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2002年12月17日

議会として考えた今後の未利用地

 未利用地等検討特別委員会も4回目の開催です。特別委員会の設置当初に12月までにニュータウン地域の未利用地についての検討をして、来月からは学校跡地の活用などについての検討をするスケジュールを決めていたので、今日の委員会では未利用地に対しての議会の見解をまとめることになりました。委員会の報告は3月なので、それに向けてのまとめをしました。良くも悪くも委員長が叩き台を作成してくれたので、それを元に議論することができ、意外にもスムーズに会議は進行しました。ただ、叩き台があるというのはメリットがある一方でデメリットもあることを感じました。なぜかというと、「そもそもどんな報告をするべきか」という議論が抜け落ちてしまうからです。本当は民主的に進めるとしたら報告書の枠組から議論をした方がいいと思いますが、そうすると時間的な効率は悪くなるのは目に見えています。もちろん叩き台は案なのでいくらでも修正の余地はあるわけですが、前回の委員会のなかでだいたいの報告書のフレームを決めていた方がよかったのではないかという気がしました。民主的に進めるのにはものすごく時間がかかることですが、どんなタイミングで合意を図っていくか、そのプロセスをきっちり押さなくてはならないと思うからです。
 さて、未利用地の問題には多摩センター駅前の活性化が大きく絡んでいます。というのもセンター駅前地区にはたくさんの未利用地があり、これを活用して‘まち’そのものの魅力を高めていきたいからです。多摩センターはそごうデパートが撤退し、カリヨン館にあったミニシアターもなくなり、周辺の南大沢や新百合ヶ丘、立川などに人が流れていってるのが現状で、めっきり集客力が低下しています。さらに、商業ベースではなく住宅に目を向けても、若葉台などのニュータウンとして現在開発が進行中のところへの人の移動もあります。つまり多摩ニュータウンは過疎化を辿っているのです。そこで、やはり周辺地域との競争力をつけていかなくてはなりません。これを「都市間競争」と言うそうですが、商業地域としても住宅地域としても魅力のある‘都市’をつくることが多摩市の大きな課題なのです。
 話しは変わりますが‘住む’ところとしての魅力を高めるためには、教育環境や福祉の環境などももちろん高水準に保つことが求められますが、それ以上に‘まち’の魅力を高めるためには、やはり住んでいる市民自身が‘まち’に対してどれだけの思いを持って、行動出来るかだと考えています。なぜなら、「ここにずっと住みつづけたい。」人がたくさんいることが‘まち’を活性化させるからです。
 「都市間競争」という言葉が報告書に掲載する文言としてふさわしいのかどうかの議論になりました。これには「どうして、こんなことが議論になるのかしら?」と私自身は不思議でした。地方分権時代にはいい意味で「都市間競争」が行なわれて、各自治体が切磋琢磨するほうがいいに決まっているからです。語感というか言葉に対するイメージを一致させることの難しさも感じました。
 報告書としては今後の課題と基本方針の東京都と公団に対してニュータウン事業を収束するにしてもソフトランディングできるような誠意ある対応をしてもらいたいことを議会として強く求めていく姿勢を打ち出すことが最も重要です。その認識は全委員の一致する見解でした。
 私自身は東京都や国に求めていく一方で、私が議会として市民とどんな‘まちづくり’をしていきたいか・・・という方針も打ち出したいと考えていました。まさに未利用地問題は私たち市民の‘まちづくり’の問題だからです。公団や東京都が一方的な土地処分を行ない、乱開発が進む恐れがあります。そして、地域エゴや住民エゴという言葉で片付けられるのかもしれませんが、未利用地処分の中で起こる住民とのトラブルはやはり避けたいものです。そのためには情報公開や市民参加を位置付ける必要があります。私自身は要綱行政の限界もあるので住民の参加を位置づけた「まちづくり条例等としての制度化を図る」として具体的な明示をしてもらいたかったのですが、「まちづくり条例なんていらないし、反対」という委員がいたので、これは叶いませんでした。そのかわり、公団の土地処分や事業者の開発には「市民の声を反映させるルールづくりをしていく」として盛りこんでもらえることになりました。
 この委員会にいて一番感じるのは、これまでの私がいかに狭いコミュニティにいたかということです。類は友を呼ぶ・・・と言いますが、「市民参加」に真っ向から反対する考えを持っている人はあまり周辺に集まってなかった気がします。そういう意味で、全く価値観が異なるをモロに体験できる議会の場というのは疲れるけれど面白いです。もちろん社会に出れば、特に会社などでも色々な価値観を持った人がいるわけですが、目的がハッキリしている分、あたりさわりない付き合いをすれば足りる部分があります。けれども議会は違います。あたりさわりない付き合いでは通用しません。なぜなら意見はきちんと主張しなければ自分自身の描いている‘まち’の未来に近づけないからです。
 とはいうものの、まだまだ萎縮しちゃうような面もあり、もっと心臓を鍛えなくてはならないと感じる今日この頃です。遠慮しないで、もっともっとずうずうしくなれ!というアドバイスを方々からもらうわけですが、なかなかこれは難しいことです。 

投稿者 hisaka : 2002年12月17日

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