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2002年10月26日

当事者の声を聞くのが一番です!

 朝から諏訪中学校の合唱コンクールを見学しました。私は中学から女子のみに囲まれていたので、とても新鮮でした。特に一年生は男声のパートにまだ声変り途中なのか?声変りしていない生徒の声が甲高く混じっているのですが、それでも一生懸命に歌う姿には拍手でした。途中までしか見ることが出来ませんでしたが、学年が上がるほどやはり声量が増えるのか、歌声が大きくなっていました。
 保護者席で見ていた私にとって気になってのは、いわゆるちょっと不良少年と位置付けられる生徒のことでした。髪の色は金色でシャツもボタンを半分くらい開いている、かわいいツッパリ風の生徒でした。彼らは態度こそちょっとすねているのですが、一応、周りと同じように舞台に拍手を送るわけで、私はその姿を見てうれしくなりました。でも後ろ姿に感じられたのはあり余るパワーで、よっぽどその他のおとなしく席についている生徒の背中よりも力がみなぎっていると思いました。私がとても気になったのは彼らに対する先生の接し方でした。もちろん態度が良い訳ではありませんが、彼らなりには周りに迷惑をかけないようにとしていることは感じられます。ところがちょっと横を向いて、保護者席の方や周囲を見回そうとキョロキョロするだけで、先生が注意をして、おまけに頭つかんでを前のほうに向けようとする(力任せではありませんが)のを見受けられました。私はそんなことまでする必要ないのに・・・と思いました。ちゃんと席について、歌が終わると拍手もしているし、それで十分、彼らは責任を果たしているのになあと思ったからです。彼らの着席する周りに監視員のように先生が数人いたことも気になりました。残念ながら彼らの歌声を聞くことは出来ませんでしたが、公立中学校に初めて触れました。私はNHKの「中学生日記」という番組が大好きなので、ナマで公立中学校の雰囲気を感じられたことはうれしいことでした。

 午後は予定を変更して、移動困難者に対する移送サービスを提供している事業者たちの連絡会に参加しました。多摩市でサービスをしている「ゆづり葉」の理事長杉本さんより連絡をもらったからでした。
 多摩市では高齢化も進むし、ニュータウンの起伏の激しい地形、そして階段のない団地・・・・今後、移送サービスをどう展開していくかは課題です。それについて関心を持つ一人として、東京ハンディキャブ連絡会の地域懇談会が多摩市で開催されるということだったので、これは参加するしかないと思ったのです。地域懇談会は何とはじめての試みだったそうで、各地域でサービスを提供している事業者さんたちが集合して日常に抱える悩み、自分たちの工夫などの情報交換をしながら、地域間の連携を考えていこうとするものだったように思います。国分寺、日野、町田、横浜市青葉区、立川市、世田谷区と東京脊椎損傷者協会というグループの人たちがが集まりました。
 たくさんの課題がある中でもやはり一番は社会的信用をどのように獲得していくかということでした。国土交通省もようやく重い腰をあげて、ガイドライン作成をする方針ですが、移送サービスの事業者としてボランティアやNPO団体が認められるためには、安全の確保や利用者からの信頼度などを含めて、どれだけ地域で欠かせないものとなっているのか、地域に根づいているのかが問題になってきます。サービス事業者としてもっとPRをしていくことも必要だし、利用者一人一人にていねいな対応をしているという実績も大切、そして何よりもサービス提供者としてドライバーの研修も含めた育成体制などでも、社会的信用が得られるような努力をもっと積み重ねていこうという共通理解があったように思います。そして何よりも人件費は重要課題です。介護者を車に移動させるまで、例えばおんぶをしたり、抱きかかえたりすることも多いのですが、その時には若い労力が欲しいということです。でも現状ではほとんど若い人が従事出来る体制にはありません。若い力を移送サービスに取り込みたいという思いはあっても、今のようなすずめの涙ほどの賃金ではとうてい無理・・・というのが現実です。
 さて、国土交通省のガイドラインについて、その中味が一体どうなっているのか?という質問がありました。けれども今のところ、まだ内容が確定していないので公表されていないとのことです。意見では、なぜガイドライン作成について国交省がやってしまうのか?サービス提供者も含めて一緒に考えるべきではないか?というものがありました。私も賛成でした。
 概してNPOやボランティアグループというのも行政に対して、自分たちの結論が固まった段階で要望を行うわけですが、私自身は、例えばこういう地域懇談会などの場にもっと行政担当者の参加を呼びかけ、見てもらうことが一番だと考えています。結論が固まった上で・・・というのは最終段階ですが、本当はその結論がどんな議論の経緯のなかで決まってきたのか?それを行政に知らせていくことも大切なことだと思うからです。そういう意味では今回の地域懇談会はとても有意義でした。当事者の声を聞くことが一番です。結論を出すわけではなく、互いに情報交換をしながら迷いながら、解決策を見つけようとしている場面に出会うことの中から、私自身がどうやって彼らの活動をサポートしていけるのか考えられるからです。今日の私自身の結論としては、移送サービスの必要性を感じている人たち、移送の困難を覚える人たちの声を「ゆづり葉」に届けること、そして「ゆづり葉」というグループをPRすることが今出来ることかな・・・ということです。

投稿者 hisaka : 2002年10月26日

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