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2002年10月25日

地方議会の改革の視点?

 中央大学でお世話になったことのある江藤先生の講義にゲストで参加しました。先生は地方議会論という講座を担当しているそうです。先生の本拠地、山梨学院大学まで行ってきました。行きはバス、そして帰りは鈍行列車に揺られるという非常に楽しい旅でした。最高だったといえば、ちょっと田舎っぽい山梨学院大の最寄駅「酒折」。もちろん自動改札でもなければ駅員さんも立っていなくて、無人駅に近い雰囲気。おまけに駅のホームには高校生が地べたに座っている光景・・・ちょっと憧れの風景の中に自分までたたずんでいるなんて・・・うれしかったです。

 さて、肝心のゲスト出演してしまった講義ですが、学生約50人ほど+α(近隣の議員たちなど)の前で偉そうに「地方議会の実際と改革の視点」ということについて話しました。でも当然のことながら、私もまだ半年のキャリアで具体的かつ明確に話すことなんてできません。そこで・・・私が議会ってところに入った感想を中心にして、今、感じている矛盾点などを話しました。
 私が常に考えるのは「自分の足元」のことです。例えば行政に対して無駄が多いとか税金をもっと効率的に使うべきだ・・・とか議員として主張するわけですが、じゃあ・・・自分自身は議員として税金からお給料をいただいて、それを有効に活用しているのだろうか?そのことを点検できているのか?という問題提起をしました。そして行政に文句を言うことが多いけれど、決して行政がすべてを決定しているわけではなく、そこには必ず議会が関与しているということを言いました。要するに行政は議会で承認された事業について執行をしているわけです。ただその事業の執行方法に対して異議があったとしても、やはりそれを正していく一番の近道は議会です。もちろん市民の意見があってこそですが、最終的には「予算」のつけかたが問題になるわけで、それを決定するところが議会だということを市民は重視していないということを指摘しました。行政を変えるには議会を変えることが一番の近道であること、そして議会を変えたいなら市民自身も今、もう一度どうあるべきかを考え直すことが必要だということです。
 「地方議会の在り方を探る」というのが大きな講義のテーマでした。私はこれに対して「決して答えはひとつではない」と言いました。確かに透明性を高めるために情報公開をするとか、議員の任期を一定に決めるとか色々な提案があるかもしれません。でもどれが本当に好ましい在り方なのか?それについての正しい解答はないとも言えると思います。つまりその答えは市民一人一人の中にあるということです。地方議会がどうあって欲しいのかについて個々人が考えた時に初めて、回答に近づく糸口が見つかるのです。そこが出発点で、個々人の考えどうしがぶつかり合いながら見えてくるもので、この講義の中で先生から教えられるものでないことを一番わかってもらいたいと強調しました。
 予想通り「議員としての目的」や「なぜ選ばれたと思うか?」という質問が来ました。私は市民に対して「何かやってあげる」というスタンスではなく、「一緒にやっていきたい」むしろ「一緒にやらないと出来ない」という考えを伝えました。議員としての限界をわかってもらいたい・・・議員は完璧ではないし、すべてのことを実現出来る万能な人間でないことをいかにして市民にわかってもらうか?そして市民と共に一緒に考えて新しい方向性を創り出せるのか?そこに私は議員としての役目を見い出したいと考えています。例えば「男女平等の世の中の実現」とか「環境問題」とか具体的な目的ではありません。明確なビジョンを示せないと議員ではないという考え方もあるかもしれませんが、私は「議会の限界」を示すことの中で市民の活力をもっと活かせるような土壌づくりをするという抽象的でわかりにくそうなことを実現するお手伝いをしたいと思っているのです。
 一体どこまで伝えられたのかはわかりませんが、私にとって今日のゲスト参加はとても勉強になりました。そして私が今日、語った内容はたぶん半年後の私にも一年後の私にも語れないことだと思っています。

 山梨学院から多摩に戻ってからは、当初の予定の多摩市手をつなぐ育成会の企画したイベントに参加しました。パルテノン多摩で行われたコンサート、正秋バンドは素晴らしい演奏を披露してくれました。一緒に座った知的障がいのあるお友達は曲に合わせて体をゆすったり、手拍子をしていました。その表現の仕方がとても素直でした。楽しい曲調には激しく、そしてゆったりめの曲にはおとなしく手拍子をするのでした。
 正秋バンドは視覚障がい者たちの結成するグループです。彼らの奏でる音はすばらしいものでした。彼らの感受性の豊かさを今まで以上に感じさせられました。
 今日は久しぶりにあっちこっちと動いて楽しい一日でした。それにしても山梨学院大学はさすが!という感じで大学のワインを作っていました。分けてもらえてうれしかったです。

投稿者 hisaka : 2002年10月25日

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