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2002年11月26日

代理人運動を考えながら

  生活クラブ生協は地域ごとに‘まち経営委員会’というのを設置しています。午前中は‘まち多摩’(まち経営委員会・多摩市)に参加してきました。メンバーは生協の組合員5名と職員、理事の構成で、毎月一度の会議では組合員獲得に向けた拡大活動の企画や、商品企画、生活クラブ生協自身のあり方などを話し合っています。
 生活者ネットワークは生活クラブ生協を母体としています。生協は政治団体にはなれないので、生活クラブ生協の組合員たちが自分たちの生活の中からの実感からの政策提案をするために生まれました。食の安全から始まり、環境問題など身近な生活課題を解決するためには政治の場に直接自分たちの思いを提案する人を議会に送りこむ・・・・つまり議員は自分たちの‘代理人’という位置づけで政治への関わってきた経緯があります。けれども生活クラブ生協の組合員=ネットの会員ではありません。緩やかに結びつき、互いに協力し合う関係で存在しています。生活クラブ運動グループを形成して、ネットは生活クラブと政策協定を結んでいます。
 ネットが発足した当時は生活クラブとの関係も言わば‘がちがち’の状態であったことは当然ですが、今はその運動形態も時代と共に変化をしてきました。ネット自身が政治団体として一般に認知度があがってきたことや、他団体とのつながりも出てきたこともあり、例えば私のように生活クラブ生協に加入していない立場の代理人が誕生するようになりました。本当は生協組合員の中から代理人が出てくることが望ましいのかもしれませんが、必ずしも組合員というわけではなく、代理人運動への理解を前提にして‘議員’を創り出すことが筋違いとも言えないでしょう。
 とは言っても、日常生活の中で生活クラブ生協の運営委員会の方たちや組合員との接点はなかなか持てずにいるのが実情で、まち多摩の会議に関すれば、前回出たのは選挙の最中に挨拶をするため・・。そういう意味でも最近「代理人運動って何なのか?」を考えています。自分自身が生活クラブへの関わりが薄いことへの反省も含めて、今日の会議のなかでどんな風に連携を取りながら活動が出来るのかについて少しディスカッションをしました。
 すると代理人運動のあり方はもちろんだけれども、生活クラブ生協自体の様相も随分と変わってきて、これをどう建て直していくのかも課題だという発言が出されました。今では「利用者」としての組合員がほとんどで、昔のように利用者=生産者、つまり自分たちの欲しい消費財を作りだし、それを責任を持って購入するような構図がほとんど完成型に近くなり、新規加入の組合員のほとんどは自分たちが共同購入する責任をあまり理解していない「利用者だけ」の立場だというわけです。さらには昔のように班単位ではなく、現代のライフスタイルに合わせて戸別配送システムも導入したことにより、組合員の顔が見えにくくなっているのです。
 そして多摩市では特にその傾向が強く、他地域では組合員向けの様々な企画にわりと大勢の人が集まるようですが、多摩市ではモトモト市民活動が活発なこともあり、生活クラブを媒体としなくても人と人とのつながりを作りやすい環境があるのではないかという指摘がされました。
 私は代理人運動のこと以上に、生活クラブ生協の変容から分析した多摩市の状況に非常に興味を持ちました。なるほど、ニュータウンが出来た当初はまだまだ生協を媒介としたつながりによる人との出会いや交流の必要性が高かったかもしれないけれど、多摩市のようにこれだけ趣味のサークルなどが活躍しているところで、わざわざ生活クラブの催しに出ずしても事足りるってわけなのね・・・・と思ったのです。
 代理人運動を考えたいなあというヒョンなところから、思わぬところに議論が展開しとても有意義な会議でした。そして午後は南多摩生活クラブ生協の子育てプロジェクトのまとめの報告会に参加し、地域協議会にも飛び入り参加することが出来ました。
 時に代理人って一体どんな立場をとりながら活動をすれば良いのかわからなくて悩む時もありますが、生活クラブの組合員の活動に触れることで、何となく掴めるような掴めないような・・・試行錯誤でやるしかないのかな・・・というのが結論です。
 理念はわかっても実際に行動をすることの難しさを感じている今日この頃なのです。

投稿者 hisaka : 2002年11月26日

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