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2002年11月29日

地域を支えていくアイデア

 すっかり風邪をひいて咳が止まらない。ちょっと活動は自粛だけれど、これだけはどうしても・・・・とばかりに午前中にライブハウス永山福祉亭に出かけました。
 ここは高齢者社会参加拡大事業の一環で解説された「人と人との出会いの場所」いわばフリースペースのようなところです。ライブハウスというので音楽のほうと間違えられ、スタジオのことと勘違いされることもありますが、音楽スタジオならおそらく「ライヴ」だと思います。
 福祉亭は永山商店街の空き店舗を利用しています。公団が家賃を軽減してくれています。もちろん目的が「公共」であるからですが、その分、この場所を地域の発信拠点にあるようにしていく必要があります。同じ商店街には決して安くない家賃で店舗を借りて経営し、団地内の近隣センターとして厳しい経営を迫られているところもあります。単純に比較することは出来ないけれど、福祉亭が商店街活性化へとつながることも、高齢者の社会参加と合わせての使命かなと私は勝手に思っています。
 ところでこの福祉亭にはお洒落な喫茶店「カフェノード」があります。そしてギャラリーとしての使用も可能です。私の今日の目的はギャラリーで展示されている「さをり織」でした。このさをり織を展示の主催者はどんぐりパンという障がい者の作業所でした。昨日からの3日間開催されるということで以前からお誘いを受けていたので、足を運んでみました。店内にはとても素敵な洋服やかばん、ぼうしなどが飾られていました。福祉亭の間接照明にぴったりで、暖かな雰囲気のなかで、色とりどりのさをりの作品が映えています。
 作品の展示を見に来た方がたくさんいらっしゃいましたが、聞くこところだと、昨日の初日はもっと人が多く、そしてあっという間に作品が売れてしまったとのことでした。お一人で十万円分くらい購入されたひともあるとか。デパートなどで購入する半額以下なので、たくさん買われる方の気持ちもわかります。
 さをり織自体は障がい者が、それを加工するのはボランティアさんたちだそうです。2年間分を今回展示したそうですが、織るのにも時間がかかり、なかなか作品がたまらない・・・と言っていました。そしてなるべく「売らない」ようにしているそうです。ひとつの作品しかなければ周りとの比較も出来なくて、なかなかいくらの値段をつけるのがいいか迷うそうですが、たくさんの作品があれば他との比較もしながら、ちょうどいい具合の値段設定が出来るからです。
 どんぐりパンの方は今回、福祉亭で展示が出来てよろこんでいらしゃいました。ギャラリーの賃料の相場を考えると福祉亭は一日5000円なので安いからです。公共施設では即売はできなので、こういう施設は貴重だと言います。そして福祉亭にとっても今回の展示によって、ここの場所を知ってくれる人を増やせたという大きな効果がありました。双方にとってメリットが生まれる、両者が笑顔になれるような関係があることは見ているほうもうれしくなります。
 でも、実は地域を支えていくアイデアってものすごく難しいと思います。福祉亭を見ていると高齢者の方も以前よりは多く足を運んでくれているようです。今日も新たにはじめて来たというお客さんがいました。彼は市内で勉強会を開いているそうですが、その定例会をぜひ福祉亭でやったらどうかと考えているようでした。ただ、今日はお客さんの出入りでバタバタしていたこともあり、「こんな状態じゃあ、、、無理だなあ。」とぽつりと言うので、私は一応フォローしておきました。ここに福祉亭の問題点を発見したのですが、喫茶店のカフェノード部分が忙しくなると店員がそれに負われてしまって、せっかく来てくれたお客さんとのコミュニケーションがとれていないのです。今回ももし、私がフォローできなかったら、彼はがっかりして帰路についたかもしれません。たまたま私が「はじめていらしたんですか?」と声をかけたことで会話が生まれたからでした。
 私はさをり織りのめがねケースを購入しました。本当は小さめのポーチが欲しかったのですが、すでに昨日で完売したそうです。残念。帰り道、福祉亭ばかりがにぎわっていてもつまらない、福祉亭と商店街そのものが元気になれるようなアイデアを見つけたいなと思いました。

投稿者 hisaka : 2002年11月29日

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