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2003年01月09日

代理人運動の原点

 議員を「代理人」として位置づける生活者ネットワークの運動ですが、そもそもの原点は生活クラブ生協にあります。協同組合の発想から生まれています。
 午前中に南多摩生活クラブ生協との政策協定のつどいがありました。生活クラブ生協も3年前から体制が変わったとのことですが、南多摩としての政策3本柱、さらに地域単位の重点政策が示されました。南多摩生活クラブは①学校給食の食品安全基準を自治体ごとにつくる②循環型社会を目指し、ごみ削減に取組む③子どもの権利が大切にされるまちをつくるの3つ、多摩市としては生協運動の原点として最重点課題『食の安全』を掲げました。
 生活クラブ生協では「まちづくり委員会」が地域ごとにあります。この委員会では‘まち’(自治体ごと)の組合員の声を聞きながら、商品の品質や新しい商品開発の提案、組合員の拡大などを行なっています。そしてまちづくり委員会とは別のプロジェクトも組織し、調査活動などをしています。学校給食問題連絡会では南多摩地区の自治体全ての学校給食の実態を調べ、3R推進プロジェクトチームでは各自治体のごみ処理ルールや施設状況、身近な店舗のゴミ削減対策調査などを行なっています。そしてこどもの問題については子育て支援のプロジェクトを立ち上げています。とりわけ、何よりもまずは自らが「子どもの権利」を学ぶ必要があるとの認識から「子どもの権利はなぜ大切にされるべきか?」という連続の学習会を開催してきました。私も子どもの権利についての企画には参加してきましたが、かなり密度の濃い活動をしています。プロジェクトの報告書では組合員を通じた子育てに関するアンケート結果が載せられ、これは行政への提案活動をするための材料にもなるほどです。その活動は消費財を購入するだけの生協のイメージとは全く異なります。この任意で参加出来る3つのプロジェクトを根拠にして南多摩生活クラブ生協ではネットとの政策協定を結ぶのです。
 もちろん私も一応、組合員に加入していますが、生協の活動にまで積極的に参加をしているわけではありません。今日の生協の政策発表を聞いて、生活クラブ生協の運動論が『自治』から始まっていることを強く感じたのでした。『自治』というのは自分たちが自ら問題発見をし、問題解決のプロセスを編み出していくわけです。けれどもどんなにいい解決方法を見つけたとしても、時にそれは議会の決定がなくては進んでいかない、つまり生活と政治が密着していることに気がつきます。そこに代理人運動が存在し、自分達の『自治』における議会の存在を認識するわけです。
 でも、ほとんどの組合員はただ商品を購入するために生協を利用するのだと思います。もちろん私も客観的に見ればその一人です。議員になり9カ月、つまり代理人運動に関わり9カ月ですが、私の「代理人」という意識は薄く、代理人運動をしているという実感もあまりありません。私の生活クラブ生協の活動への関わり方の問題なのかもしれないし、代理人という存在自体をどのように社会と結びつけていいのかについての自分自身の解答がまだ見つけられていないのかもしれません。 
 いづれにしても代理人かもしれないけど私は「議員」でもあるわけで、実は代理人として「議員」の立場を与えられることの難しさってあるよなあと痛感したわけです。これまでは生協の活動やまちづくり委員会で積極的に活動をしていた人の中から「議員」を誕生させてきました。今日のつどいでも、日々の生協活動をしていた方が予定候補者となっていました。私のように全く関係のないところから代理人運動に参加していく人は稀なケースです。まだ、私自身でも消化しきれていない部分はあります。議員になって以来ずっと「代理人とは何か?」を考えているからです。それは頭の中では理解できても、実感としてわいていないからです。これは私の大きな課題として克服すべきことだと思っています。でも、政策協定のつどいに出席したことで少しだけ解決の糸口につながるものに出会ったような気がしました。

投稿者 hisaka : 2003年01月09日

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