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2002年11月06日

市民パワーを活かさなくちゃ!

 今日は一日中とても楽しく過ごしました。日中は高齢者社会参加拡大事業の一環として映画『ホーム・スイートホーム』の上映会のお手伝い、夜は多摩第一小学校の建替えワークショップに参加しました。
 映画の上映は午前中は関戸公民館、午後は永山公民館で行いました。実は映画とともに「お話の会」と称して、介護体験者、ケアマネージャー、介護事業者、保健師さんをパネリストとしたちょっとしたシンポジウムも開催しました。全部で3時間半(映画上映含む)はかなり長丁場でかなり疲れるわけですが、非常に充実したものだったと思います。前半に映画の上映をしたので、途中の休憩時間で観客が退場してしまうという残念さもありましたが、午前も午後も全部で130名弱が会場まで足を運んでくださり、会場はほぼ満席でした。特に、高齢者が中心でしたが、このように集まってくださる気力や体力があることに私はとてもうれしく思いました。そして鑑賞後に、言葉はないけれどていねいにお辞儀をしてそれぞれ、帰っていく後姿が印象的です。背中が曲がっている人や、杖の人、ゆっくりゆっくり歩いていく高齢者を見ていて、それぞれにこの映画の受け止めかたがあったのだろうと思いました。映画は高齢者介護問題から始まり、それを起因とした家族崩壊の現実なども淡々と描いていました。この映画を見ながら、私自身はグループホームという住まいの良さをを改めて感じました。
 チケットづくり、チラシづくりなど不手際もありながら、担当職員に助けてもらいながらこの映画上映とお話の会を成功できました。在宅福祉課が所管の事業ですが、公民館の職員が非常に協力的だったことも一因です。
 さて第一小学校の建替えワークショップですが、これには私も傍聴ではなくメンバーに入れてもらい参加することにしました。ようやく小学校教員たちが先日の職員会議のあとに建替えを検討するこじんまりとしたワークショップを開いたようで、その時の様子が公表されました。あわせて、相模原市立夢の丘小学校の写真を見ました。今度の21日に学校職員から5人、PTAから5人、そしてワークショップメンバーの総勢30名弱で見学に行くのですが、それに先立って、職員が見に行ってきたというまさに「夢のような」小学校の写真です。太陽光パネル、屋上緑化はもちろん、低層で木造づくり、中庭はもちろん、オープンスペースにランチルーム、体育館も広々としています。次々とスクリーンに映し出される写真にため息がもれました。
 注目すべきはプールがないということ。近くの公立の地区プールにバスを借りきって授業をしにいくそうです。これでかなり水も節約になると説明があったそうですが、まさにその通りで施設の有効利用の観点からは画期的なことです。「これまで学校にはプールがあるものだと思っていた」というメンバーからの発言もありましたが、私たちは知らず知らずのうちに固定観念ができているなと思いました。多摩第一小学校の場合も例えば、隣の多摩中学校のプールを使用するなんてこともできるのかもしれません。
 ワークショップのメンバーの方向性としては「新しい学校のありかた」、つまりこれまでのような教育施設ではなく地域の拠点ともなりうるような場所にして行きたいと考えているようです。地域開放を視野に入れた意見が次々と出ます。私個人的にも、地域に学校を開いていくことはとても大切ですが、今回のワークショップに参加した地域の方が、どこまで校舎完成後に学校に関わっていくのか?どのようなかたちで関わりを持とうとしているのか?というイメージをどこまで描いているのかにちょっと不安を持っています。
 住民がそれぞれの思いを持って校舎というハコモノをいくら立派に造ってみても、本当の意味でその中味をどこまで充実していけるかということです。そのために本来は、今の基本構想段階で現場の先生なども参加してもらい、住民と意見を交換することが大切なプロセスとしてあるのですが、まだ実現していないので心配です。例えば「職員室をガラス張りにしたい!」と住民が決めたとして、先生たちはそれには当然反対できないと思うのです。なぜなら住民はオープンで開放的な学校がいいと望んでいて、それには職員室のガラス張りが不可欠だと考えているからです。それに今回の小学校の建替えにあたっては、定員オーバー中の学童クラブの問題も視野に入れ、小学校の中に学童クラブを併設しなくてはならない・・・という状況になっています。ワークショップのメンバー、教職員チームの意見でも学童設置は強い意見としてあります。ところが現場の職員の方がいないと実情はわからないのです。というのも「職員室はひとつで、先生と学童クラブの先生が一緒に共存できるのか?」とか「学童クラブの教室は普通教室を使用してもいいのか?それとも別棟にしたほうがいいのか?という些細なようだけれども、現場に聞かないとわからないことがたくさんあるのです。そういう意味では市民の構想が固まらないうちに意見が欲しいところです。
 この建替えワークショップには若いお父さんたちが3人ほど参加していますが、彼らの力に今後期待したいです。なぜなら現役で第一小学校に通う生徒の親だからです。それから、このワークショップは今は担当職員にひっぱられる形で進んでいて、確かに、その職員の熱意はすごいわけですが、本当はもう少し市民がピリリとして職員のパワーに圧倒されないようにしたいものです。もちろん職員としては市民のパワーを活かそうと毎回、ワークショップを「楽しく」する工夫を凝らしているのですが、今だと職員にお任せ状態なので、ちょっと市民もがんばらなきゃ!と見ていて思います。
 そういう私も一市民なのですが、一応、地域外の枠で参加しているのでどこまで意見を言っていいのか悪いのかを躊躇してしまいます。なぜなら最終的には地域の学校になるわけで、地域の人たちの力が必要だからです。

投稿者 hisaka : 2002年11月06日

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