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2002年11月14日

福祉オンブズマンシンポジウム

 午前中には明後日に開催されるグラン多摩フェスタの準備のため、南落合複合施設の清掃を手伝いました。といってもほとんど出る幕もなく、せっせと手際良くモップやほうき、雑巾を手にした市民の方が動いてくれます。そのパワーはすごいです。清掃委託業者以上の働きっぷりです。
 午後から福祉オンブズマンシンポジウムに行きました。会場のパルテノン多摩小ホールにはNPO関係者などを中心として市の職員も集まり、わりと盛況に開催されました。福祉オンブズマンはまだ設置されてから日が浅く、認知度もそれほどないのが現状です。まずは、介護保険制度が始まり、福祉の在り方が措置から契約へと変わる中では、やはりオンブズマンのような中立公平な苦情処理機関は必要です。来年の4月からは支援費制度がスタートしますが、これにおいても同様です。
 前にも書いたことがあると思いますが、多摩市の福祉オンブズマンの特徴は行政のみならず、行政と協定を結んだ民間事業者についても苦情申立てができるところです。これが画期的なので全国的にも先進事例として取り上げているのです。
 とはいうものの、まだまだオンブズマンが処理するになじむような苦情は少ないようです。小さな相談などの受付もするようで、結構煩雑に対応に負われているような印象です。今年に入ってからは苦情件数が大幅に増加しているので、オンブズマンの存在が少しは浸透してきているように感じているようでしたが、それでも実は見えないところに、いわゆる「声なき声」があるという問題意識で仕事に取り組んでいるようでした。
 このシンポジウムはオカリナ演奏、弁護士の基調講演、オンブズマンがコーディネーターで市民代表(身体障がい者)、ケアマネージャー、事業者、NPO代表のパネルディスカッションという構成で、とても盛りだくさんでした。パネルディスカッションではそれぞれの立場から、さまざまな意見が出されたものの、その意見を議論する場がなく残念でした。オンブズマンの役割は何となくわかったけれど、例えば役所の相談窓口とどう違うのか?とか利用する人にとってみればオンブズマンでも役所でも相談窓口としては同じだからこそ、「オンブズマンが処理するに適さない」苦情が寄せられているわけで、本当にその相違が明らかになれば面白いし、オンブズマンが今、現在で感じている多摩市の状況なども語ってもらいたかった気がしました。
 最後に、会場からの質疑がありました。その中に「行政が指名したオンブズマンが本当に中立性を保てるのか?」という問いがありました。これについても明確な回答がなく、会場からの一瞬の笑いの渦で消え去ってしまいました。残念でした。
 私はオンブズマンの姿が全然見えないし、私自身もオンブズマンの方々を初めて拝見しました。二人のオンブズマンがいますが、二人とも女性です。私は、そこに結構不満を持っています。なぜ二人とも女性なのでしょうか?なんとなく、せっかく二人そろえるなら男女一人ずつのほうがバランスがいい気がしています。女性のほうが福祉オンブズマンの仕事をするにふさわしいなんて判断はおそらくないと思いますが。
 行政自身もオンブズマンをどう活用していきたいのか?そして何を実現しようとしているのか?ただ苦情処理をして欲しいだけに存在するならば必要がないと思っています。もっと明確に打ち出してPRすることで、オンブマンの存在を確固たるものとし、オンブズマンの重要性がますます増していくでしょう。
 まだまだ発展途上にあるなあというのが個人的な感想です。

投稿者 hisaka : 2002年11月14日

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