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2002年11月02日

まちは友だち!

 多摩南生活クラブ生協まちづくり委員会が主催した学習会に参加しました。テーマは「子どもの声を生かすまちづくり」です。子どもの権利条例を制定したことでも有名な川崎市の職員の方による事例発表です。
 川崎市では「まちは友だち!」というオリジナルの副読本があります。これはまちづくり局と川崎市立小学校社会科教育研究会の合作です。まちづくり局側は小学校の授業見学へ行ったり、授業カリキュラムを学んだり、そして教員側は都市計画のちょっと専門的なことを知ってみたり、という交流会から始めたそうです。そして互いの共通理解を深めて出てきた結論こそが「まちづくりは人と地域のつながり」でした。そこで①まちづくりへの参加②地域への関心③ルールの発見をねらいとした教材づくりをしました。
 その副読本の中味はもちろんですが、職員が縦割りの壁を乗り越えた交流をしていることが注目すべきところで最大のポイントです。そしてこれは「まちづくり一万人運動」だというのです。川崎市では全小学校を合わせると一学年で約1000人いるので、この教材を小学校3年生で配布することを10年継続したら、一万人の手に「まちは友だち!」を広められるからです。
 教材の内容はまずは小学校3年生でまち探検から始まります。そして次の段階でまち調べ、これはいわゆる「調べ学習」の一貫として、最終的に6年生ではまちづくりゲームに到達します。この教材を使って、誰もが「まちの主人公」になることを実現するのです。課題はこの教材を使いこなせる教員の育成だと思って話を聞いていました。すると、もちろん教材を活用するための教員マニュアルも作成中とのことでした。
 まちづくりに子どもの参加がどこまで認められるのだろうか?子どもに何が出来るのか?もちろん指摘がなされるそうです。けれども子どもにも相応の権利、「ささやかな決定権」を与えなければ何もスタートしません。それはわかっていてもなかなか「子どもの権利」への理解が深まれないのが現実です。
 「権利ばかりを主張するなんてけしからん。だからむやみやたらに権利を認めることは出来ない。」との反対意見はあっても、子どもの権利自体がまだ確立していないので、権利確立⇒義務の確立⇒本当の子どもの権利・・・と変化を遂げていくだろうとの提示をもらいました。これには私も励まされた気がしました。というのも「若いのに何が出来る。」と批難も受けることが多々ある中で、若い議員としての役割とか義務について、今は私自身が発見している途中なのかもしれないし、その中で確立していけるものもあるんだなと勝手に勇気づけられたからです。
 そして「まちへの愛着」がまちづくりの原動力だと指摘されました。これについても私は共感します。私自身も愛着を考え始めてからまちづくりに関わったからです。まちづくりは時間のかかるもので、人とのネットワークの中で学びあいをすること、しかも粘り強いことが重要です。多摩市ではまだまだ「子どもの参加・参画」施策は未整理のままで確立しているとは言えません。これからどう進めていくのかが問われている時期です。川崎市のような積み重ねがないので、いきなり川崎方式で進むことは考えられません。けれども時間をかけることを恐れずにじっくりと取り組みたいと思っています。

投稿者 hisaka : 2002年11月02日

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