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2002年12月28日

たった一人のためにでも

 今日はふらっとライブハウス永山福祉亭へ行きました。香りのいいコーヒーが売りですが、私はココアを注文しました。シャッター通りの危機に瀕する商店街の活性化につながって欲しいし、高齢化がどんどん進んでいる永山地区で高齢者が歩ける範囲のお洒落なお店にもなって欲しい、さらには地域の交流地点として場所の活用をしてもらいたいと考えてきました。
 この事業は3年間の期限つきで補助金をもらって行なっているものです。私はまだOLをしていた頃に地域で世代間交流を図ることが多摩ニュータウンを豊かにしていくと考えていました。その思いの丈を、NPOセンターに行き、ぶつけたところ紹介されたのが、この高齢者社会参加拡大事業でした。当時はOLをやっていたこともあり、夜間の会議に参加するだけで精一杯でした。けれども私の楽しみは、会議に出て地域の人たちや、特に地域のお年寄りの方と接することで、ここの会議で改めて「高齢者は知恵袋」であると痛感したのです。
 会議の中から生まれたのがライブハウス永山福祉亭構想と、高齢者いきいきまつり「グラン多摩フェスタ」です。この会議は福祉と文化の分野に分けられていました。私は自分が生かせるといえば演劇活動かなあと思っていたので文化部会に属し、いきいき祭を担当していました。
 話しを戻すと、ライブハウス永山福祉亭ではさまざまなイベントを試みています。囲碁、将棋教室、最近ではダーツもあり、沖縄料理、そば打ち、そして落語の会、シャンソンを聴く会などの催しがあります。かなり好評のようです。けれども重要なことは、この場所がイベントがない日常的にどんな風に地域に根づいてきているのかということです。もともとは高齢者社会参加拡大が目的で、元気な高齢者を地域にひっぱりだし、その知恵や知識を活用したいのです。つまり、ライブハウス永山福祉亭がそのためにどんな役割を果たせているかがポイントになります。
 永山商店街は本当に不便なところにあります。もともと団地内の商店街は地域の人たちしか対象にして造られていないので仕方ありませんが駅からも遠く、気にはなっても思いきらなくては足が向かない・・のが正直なところです。でも地域福祉ということを考えればライブハウス永山福祉亭が地域の人たちのモノになっていれば、十分に役目を果たせていることになります。
 集客力的にはいまいちな場所ですが、ようやくオープンしてから一年ほどになります。だんだんと地域にも知られるようになってきている感じがします。福祉亭の中の喫茶のマスターは私と同い年の青年です。彼も随分と慣れてきたみたいです。若いマスターがいることは世代間交流にもつながります。でも、まだまだ補助金を頼らず自立して経営出来るまでには至っていません。でも、私はこの場所が確実に広がっている気がします。というのは今日で見るのが3回目のおじいさんがいたからです。声をかけてみると「うん、ほとんど毎日来ているんだ」と言いました。「家の中にいるのも暗くなっちゃうから。」だそうです。私はこの言葉を聞いてうれしくなりました。ライブハウス永山福祉亭の第一段階の目標は達成されているからです。私はきっとこの場所には次の段階があって、それはおじいさんの得意なことやおじいさんの知恵を引き出して、何か地域に役立てることの出来る場所がないかどうかを一緒に検討してみるということです。これが出来れば、おじいさんの社会参加の場所が広がっていくわけです。おじいさんの楽しい、面白い、もっと地域に出ていきたい!という気持ちを後押しできるのがこの場所だと思っています。
 そのことから考えてみれば、まだまだライブハウス永山福祉亭もやるべき課題が少なくありません。私はこの場所で地域の人財コーディネートを担えることが目標だと思っています。地域の人の発掘をし、地域活性化に一役かってもらわなくてはなりません。ここには潜在的にさまざまな経験を持った人がいるはずです。なぜならニュータウンというのはいろんな地域から人が集まって暮らしている場所だからです。
 今日、出会ったおじいさんの笑顔はライブハウス永山福祉亭に来て、さらにパワーアップしたのでしょうか?私はよくわからないけれど、実際のところどうなのでしょう?おじいさんにとって、お客さんだけの場所じゃなく、気持ちが前向きに明るくなれるような場所になってもらいたいと思っています。一人、また一人と地域の笑顔を増やしていくことで、きっとここが地域にしっかりと根づいた場所につながるはずです。そのためにはまだまだ時間がかかりそうですが、そのことを恐れるのではなく、地道に続けていくことの効果を信じて進めて欲しいと考えています。
 帰り道、私は独り暮らしの高齢者たちがどんなお正月を迎えているのかなあと想像をしながら、『みんなで迎えるお正月』が出来る場所もあればいいなあと思いました。

投稿者 hisaka : 2002年12月28日

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