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2002年11月16日

自分たちでやっていく

  グラン多摩フェスタの1日目。私は地域に学生が関わってくれることがとてもうれしい。国士舘大学の時本研究室がボランティアスタッフとして力を貸してくれていますが、今日は私が誘っていた多摩大学の学生と地元育ち2名もスタッフとして加わりました。なにせ市民の手づくり・・・その裏側では高齢福祉課と永山公民館の職員の多大な協力があるわけですが・・・で段取りが悪く、そして午前中は近隣小学校の展覧会、学芸会などの催しもあり、なかなか人の出足が思わしくなく、ボランティアとして人集めはしたものの、かえって迷惑をかけてしまったような気がしていました。
 ところが「とてもいい経験が出来た。」「おもしろかった。」「ボランティアと言うよりもむしろ自分自身も楽しんじゃった。」という感想をもらいました。お世辞ではなくて「初めての体験だったのでおもしろい。」こんな風に言ってもらえてホッとしました。彼らは祭に加わったことで見ることが出来た地域の人の顔、どんな感じを受けたのかについて今度ゆっくりと話をしたいです。
 実は今日は午後から、日野市のまちづくりフォーラム・ひのから市民自治基本条例のことを知りたいとの依頼があり、話をしにいきました。このグループは、「市民版/日野まちづくりマスタープラン」の策定に取組んだ人たちによって設立されています。毎月1回「まちづくり交差点」という勉強会を開催しながら、特定分野にこだわることなく様々な観点から日野市のまちづくりを考えているそうです。
 今日は私が問題提起者として招かれましたが、私を含めて5名の勉強会はとてもアットホームでした。私は「市民自治基本条例」の勉強会はこじんまりと小さなグループでやるほうがいいと思っています。その方が参加している人たち全員の意見交換ができるからです。この条例の意味や異議をみんなで共有していく作業はやはり小人数が適しています。
 そもそも地域性があるので日野市と多摩市の状況は違うけれど、私自身が条例づくりの策定過程で感じてきたことを中心に話をしました。そして私が議員になってみて「やっぱり条例が必要だ。」と思った理由として、「職員の裁量によって市民参加度合いが左右されることの解消」があることを強調しました。それから市民運動、住民運動的なものは個別テーマがあり、運動も分野後とにセクト化している状況があるけれど、この条例を策定していく過程ではその壁も崩していけることを付け加えました。だから自治条例の策定はワークショップ形式で、参加した市民同士が自ら意見調整、譲歩し合うような能力を磨く場所にしてもらうことが大切だとの見解を話しました。
 普通は市民案など条文を見ながらの説明をした方が親切なのかもしれませんが、条文そのものに盛りこむ内容自体が市民間で議論されて決まるものなので、あえて条文を持っていきませんでした。「参考になるようで参考にはならないし、参考にしないで作ってもらいたいと思う。」と一言断りました。
 今、私は市民自治基本条例のことについて一つ大きな不安があります。それはこれが制定されてしまったら一体どうするの?私たち・・・という疑問です。これは市民自身も市民としての責任を自覚しなくては動いていかない条例だからです。・・・・と諸々のことを話した結果「自治条例を策定する難しさを再確認した」という感想をもらいました。
 私はその難しさを確認しながら策定作業を進めて欲しいと思っています。何となく地方分権に変わってきて、自治基本条例の動きが広まってきたから自分の地域でも策定しなくては・・・と動き出すのではなく、実際にこの条例が出来てどうするの?何が出来るの?何がしたいの?という問いを持ちながら、条例制定後のことをイメージすることがとても大切です。せっかく作った条例を単なるアクセサリーにするのではなく、本当の意味での市民のツールにすることは思っている以上に難しいことなのです。
 さらに今日は、NPO法人Rights主催の国際シンポジウムに招かれたスウェーデンのキラさんという9月の市議会議員選挙で当選したと言う20歳の女性と軽く対談をしました。彼女からは「雪だるま式に若い人の参加を増やしていけるように、ちょっとずつ頑張りましょう!」というエールをもらいました。私が選挙に出たからと言って若い人の投票率が上がるわけではない・・・という私の大きな課題を彼女は力強く「これからなんだから」と背中を押してくれたのでした。新しい同士との出会いにうれしく思いました。

投稿者 hisaka : 2002年11月16日

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