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2003年01月19日

これからの夢の創り方

 久しぶりに手をつなぐ親の会の会員の方たちにお会いしました。障がい者の支援費制度が始まることにはかなりの不安があるようです。始まってみないとわからないというのもある一面で、先日もホームヘルプサービスの利用時間に上限を設けるという厚生労働省の意向が示されていました。これでは介護保険制度でも同様ですが、「何かの時のために・・・・」として本当は使用したくても、予備時間としてわざと余らせるような事態も当然起こるでしょう。そのときの負担は本人と支える家族に重くのしかかるに違いありません。財政事情を考えると私も上限を決めたくなる役人の気持ちも理解できないわけでもありませんが、本当に必要な部分に今の税金が使われているかを考えた時には、私はどうも適正に国の予算が配分されているようには感じられません。
 そのときには国の言い分として「国としては上限を決めるが、結局は市町村が主体になるわけで、上限を超えた部分は市町村が補填しろ!」ということになるのでしょう。あんまりな話しだと思います。介護保険でも同様な状況があると思います。本当に中央にとって都合のいい「地方分権」です。最悪です。
 と言いながらもどうにかして、この状況を打破できるように今から備える必要があると考えています。私は一番必要なのは私たち自身も自立していくことだと思っています。「地域での支えあいの仕組みを作る」つまり地域の自立です。この時の地域というのは歩ける範囲を想定しています。だから私は地域が自立できる状況になった時、速やかにそれを支えていけるような行政のあり方が望まれると思っています。だから自治基本条例を策定する必要性を感じるのです。
 今、ボランティアやNPOを担っている世代は40代後半ぐらいからです。バブル世代の30代くらいの人は気持ちはあってもなかなか参加する心の余裕がない人も多いのかもしれません。でも私自身はバブル世代の人たちはおそらく学生時代にもそれほどにボランティアなどに関わってきた人は少ないように感じています。それに比べて、私の世代はちょうどNPOやボランティアが台頭してきた時期で、不況にさらされた就職難という壁にぶち当ったことがある意味で幸運だったのでしょうか?NPOやボランティアは当然のことで、それに対する理解も深いように思います。実際に学生時代に関わったNPOにそのまま従事する人もいるくらいだからです。
 要するに私は、私たちが30代になった時の地域の在り方に期待をしているのです。30代というのは体力や気力的もちょうどいい年代だと言われているからです。つまり私は自分たち世代の10年後を見た時にはNPOやボランティアが世代ごとで分断されることなく、次の世代へと流れをつないでいける気がするのです。私の周りにも30代にさしかかりそうなNPOやボランティア活動家がいます。そういう人たちに今後の地域は支えられていくのだと思います。今やNPOなどは学生にとっては一目置かれる存在でも在ります。そのときの社会に地域にどんな夢を託せばいいのでしょう?私はそれを今のうちからしっかりとビジョンを築く必要があると思っています。
 実は「今の子供たちには夢がない・・・」とある方に言われました。その方のお孫さんは小学生だそうですが、孫でさえも「地球温暖化を悲観しているのよ。」と言うのです。石油を使うことは彼女の時代には美しいお洋服に変わり、美しい商品になりという時代だったから次々と夢が膨らんでいったけれど、これからの時代にはそんなことあり得ないのもの・・・・と彼女自身も悲観していました。「本当に今の子どもたちはかわいそうよ。」と繰返し強調をしてました。確かにそうかもしれません。自分たちが当然と思っている生活様式によって蝕まれていく部分がものすごく多くあります。それを子ども時代から認識することの酷というのはあるでしょう。
 でも私は、それも現実として受けとめるからこそ、その次に見えてくること、考えなくてはならないことがあると思います。そこにどんな夢を描いていけるのかだと。でもその夢の創り方がものすごく一筋縄ではいかないのでしょう。もちろん私自身も同様です。
 これからのまちづくりのビジョンは私一人では描ききれないと思います。だから私は人と出会いたいです。そして子どもたちとともに未来の地域について語り合いたいです。

投稿者 hisaka : 2003年01月19日

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