境基本計画の推進、近隣センター活性化、多摩センター活性化、住宅アドバイザー派遣、温水プールの立体駐車場だそうで、私はこれらが全て東京都の「まちづくりチャレンジ」の意図するものに当てはまるとは思えなかったからです。産業には活力、自然歴史など魅力、NPOや大学、企業などの連携の仕組みという大まかには3つの観点があるようですが、東京都がどう判断をしてこれらの事業に補助するのかが全く理解できないのです。
 私は「もらえるものはもらえる」という発想を変えていかなくてはならないと思います。「もらえなくても」できるように考えることが重要です。もちろんお金がないとできないこともあります。ハードの部分、例えば道路事業など建設部門ではそうだと思います。でも環境基本計画の推進を市民協働で進めていくこと、これまでもずっと市民協働で推進してきた状況は変わらないわけで、新たに財源に余裕が出たところで、一体何をするのかがまったくわかりません。これまでと同じようにしか進まないなら、補助をいただかなくてもいいわけです。新しく市民協働を進めるために斬新的なことをやるのなら、そしてそれにどうしても経費がかかるならば補助金を申請することも必要でしょう。でもそうでないならばもらう必要がなさそうです。近隣センター活性化にしても、これまで何度もトライしては失敗をしている部分もあります。今度は何をトライしようとしているのでしょうか?これまでと変わらない事業しかしないなら、せっかくの「まちづくりチャレンジ」にならないと思います。私は「補助金ありき」の発想が見え隠れしている気がしてなりません。
 例え、直接的に市のお財布を傷つけなかったとしても、国、都からの補助もまわりまわって、めぐりめぐった私たちの税金です。やはり大事に使ってもらいたいと思います。しかも他の自治体はもらえなかったかもしれない補助をいただいているわけです。多摩市の提案がどれほど他の自治体よりも優れていて、その必要性が認められたのかはわかりません。でもこうやって補助をしてもらうなら、やはりそれだけの効果をあげなくては周りの自治体にも申し訳ないと思うのです。多摩市が行なう「eまちづくり」そして「まちづくりチャレンジ」が他の自治体の提案とどこが違っていたのかについてやはりきちんと説明をする責任があると思います。この補助金を使った結果が重要です。国でも都でも大赤字です。私は自分のところだけ、自分の‘まち’だけが良ければいいという発想を捨てる必要があると思います。どこに多摩市の独自性があったのか知りたいです。もしかすると多摩市でないところに補助した方がよりよい効果をあげられるのかもしれません、そのことは結果を見なくてはわからないのですが。でも、少なくとも結果を出すためにどうするのか?という青写真はあると思います。そこに期待されているからこその補助だからです。
 「もらえて」ラッキーではなく「もらえなくても」できるようにならなくては‘まちづくり’は続いていかないと思います。「もらえなくても」やろうという意欲があるのかどうか、その時どうするのか?これが‘まちづくり’を左右します。今回充当される先のさまざまな事業は補助金があるからこそやるのでしょうか?補助金がなくても何とかのりきれたのでしょうか?補助がなければ「やらない」のか「できない」のか・・・という事業ごとの見極めも重要だと思いますが、いづれにしても補助をいただいたことのありがたみを‘まちづくり’に活かさなくてはならないと思います。

投稿者 hisaka : 2003年02月17日

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