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2002年10月17日

決算委員会3日目

 中盤戦。明日でもう早、最終日を迎えます。私は事業報告書を丁寧に審議するために、たった4日間ぽっきりでは足りないのではないかと思っています。そしてより多くの視点からの意見をもらうためには、やはり議員全員で決算の審議を行ったほうがいいのではないかと思います。私自身も傍聴席に座っていると、聞いてみたいことやちょっと意見してみたいことが出てくるからです。ちょっと残念だなと思います。

 今日は途中でネットのひとこと提案をまとめる打合せがあり、途中聞き逃してしまいましたが、労働費、農林業費、商工振興費、土木費、消防費が終了し、教育費に入りました。審議課題にあがった分野は私にとっては、これまで関心の薄かったもの、つまり苦手分野ばかりなのでかなり勉強することが出来ました。
 農林業費では家庭菜園のこと。これは市が生産緑地を借り上げて市民に賃貸していますが、ある議員の計算では借上げ料が851円/㎡で市民への賃貸料は240円/㎡とのことでした。多摩市では家庭菜園の賃貸期限を1区画あたり2年としています。なるべくたくさんの市民に土に触れる楽しみを広げていくためと言う説明でしたが、期限つきでは落ち着いて楽しむことができるのかどうか、きっかけづくりのお手伝いをするに留まるなあと思います。例えば老後の趣味の一つとして農業に取組むケースが多いと聞きますが、2年を期限にしてしまうと継続的な利用は出来ません。生き甲斐の一貫として家庭菜園が存在する人にとっては非常に不都合なことです。家庭菜園は大人気で、近隣の黒川(川崎市)などでは年間契約で5000円/㎡のところを多摩市民が利用しているようです。『生き甲斐づくり』を推進するためには、もっと市民が利用しやすい家庭菜園確保は必要なことかもしれません。ただし、私はもちろんその場合には市民自身が負担していくことについて忘れないで欲しいと思いますが。もしも現在の賃貸料240円/㎡が少々値上げとなっても、それでも「やりたい!」という気合いが欲しいです。市外なら負担もやむ得ないけれど市内のでやるなら行政負担を求めるという姿勢は捨ててもらいたいです。それくらいにもっともっと行政には優先して解決すべきことがあることを私は切実に感じるからです。
 商工費ではシャッター通りの商店街や桜ヶ丘駅前、多摩センター駅前の活性化が焦点でした。都、市の補助金で商店街の活性化を狙った企画をバックアップしていますが、商店会自身の組織力が低下していることや企画力の問題もあり、なかなか後に続かないという悩みは深刻です。私自身は商店街そのものがいわゆる活性化事業の効果についてそれほど信用していないというのも理由のひとつに上がる気がします。ひとつのイベントを作りあげる労力以上の効果が期待できなければやる気がおきないのは当然のことだからです。何とかしなくてはなりません。
 そして土木費では公園の管理運営費が一番の目玉です。これは契約問題とも絡んできます。入札の透明性や公正性などです。これまでも、そして現状を見ても、委託先業者が固定しています。競争性が認められないのは提出された資料などを見ると一目瞭然です。行政側も入札制度の見直しで委託先選定方法について、工夫をしていく努力をするようです。これまでは指名入札では実績主義でしたが、実績主義というのでは新規の事業者が参入してくるのを阻む問題です。実績を重視するという部分も理解できないわけではありません。けれども競争性を強化することで事業者自身の切磋琢磨も生まれるわけです。その効果をもっと期待したいと私は思います。もちろん質が良くて、より安く…が本音です。
 委託金や補助金の正当性を審査することって本当に難しいと思います。「費用対効果」の測定も客観的に行う手法はどうやって編み出していけるのかと悩むところです。でも背に腹は変えられぬ…と思います。そういう時代に突入してしまっているのです。行政もこれまでとは違って「安くていいもの」を選んでいくしかありません。大変な時期に差掛っているのだと感じます。30年先・…いや10年先を見ても私は不安です。その一方で今がとても正念場だし、肝心だという思いが募り、自分の責任の重さを痛感しているところです。 

投稿者 hisaka : 2002年10月17日

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