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2002年11月05日

恵泉女学園の太陽光パネル

 恵泉女学園の太陽光パネルを見学しました。大学では人間環境学科を設置したこともあり、自然エネルギーの活用には高い関心を寄せているようです。
 一番南側の校舎の屋根には全部で180枚のパネルがあるとの話でした。一日で30kW発電出来るシステムだそうですが、直流を交流に変更する際のロスをいれて約21.2kWを起電するそうです。年間では約3万kWを見こんでいます。担当の方の話では、気温が低くて晴れている方がよく発電出来るそうです。
 システム工事は昨年の8月から出、今年の4月から本格稼動しています。パネルは1枚が約15kgなので、大学の方は屋根の補強修繕工事も行ったそうです。パネルは3ブロックにわかれていて、どれか一つが故障しても大丈夫なようになっています。それぞれにパワーコンディショナーという調整装置がありますが、これは意外と小さめのサイズでびっくりしました。もっと大きな装置を想像していましたからです。だいたいの大きさは3つ重ねた高さが170cm、幅も約60cm弱、奥行き約約40㎝ほどです。とてもコンパクトでした。
 発電された電気は東京電力から購入する電気と合流させます。その時には接続箱があり、東京電力からの電気がシステムに逆流させないようにしてあります。天候によって発電量が左右されるため、接続箱がないと電気が逆流し、システムが故障するからです。
 このシステムは5年間のNEDOとの共同研究です。NEDOからはパネルの代金を半分負担してもらいました。それ以外の経費、例えば屋根の補強などには大学側の負担だとの話です。全部でいくらかかったのかについては「秘密・・・と言いつつもこっそりと約2688万」と教えてもらいました。20年くらい経たないと元手が取れないとの話です。けれども大学側はこのシステムの必要性に投資をしたそうです。もともと雨水利用システムの導入、小さな太陽光パネルにより時計を動かしたり、噴水ポンプの動力に使用してきた経緯はあります。さらにスクールバスも天然ガス自動車、ハイブリッド自動車を使用しています。天然ガス自動車の方はボンベが6つあり、クーラーを使用しないと約170㎞走るそうでした。タクシーの場合はプロパンガスを使用していて、バスで使用しているガスとはまた違うのだと運転手さんに教えてもらいました。
 さて、午前9時40分現在、気温16.4度、19.9kWの発電中でした。日射強度0.82です。今日の数字では石油代替量は18㍑の灯油缶で0.6缶、二酸化炭素の排出抑制では9.2キログラム、森林伐採阻止95.1㎡との表示が出ていました。まだ一年間たっていないので年間数字は出てこないものの、これを毎日のように集計して蓄積した最終的な結果が楽しみです。そしてそのデータをただ眺めるだけではなく、実感を持つためには、例えば森林伐採阻止の面積が一体どのくらいの広さなのかを見に行くことを取り入れると楽しそうだと思います。
 システムの管理は全てパソコンで行っています。数字の変化などはすべてパソコン画面上で見ることが出来ます。数字が微妙に増えたり減ったりするので、見ていて飽きないし、なぜ数値が変化するのかを考えるとそこには太陽のかげりだったり、気温の変化、風が吹いているとかさまざまな要因があるわけです。その分析も楽しいと思います。
 今、多摩第一小学校の建替えを検討していますが、その中でもやはり太陽光パネル導入の話が出ています。私は楽しんで地球環境を知るための教材としても、ぜひお奨めしたいと思います。

投稿者 hisaka : 2002年11月05日

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